オフだから、なんて言い訳をしていつもより少し……否、だいぶ遅めの起床。朝とは言い難く、どちらかと言うと昼に近い時間になってようやく目を覚ましたビリーは、それでも昨晩遅くまで情報屋の仕事をしていたせいでまだ眠気の残る眼を擦った。
ぼんやりとした頭でセクターメンバーの予定を思い返しながらリビングへと向かうと、毛先をぴょこぴょこと跳ねさせた癖の強い髪の先客を見つける。
そういえばグレイもオフだったなと声をかけようとしたところで、違和感に気付き口の中で音を留めた。同じ後ろ姿だが、どこか乱雑に見える仕草の彼は。
「……ジェット?」
「?」
恐る恐る口にした予想はあっていたようで、グレイと同じ顔から、グレイなら決してビリーに向けない表情と声を返した。
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