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    ちょこ

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    アイドラ
    織緒くんと世良の話

    世良は課題を進めるために放課後図書室へ足を運んだ、ついでに曲作りの資料も集められるのではと思いつつ中に入る。図書室を利用している生徒はすくなく、隅の方で本を読んでいる生徒や、カウンターで委員会の仕事をしている生徒がいるくらいだった。普通の学校とは違うため、そもそも利用する生徒は少ないか、と思いつつ辞典と参考になりそうな資料の本を数冊取った時、ふととある後ろ姿に気づいた。長い金髪でなにやらうんうんと唸っては辞典を開いている小柄な生徒。織緒ではないか? と世良は気づきそっと近づいた。織緒は近づく世良に気づかず、目の前の課題に頭を悩ませてる様子だった。
    「……? ここなんて意味だろ……」
    「そこの問題、まずここの文を理解してないと難しいと思う」
    後ろから手を差し出して、文をなぞるように指を動かす。突然後ろから声をかけたからか驚いた様子でば、と勢いよく後ろを振り向く織緒。
    「せ、世良先輩……!? なんで……? 」
    「織緒。ここ図書室だから」
    しぃ、と人差し指を口で押さえる仕草をすると声量を下げる織緒、隣に座り鞄から課題のプリントを出しつつ話す。
    「俺も課題出されてさ〜、それで来たわけ。どこが分からないの? 教えるけど」
    「え、でも世良先輩も課題……」
    「課題しながらでも教えられるから、英語なら俺得意だし。んで、さっきの続きだけど……」
    織緒にそう笑って先程の続きを教えた、単語の意味や文法、筆箱から付箋を取り出してわかりやすく書いてプリントに貼る。
    「これノートに貼ると覚えるだろ? 」
    「あ、ありがとうございます! 世良先輩凄いですね……あんなに長文分からなかったのに段々わかってきたような気がします」
    「褒めても何も出ないぞ〜」
    笑いつつ世良も課題を進める、たまにチラリと織緒をみるが、真剣な顔で長文を解いていく様子に少し微笑んで課題を進めた。どのくらい時間が経っただろうか、夕焼けが先程より赤く染まった頃、織緒がシャーペンを置いた。
    「終わっ……た……」
    「……うん、合ってる。合ってたぞ織緒〜」
    よしよし、と笑いつつ頭を撫でると子供扱いしないで欲しい、という抗議をするような目をされたが世良は気にせず頭を撫でる。
    「そんな頑張った織緒くんに先輩の俺が唐揚げを奢ってあげようかな〜? 」
    「唐揚げ……! 」
    唐揚げと聞いて目の色を変えた織緒に笑いそうになりつつ、荷物をまとめて早速行こうと図書室を出た。嬉しそうな織緒を見つつ、弟が出来たみたいだな、とまた頭を撫でてしまう世良であった。
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