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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子お借りしてます

    琥珀の部屋にて、部屋の主である琥珀は丁度用事ででかけており、フレイは別の部屋におり、リヒトはというと部屋の本棚にて立ちすくんでいた。リヒトが顕現してまだ日が浅いが、琥珀の部屋の本棚に置かれている本はリヒトにとって読んだことがない本ばかりであり、暇な時は毎回借りて読んでいたのだ。そしてリヒトが読みたいと思っていた本が、リヒトの身長より高いところに置かれていた。
    「……どうしよ……」
    部屋に置かれている椅子を使おうかと思ったが、琥珀がよく仕事で座る椅子なので万が一壊れたら、と思うと使うのを諦めた。ジャンプすれば届かないだろうか、と何度か飛んだがあともう少しのところで届かない。
    リヒトは他の部屋から椅子を持ってこようか、と思った時誰かの腕が伸び、読みたかった本を取った。リヒトはてっきりフレイが取ってくれたと思ったのだ、そのため知らずに声をかけた。
    「あ、ありがとフレ……」
    フレイ、と言おうとしたリヒトは思わず固まった。そしてやや大袈裟に体が飛び上がりそうになる。フレイだと思っていたら、本を取ってくれたのはサクリだったのだ。
    サクリ──サクリフィキウムの事はまだあまり知らなかったが、どうやらフレイが来る前に琥珀と組んでいるニジゲンだとは聞いていた。リヒトにとっては自分より身長が高く、どこか睨むように見てくるサクリの表情が怖かった。いつもだったら琥珀やフレイの後ろに隠れるのだが、生憎二人とも今はいない。
    それよりも、リヒトの読みたかった本をサクリが取ったのだ。怖いの前にお礼を言わないと、とリヒトは慌ててお礼を言おうと口を開くが、緊張してしまって中々言葉が出ない。
    「あ、あの、えと……えっと……」
    「……」
    何か言われるんじゃ、とリヒトは焦りで心臓がうるさく、耳どころか顔まで真っ赤になってるんじゃ、とますます焦ってしまう。だがサクリは何も言わずにリヒトを見ている、リヒトは恐る恐るサクリから本を受け取り、何度か声がどもりつつも話した。
    「ほ、本……ありがとう……ご、ございます……」
    「別に、お前じゃ届かなさそうだったからな」
    「……」
    緊張で声が裏返ってしまったが、サクリは気にしてないような様子でそのまま影に入って消えてしまった。今までサクリの事を怖いと思っていたが、フレイに対する態度と違うような気がして思わず混乱していた。丁度その時にフレイが部屋に入ってきたが、リヒトの顔を見て怪訝そうな顔をする。
    「……リヒトどうした?」
    「え、えと……。なんでもない、サクリさんから本取ってもらって……」
    「え!? なんで俺呼ばなかったわけ!?」
    「いや取ってもらうだけで呼ぶわけないでしょ……」
    フレイの言葉に呆れつつ、取ってもらった本を見ていたリヒトはちゃんとお礼がしたいと考え、琥珀が用事から帰ってきたら相談しようと、本の表紙をそっと撫でながら思ったのだった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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