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    akillerh

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    akillerh

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    考察ではないけど「ブルータス、おまえもか」の話

    日記だよ実は昔初めて『誰がために闘う!編』を読んで何気に気になっていたセリフが「“ブルータス、おまえもか”だったよ」なんですが、初めて読んだ時には私はこのセリフの背景を既に『パタリロ!』で学んでいたので、当時は割とスーッと「なるほど、お前まで裏切るなんて思ってなかったんだな」と認識していたわけ。
    今ほど言葉を捏ねくり倒していなかった頃なので、カプ根拠のひとつと思っていはしたけども、それよりなんかやたら…握手とか(グレートだけど)見つめたりとか(グレートだけど)アハハハハと高らかに笑いながら二人でヤバい飲酒をするとか(グレートだけど)そっちの方により気を取られていたんですよね。
    まぁ、なんだ…それはグレートなんだよ。(それでも構わない理由は一応あるのと、今回はその話ではないので一旦横に置いておく)

    この『誰がために闘う!編』の肝はさ、そもそも決定的にハインリヒがへそを曲げた瞬間が「“ブルータス、おまえもか”だったよ」の瞬間だったということなんですよ。(強火に決めつけて行くがあくまで主観です)
    ここで、シェイクスピアと言えば、商業演劇用に面白おかしく改変されたハムレットとリア王とマクベスしか知らない私、とりあえず「カエサルにとってのブルトゥス(ブルータス)とはどんな男なのか調べるか」となりWikipediaを開いた。私はカタカナの名前が苦手である。なんとか「カエサルの愛人の甥で、カエサルとはほぼ親子のようなあつかいで側近」まで読んだ…わからん、間違っとるかもしれん…本当に目が滑る…これだからローマや古代ギリシャあたりの成績が悪かったのだ。
    しかし、まあそら…自分の暗殺を企てた一味に可愛がってきた男が混じってて、しかもおそらくシェイクスピアの脚本としては、次々に己を裏切った配下たちを確認し、最後に「ブルータス、おまえもか」となるはずである。
    信じていたのに、お前だけは私の味方だと思っていたのに、まさかお前までもが私の敵となったのか、と。
    そーんな重てえセリフのはずだよな、順当に考えると。

    ただ、フレーズ的に短く印象的なので、昭和の漫画や創作には比較的出てきやすいというか、思わぬ裏切り者と言えばブルータス、文字数少なくてネーム的にも優秀。
    そういうものによく使われるようになると、今で言う「ミーム」になっていたように感じる。あくまで私の感想だが。

    でも『誰がために闘う!編』でこれを口にしてるのは我らが拗らせひねくれ王子であるところのアルベルト・ハインリヒですよ。
    更に、ジェットはそれまで原作でフランソワーズに対して色目を向けたような描写が皆無だったのに、ハインリヒがここに来て「実はお前がフランソワーズに気があるの、俺は知ってるもんね」をぶちかまして来る。
    これほんと、人間関係として、ほんとあかんでしょ。(脱線)
    これがまだヨミ編だとか、再開してすぐとかの、60年代の009での展開なら、紅一点のヒロインに対して秘めた想いを抱いているメンバーがジョーの他にもいるということが明らかに、で済む話だけど、この話を描いたときの石ノ森先生は既に『神々との闘い編』や『天使編』で、メンバーの人間としての精神を剥き出しにしようと散々悩んだ後の石ノ森先生なわけですよ。つまり、そこでも欠片も出さなかったことをハインリヒが「俺は知ってる」と暴露してくるんですよね。
    (その後のジェットの反応を見ると、多分ハインリヒが勝手に気付いた訳ではなく、そういう話をジェットがハインリヒにしたことがあるように私には思える。他のメンバーにはもちろん、フランソワーズにも秘密にしといてくれよな、なんて約束でもしてたくらいの)
    ジェットはあの事件がなければ絶対フランソワーズへの淡い恋心を顕わにするようなことは無かったんだろな。

    大人気ねえ…(素直な推しへの感情

    「ブルータス」と「二人だけの秘密をバラす」あたりで、そもそも『ジュリアス・シーザー』に造詣が深いグレートは、ハインリヒがジェットの態度にいかに傷ついてしまったのか気付いちゃったんだろな…
    何故二人の仲直りをグレートがやるのか、についてはあの「ブルータス、おまえもか」のセリフひとつで繋がるあたり…石ノ森先生凄いな…と思う、マジですごい
    最終的に、石ノ森先生凄い、で終わりそうなこの…考察とも言えん何か…。
    特になにも深堀りしなくて読んでも、グレートはメンバーの中で一番年上だし、人生経験が良くも悪くも豊富な方なので、ジェットとハインリヒの仲直りに手を貸してくれたんだな、と読めるんだけど、そういう教養があると、グレートが仲直りさせるっていう話の流れにもっと自然に納得できてたんじゃん!うわ~!やっとここまでたどり着いた!という感動をお届けしたくてなんか妙に長い文章を書いていた。

    まぁつまりよ…あの話のハインリヒはほんとジェットが好きだな…っていうことだったのさ
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