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    tsukine_tuki

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    tsukine_tuki

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    すべてを奪われたあの夜。
    家族との別れ、万華鏡写輪眼、あまりにも残酷な真実。
    絶望の中で少女は涙を枯らし、決意する。
    名を捨て、姿を変えた忍“やかぜラン”
    彼女の物語はここから始まる。

    ※この作品はNARUTO の二次創作です。
    ※基本は原作の流れに沿っていますが、一部展開や設定にオリジナル要素を含みます!

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    月と樹と写輪眼─もう一人のうちは─第二章 決意の夜、名を捨てた少女木の葉隠れの里、うちは一族の居住区域。
    深い闇に包まれた夜。

    辺りには不気味な静けさが漂っていた。

    イタチは月光に照らされた一族の街並みを見下ろしていた。
    彼の写輪眼が赤く輝いている。

    風が吹き、彼の黒髪が月明かりに揺れた。

    イタチは深く息を吐き、微かに震える手を見つめている。

    そしてその姿は、夜の闇の中に溶けていった─





    ふと、大きな物音で夜中に目が覚めたミズノ。

    「何の音…?」

    隣の部屋で寝ているイズミを起こしに行く。

    「ねぇ、お姉様!!
    起きて!外からすごい音が聞こえたの!」

    イズミが気だるそうに目を覚ます。

    「え?すごい音……?お母様が起きてるんじゃない…?」

    「ううん。外から聞こえたの。
    なんか嫌な予感がする…。」

    イズミとミズノは母の寝室に向かったが、誰もいなかった。

    家中を探しても、見つからない。

    「お母様、一体どこにいっちゃったの…」

    イズミが呟く。


    ──すると、外から叫び声が聞こえた。


    イズミとミズノは見つめ合う。

    「ミズノ、外に出るよ…」

    「うん、わかった」

    イズミはミズノに後ろに隠れながらついてくるよう指示し、玄関のドアをゆっくりと開けた。

    ──外の様子を見て二人は言葉を失う。


    「え…?お母様?みんな……?」

    家の前で血を流し、生き絶えた母。

    そして、逃げ惑う人々の姿。

    2人は状況を飲み込めず、動けない。


    すると──

    頭上から音もなく、誰かが目の前に降りたつ。
    その手には血に染まった刀を持っていた。

    「イタチ君!?」「イタチお兄様!?」

    イズミとミズノが、同時に彼の名を呼ぶ。

    「……」

    月影に浮かぶ表情から彼の気持ちは読み取れない。

    「これは…まさかイタチ君が……?」

    イズミは彼が持っている、血に染まった刀を見つめながら問う。

    「お姉様!イタチお兄様がこんな事するわけない!!
    襲ってきた誰かと戦ってたんだよね?
    私達のこと、助けにきてくれたんだよね?
    このままじゃみんなが殺されちゃう!!
    一族を守らないと…!
    お兄様!私達も一緒に戦うよ!!」

    イズミとミズノの写輪眼が、赤く光を放つ。

    イタチは何も答えず、静かに二人を見据えている。

    「一族を守る…か……」


    すると一瞬で移動し、万華鏡写輪眼で二人を見つめた。

    「……!!」


    イズミとミズノは、イタチの幻術の世界へとおちていった──

    イタチは意識を失った2人を瞬時に支え、静かに地面へ横たえさせる。


    「許せ、イズミ、ミズノ…」


    そして再び刀を握りしめ、闇の中へと消えて行くのだった。



    ──どのくらいの時間がたっただろうか


    ミズノの瞼が開き、ゆっくりと意識が戻ってきた。

    「う…頭が、痛い……私……?」

    痛む頭を抑えながら横を見ると、イズミが横たわっている。

    その身体はぴくりとも動かない。


    「お姉様!!!!」


    ミズノはイズミの身体を揺すりながら必死に呼びかけ続ける。

    「う……」

    イズミが苦しげな表情で言葉を発した。

    「お姉様…!!よかった!!待ってて今…」

    すると、イズミは印を結ぼうとするミズノの手を掴みながら、息も絶え絶えに語り始める。


    「その力は、使っちゃだめ…」

    「大丈夫!お姉様を助けたいの…!」

    すると、イズミは震える手で自分の両目を取り出し、ミズノに差し出しだした。

    その目を見てミズノは、はっと息を呑む。


    「万華鏡…写輪眼…!?」


    イズミの手の上で、花の弁の模様が4つ浮かぶ瞳が赤い光を放っていた。


    「前にね、イタチ君と、シスイさんの会話を…聞いてしまったの。
    最も親しい人の死が、万華鏡写輪眼を開眼させるって…。
    イタチ君が…お母様の命を奪った。
    私たちの仲間も…そして私とミズノの事も……。
    悲しくて、信じたくなくて……夢であってほしかった。

    あの優しかったイタチくんが、どうして……。
    この眼は、きっとそんな強い思いに…応えるようにして目覚めたんだと思う。

    ミズノ、あなたもこの後…私の死できっと開眼する。
    だから託すの…」


    「どういうこと?わからないよ…お姉様…」


    ミズノはイズミから眼を受け取るも、理由がわからない。涙がとめどなく溢れ出てくる。

    「万華鏡写輪眼は…力を使うと視力を失っていくみたいなの…。でも、誰かの万華鏡写輪眼を移植すれば…
    永遠の万華鏡写輪眼を手に入れられるって……」


    ミズノは大きく首を振る。

    「永遠の万華鏡写輪眼なんて…そんなのいらない!!

    いらないから、お姉様……お願いそばにいて…いやだよ!!」


    イズミは手探りで、泣いているミズノの顔を探し当て、涙を指で拭きとった。

    「ミズノならイタチ君を…助けてあげられる気がするの。
    私にはもう…出来ない。
    イタチ君はきっと…何か理由があって、一人で苦しんでる。
    私の目を移植して。ずっと…ミズノの側にいられるから…。

    そして、イタチ君を…助けて…」

    「お姉様……!!!」

    イズミから身体の力が抜け、パタリと地面に手が落ちる

    「…う…ううっ……」

    ミズノは嗚咽を漏らす。
    姉のそばから離れられず、泣き続けた。


    ──流す涙も枯れ果てた頃、ミズノは血で染まった両手を静かに広げた。
    しばらくイズミの万華鏡写輪眼を見つめる。

    そして、顔を上げた。

    彼女の瞳には、姉と似た模様の花の弁が4つ。

    静かに、だが確かに、万華鏡写輪眼が宿っていた。


    ミズノが目に手を当てると、緑色の光が発光する。
    そして自分の目と引き換えに、姉の目を移植した。

    痛みなのか悲しみなのか…再び涙が溢れて止まらない。

    (お姉様の言うとおり…イタチお兄様は何かに苦しんでいる。
    だから様子がおかしかったんだ…。

    お兄様は理由もなく、こんな事をする人じゃない…)

    ミズノはゆっくりと瞳を開く。

    ぼやけた視界が鮮明になっていく──

    あたりは静寂が支配し、血の匂いが漂っていた。


    「!!サスケは……」


    一瞬不安がよぎる。

    しかし、ミズノには絶対的な確信があった。

    「お兄様がサスケを傷つけるわけない…。
    今はとにかく助けを呼ばなきゃ!!火影様に助けてもらわないと!!」


    ミズノは急いで駆け出した。



    ミズノが火影の元へ向かっている頃──

    イタチは自分の父と母を手にかけた。

    その光景を見たサスケに、万華鏡写輪眼開眼の秘密を告げる。

    そしていつか俺と同じ眼を持って、オレの前に来いと復讐の念を抱かせていたのだった。



    息を切らしたミズノは火影室前に到着し、中に入ろうとドアに手をかけようとしていた。

    すると中からヒルゼンとダンゾウの話し声が聞こえた。中に入るのを躊躇っていると、”イタチ”という言葉が聞こえてくる…

    ミズノは隠れて2人の会話を聞くことにした。
     

    ──すると衝撃的な事実を聞くことになる。

    イタチは、うちはと木ノ葉のスパイとして二重の生活を送っていた。そしてうちは一族はクーデターを計画していた。

    彼は里と忍界の平和の為に、木の葉の上層部から命じられ、任務としてうちは一族を抹殺した。

    これは極秘情報であり、真実を知るのは、現在木の葉上層部の三代目火影・猿飛ヒルゼン、志村ダンゾウ、相談役の水戸門ホムラとうたたねコハルの四人。

    さらには暁という謎の犯罪者集団へスパイとして潜入させ、内部から見張らせる。

    しかも許せないことに、ダンゾウはサスケを、イタチとの”交渉材料”だと言い放っていた。

    ミズノは怒りと悲しみで身体の震えが止まらなかった。


    (お兄様に全部押し付けて…しかも犯罪者集団のスパイなんて……お兄様だけに全て背負わせるの?どうして…?

    みんなに恨まれ、里を抜けて犯罪者になるなんて。しかもサスケを…お兄様の弟を思う気持ちを利用した。
    こんなの…おかしい!くやしいよ!!)

    ミズノは一人声を押し殺し、涙を流していた。




    ──火影室から遠く離れた場所で、里を見下ろすように立っている1つの影があった。

    写輪眼が月光に反射して赤く輝く。

    そして、その影は暁のマントをはためかせながら、夜明けが近づく空に消えて行った──




    ミズノはダンゾウが火影室から去った後、ヒルゼンの前へ姿を現す。

    「ミズノ!?なぜ、生きている…まさか、今の話を…全て聞いていたのか?」

    「どうして、ですか?こんな方法しか…なかったんですか?」

    ミズノは泣き腫らした瞳で、ヒルゼンを見つめ続けている。

    ヒルゼンは深いため息をつき、そして一呼吸ついた。

    「すまぬ。お前達一族も守りたかった…。しかし、里を守る為の苦渋の選択だったのじゃ。
    イタチにしか頼めず、弟のサスケを人質にしてしまった…。本当にすまなかった」

    ミズノは謝罪を受け止められず、目を背ける。

    「サスケは…生きているんですね…」

    それだけは、彼女の救いだった。

    「ああ。里の上層部からサスケを守るよう、イタチから頼まれた…。サスケは必ず、わしが守ろう。

    ミズノ…お前には酷な事だとわかっているが、里の為に犠牲になったイタチの覚悟を蔑ろにしないよう、この事は決して他言無用じゃ」

    ミズノは受け入れたくなかったが、力も、強さも、経験も今の自分には全く足りていない。

    里を相手にする事も、大切な人を助けることすらできないとわかっていた。

    「わかりました。絶対に…誰にも話しません。

     火影様…あなたが私に修行をつけてくれるなら」

    ヒルゼンは一瞬、困惑の表情を浮かべるも、短く息を吐いた。

    「承知した……。
    お前にできる限りのことはしよう。しかし…」

    ヒルゼンはミズノをしっかりと見据えて警告する。

    「木ノ葉の上層部にとって、サスケは”人質”であり、イタチとの”交渉対象”じゃ…。
    だが、お前にはイタチのような”存在”がいない。

    生きていると知られた瞬間に、確実に狙われる。
    お前の命を守る方法を考えねばならん」

    ミズノは全く怯まなかった。

    「たとえ狙われたとしても…絶対に生き残ってみせる」

    ヒルゼンは目を瞑りながら俯き、しばらく考え込んでいる。


    ──すると、策を思いついたのか、静かに顔を上げた。

    「術で姿を変え、名前を”やかぜラン”と名乗り、里の前で行き倒れているように演じるのじゃ。

    そこからは…わしがなんとかする」



    ──次の日、ミズノが姿を変えた”やかぜラン“は里の門の前で倒れているところを木ノ葉の忍に保護された。

    彼女はとある小さな村の生まれで、村を山賊達に襲われ両親を殺された孤児。

    一人村から逃げ、木の葉の里の前で力尽きていた。
    まだ幼い子供の為、里で保護し育てていくとヒルゼンは上層部等と話し合い、なんとか上手く皆を納得させた。



    ──忍術アカデミー入学式

    大勢の人々の中を一人、黒いフードの影に金色の髪と翡翠の眼差しを潜ませた少女が歩いていく。

    (お兄様を救う為なら……完璧に”やかぜラン”を演じてみせる)

    ミズノは強い思いを胸に、再びアカデミーへ入学したのだった。


    あの夜の喪失の果てに残されたものは、深い悲しみと癒えることのない痛み。

    しかし彼女の瞳の奥には、強い決意が芽生えていた──
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    tsukine_tuki

    DONEすべてを奪われたあの夜。
    家族との別れ、万華鏡写輪眼、あまりにも残酷な真実。
    絶望の中で少女は涙を枯らし、決意する。
    名を捨て、姿を変えた忍“やかぜラン”
    彼女の物語はここから始まる。

    ※この作品はNARUTO の二次創作です。
    ※基本は原作の流れに沿っていますが、一部展開や設定にオリジナル要素を含みます!
    月と樹と写輪眼─もう一人のうちは─第二章 決意の夜、名を捨てた少女木の葉隠れの里、うちは一族の居住区域。
    深い闇に包まれた夜。

    辺りには不気味な静けさが漂っていた。

    イタチは月光に照らされた一族の街並みを見下ろしていた。
    彼の写輪眼が赤く輝いている。

    風が吹き、彼の黒髪が月明かりに揺れた。

    イタチは深く息を吐き、微かに震える手を見つめている。

    そしてその姿は、夜の闇の中に溶けていった─





    ふと、大きな物音で夜中に目が覚めたミズノ。

    「何の音…?」

    隣の部屋で寝ているイズミを起こしに行く。

    「ねぇ、お姉様!!
    起きて!外からすごい音が聞こえたの!」

    イズミが気だるそうに目を覚ます。

    「え?すごい音……?お母様が起きてるんじゃない…?」

    「ううん。外から聞こえたの。
    なんか嫌な予感がする…。」

    イズミとミズノは母の寝室に向かったが、誰もいなかった。
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    tsukine_tuki

    DONE「もし、もう一人の“うちは”いたら?」
    うちはイタチ、弟サスケ。
    うちはイズミ、そしてイズミの妹ミズノ。
    幼なじみの4人の小さな思い出。
    NARUTOの“ifの物語”
    ここから、彼女の物語が動き出す。

    この作品はNARUTO の二次創作です。
    オリジナルキャラクター主人公「うちはミズノ」が登場します!
    ※基本は原作の流れに沿っていますが、一部展開や設定にオリジナル要素があります!
    月と樹と写輪眼─もう一人のうちは─ 第一章 木漏れ日の下で、幼き日の思い出川辺に響く手裏剣の音。
    陽の光にきらめく水面の向こうで、三人の子供たちは必死に的を狙っていた。

    その対面岸に立つのは、優しく微笑む彼の姿。
    うちはイタチ。
    天才と呼ばれる少年は里や家族、仲間を思う優しい心の持ち主だった。

    そして、その弟サスケ、幼馴染の二人の姉妹。
    この四人で過ごした穏やかな時間は、やがて訪れる悲劇の序章となる。

    まだ誰も知らなかった。
    この小さな思い出が、彼らの運命を大きく揺るがすことになることを──




    木の葉隠れの里の郊外にある川辺。
    日差しが眩しい中、木々の間から手裏剣の音が響いていた。

    川の向こう岸には異なる角度で複数の的が並べられている。
    うちはイタチは反対側の岸に横一列に並ぶ弟のサスケ、うちはイズミ、イズミの妹のミズノへ穏やかな声で手裏剣の指導をしていた。
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