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    rin_sd07

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    rin_sd07

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    糖度100。

    #シャソニ
    chasonny

    嫉妬最近のシャドウは噛みグセが酷い。
    今日は首筋、昨日は右肩、一昨日は左腕──それより前は…と噛み跡の場所を挙げればキリがない。

    「シャドウ、何かあったか?話なら聞くぜ?」

    以前、からかいながら聞いたときは、傷跡が倍になって返ってきた。そのうえ、傷をつけた張本人は清々しい顔をしているので余計にムカついた。
    しかし今回は、傷跡を三つもつけておきながら、ベッドの枕に顔を突っ伏したままだ。

    「Hey, darling What's up」

    反応がないので、もう一度声をかける。するとシャドウは片耳だけ向けた後、むくりと起き上がった。

    「……君は覚えていないだろうけれどな。」

    そう言いながら近寄り、傷跡を指さして説明していく。

    「一昨日の左腕は、助けた女性に。昨日の右肩は、ナックルズに。今日の首筋は、迷子で捜索中の子猫に。」

    最後に深呼吸をして、シャドウは言葉を紡いだ。

    「…全部、君の肌を触れさせただろう。」

    「…………。」

    なんとも言えない空気が漂う。それは、つまり。

    「シャドウ………It's Jealousy」

    そう伝えると、ボン!と音がしそうなほど、シャドウの顔が赤くなった。そしてまた、顔を背けてしまう。
    そういうことか…。答えを聞いたこっちも恥ずかしくなることを、この究極生命体様は分かっているのだろうか…否、分かっていない。

    「OK, OK. 俺が悪かった。代わりに、好きな所に一つ傷跡をつけてくれ。な?」

    慰めるようにそう告げると、いつもの雰囲気に戻っていた。──が、ほっとしたのもつかの間。

    「それなら、君の左薬指にしよう。今、手を貸せ。」

    …前言撤回。悪い意味での“いつも”だ。
    だが、言ってしまったことを白紙にも戻したくない。覚悟を決めて手袋を取り、左手を差し出す。

    「…今度は、優しくしてくれよな?」

    シャドウは黙ってその手を見ると、左薬指に噛み付く。遠慮がちに──しかし跡は残るように、ゆっくりと力を込めた。
    その感触を胸に、今夜も長くなりそうだと、小さく首を振った。
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