おとしごろ社会人三年目ともなればサラリーマンの制服、スーツも体に沿ってくる。特に留三郎の向かいの席でジャケットを脱いでシャツの袖を捲くりあげて五杯目の中生を傾けている文次郎は、老け顔と貫禄から社会人十年選手にすら見えてしまう。これで同い年なのだから不思議なものだ。
ラストオーダーの時間だと店員に声を掛けられ、重い腰を上げて店を出る。このまま一人で帰るには物足りない。
「二次会、家でやろうぜ」
「おう」
コンビニで缶ビールを買い込み、ついでにツマミも追加する。エイヒレ愛してる。
まだまだ社会人になりたての、男の一人暮らしの部屋など、シングルベッドが一つに座椅子が一つ。座る場所は適当に、愛用のローテーブルをベッド近くに寄せて買った酒とツマミを乗せれば宴会の続きだ。
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