事ある毎に求められるようになってしまったこの男、マッシュ·バーンデッドはどうやらハグが好きなようだ。
事のきっかけは確かあの時だ。
あれは確か、再び訪れた実家への帰省の報告を受けた時だ。
「明日実家にカエリタイデス」
「お前……試験前だぞ」
「帰らせてクダサイ」
マッシュにしては珍しく涙を滝のように流しながら懇願してきたのだ。口調こそはいつもと変わらなかったがそこまで泣かれてしまっては突き放すのも不憫だと判断しやむを得ず許可した、オレはそこまで融通の利かない男ではない。
……所で、その焼け焦げたアフロヘアーには触れない方が良いか?
気になって思わず撫でてやると不思議な事に何時もの髪型に戻った。同時に撫でられた事に驚いたのか、滝のような涙も一気に枯れた。だが可哀想なほどに泣き腫らした目元にかつての弟を思わせ、ついその身体を抱きしめてしまったのだ。
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