「教えてくれたのは」 目を負傷した椥に連れそう形で病院に来ていた、病院では今回の戦闘で怪我をした職員が待合室に沢山おり、看護師が忙しそうに大声で周りに指示を出しながら走り回っていた。重軽傷や、死者も沢山出たと聞いていただけに、自分が傷一つなくこうして当たり前のように立っているのが奇跡のように感じた。椥の目の傷は失明をするほどの大怪我ではなかった。だが、視力の低下と傷跡が残ると言う。
「椥ぃー!!!!」
「病院で大声を出すな、大丈夫だから」
慌てふためいているイルと違い、冷静にそう答えた椥は治療をしてもらうとさっさと病院を後にする。冷静すぎでは? と狼狽えているイルを横目に椥は口を開く。
「言ったって何も変わらないだろう、視力が低下しているだけで失明している訳では無いからな。それに、俺の目になるんだろう?」
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