不安はいつか突然に終わる『親父から連絡あった。犯人捕まったぞ。』
めだまにメッセージを送り既読になった途端すぐに電話がかかってきた。
思わず電話をしたのか向こうは言葉に詰まっている。俺はなるべくいつもの様な軽い口振りで「すぐ来ると思った」と苦笑した。
『…っ、ほんとに…?』
「俺様は嘘をつかないだろ」
いつも穏やかな親友は電話の向こうで戸惑った様な少し安心した様な、随分間抜けな声をしていた。
それも無理もない。ずっと弟の様に可愛がっていた従兄弟ちゃんにトラウマを植え付けた犯人がやっと捕まったのだ。
「ニューヨークで捕まったとさ、強姦未遂らしいけど誘拐監禁で現行犯逮捕。…他にも色々やらかしてるっぽくてな、叩けば埃が出る体って奴だ。」
『…!!被害にあった子は?無事か?』
1915