甘さと意地のあいだで目を開けると、窓から見える空には月が見える。…だいぶ眠ってしまっていたらしい。
視界が徐々に鮮明になっていくと、シーツや枕がぐちゃぐちゃになっているのが見える。まるで、さっきまで何があったかを物語っているようだった。
ふと、気配を感じて後ろを振り向くと。彼は片肘つきながら、ニヤリと笑っていた。
「Good morning. My sweet honey.」
ウインクをしながら、こちらに挨拶するソニックを見て…僕は眉間に皺を寄せながら、ため息をついた。
「で、こんなことどこから仕入れたんだよ?」
ソニックは自分の体に残った跡を、指さしながら、からかうように聞いてくる。…いや、面白がっていると言い換えた方が正しい。
それが分かっているから、苛立ちながらも僕は黙っている。 その沈黙を答えだと彼は受け取ったのか、くっくっと笑いだし、にやけながらほっぺたをつついてきた。
「シャドウ……お前、意外とむっつりだな?」
「……ふざけるな、むっつりじゃない。」
近くにあった枕を手加減して、投げつけながら否定する。決して、むっつりと言われる筋合いはない。 が、顔に枕が当たってもなおその笑みは消えない。むしろ、口角は上がっている。
「でもさ、今日のあれは準備してただろ。ポーカーフェイス決めてたけど…意識し過ぎてー」
その続きを言われたくなくて、口元に唇を重ねた。一気に詰めた距離を離すと、面食らったような表情の中に少し照れが見える。
「……黙れ。二度と口にするな。」
僕は、ソニックから顔を背けながらも自分の顔や耳に熱にこもるのを自覚した。
(あのさぁ、シャドウ…。そういうことを急にするから、お前は。)
…同じくらいの熱を感じている、ソニックがいることをシャドウは知らない。
後日、「スケベ野郎」とシャドウに声をかけて2人の取っ組み合いが始まる光景がよく見かけるようになるのは別の話。