『依存』汚染 『依存』
地上から地下へ戻れば、緊張していた体は徐々に落ち着いて行く。
ハンター達はあの事件以来、気性は荒く時には殺し合いも始まる。
そんな殺伐とした場所から抜け出し、一番の落ち着く彼の元へ帰る。
「……ぁ、大虎さん、おかえりなさい――――うわッ」
家に帰れば車椅子に乗る美濃部がジョウロを持って、家の中にある植物に水をやっている最中だった。そんな事などお構いなしに、白川は一番の拠り所である美濃部に抱き着いた。
「―――剛」
「…どうしたんですか、大虎さん」
美濃部は持っていたジョウロを地面に置き、抱き着いて顔を上げない白川の髪を撫でる。
架南島レイドで運よく生き残る事が出来た美濃部は、命がある代わりに両足を失った。S級ハンターでヒーラーである美濃部は今での貴重な存在で、時にはその足でも地上へ出なければならない事もある。
770