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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    アイドラ小説
    美男くんと舞台の話

    同級生である美男との小規模ライブをすることになった、内容は王様役である美男と、その王を討つために一人でやってきた敵国の騎士役である世良のストーリーだ。なんとこの舞台は終わりがないのだ、最終的にどうなるのかは観客に任せると書かれている。終わりのない舞台なんて中々ないな、と世良は遠く思いつつ演技は初心者であったが教えてもらい今日、公開日だ。メイクさんからメイクをしてもらったり衣装を着たりと準備をする。鏡の前に写った自分の姿をじっと見る。騎士の服なんて初めてだったがユニット服以外の服もいいな、と思う。ふと、スタッフから渡された髪紐が緩い気がした。解けはしないと思うが、心もとない気がして思わず触る。その時ノック音と共に扉が開く。
    「白石!準備は出来たか!お!似合ってるじゃないか!」
    「王さまもじゃん、ユニット服とは違う服だし。……うーん……」
    「どうした?」
    煌びやかな服に身を包んだ美男が更に眩しい気がして目を細めそうになる、いつもより輝いてるような気がするのだ。そしてやたら髪を触る世良をみて怪訝そうな顔をする美男。
    「なんか髪紐緩い気がして」
    「まぁ衣装的にヘアゴムじゃ合わないからな、そこは我慢だろう?」
    「だよなぁー、まぁ解けはしないと思うけど……」
    たしかにこの服にヘアゴムは時代背景にも合わないため舞台中に解けない事を祈りつつ帽子を被って美男と共に舞台袖へと向かった。

    舞台開演、場面はかわって騎士役の世良が捕らえられ王座の前で王役の美男からナイフを首元にヒタリ、とつけられている場面。ナイフは作り物なのだか、冷たさや皮膚にあたる感覚はナイフそのものだ、目の前にいる美男は顔を酷く歪ませ世良のことを見ている。顔立ちのいい人が演技をするとそれだけで圧倒される、美男のHackもあるだろうが、それに負けないようセリフを話す。
    『キスにしては冷たいですね、王よ』
    『つまらん冗談だな?命乞いは?』
    酷く冷たい声で話、冷たい目で世良を見る。辺りはシン、と静まり返り世良と美男のセリフの声しかないがそれだけで惹き込まれる。観客も学生だから、と思っていただろうが釘付けになっていた。
    『……命乞いをしろというならしますが……貴殿の事だ、悪趣味な命乞いをしろと言うのでしょう?生憎……私はそのようなつまらぬ遊びにはお付き合いしません』
    『そうか、なら死ね』
    そう言ってナイフを勢いよく突き立てるパフォーマンスをする。観客から悲鳴が聞こえたが、美男が観客に分からないよう合図をしてくれたためタイミングよくナイフを即座に掴む世良。実は衣装の手袋に少しだけ細工をしており、血糊で血が出ているような演習をしている。狙い通り血糊が溢れ出てくる。床にポタ、ポタと垂れつつニヤリと世良はセリフを言った。
    『そう簡単に死ぬつもりはありません』
    そろそろだ、世良がタイミングを伺う。美男は顔を分かりやすく、眉間にシワをよせると勢いよく足を振る、タイミングに合わせてまるで蹴飛ばされたように飛ぶ世良、受け身を上手にとると世良の頭を踏みつける美男。なお観客ならみたら力強く踏まれてるように見えるが、実際はそこまで痛みはない。よし、次のセリフを言おうとした時。
    ──ブチッ
    何か切れる音に世良と美男は少しだけ反応してしまった、世良は一瞬分からなかったが美男からは分かった。先程世良が心配していた髪紐が切れてしまったのだ。もちろん、この事は想定外だった、世良も分かってしまったのだろう、どうしよう、と困惑した目で美男を見ようとした時勢いよく世良の頭を掴んで起こすと耳元で話す。
    「頭をそのまま後ろに引け」
    なるほど、なんのアドリブをすればいいのか分かりそのまま言う通りにするとさっき言おうとしたセリフを言った。悔しそうに、顔を歪ませながら。
    『ぐっ……』
    『躾のなっていない駄犬だ』
    『……はっ。生憎、貴殿に躾をしてもらった覚えはないですね』
    髪がサラリ、と落ちる。これの方が屈辱的な騎士らしいな、と世良が思った時に曲が流れ始める。この曲で歌い、また場面があった切り替わるのだ。すっとお互い離れるときさりげなく落ちた髪紐を回収した。

    舞台は何事もなく終わり、舞台袖に行った時慌てて美男に謝った。
    「王さまごめん!髪紐切れて……」
    「なに!あれの方が上手くいったしな!それにしても白石!演技は中々のものだったぞ!」
    「いや王さまに比べたらなぁ……。やっぱ王さま凄いや」
    それにしても解けた髪が邪魔だ、早く着替えたかったがスタッフからSNSに載せるから、とそのまま写真撮影に連れて行かされてしまった。こっそり美男に妹にもみせるから後で写真を撮らせて欲しい、と小声でお願いをするのを忘れなかった。
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    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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