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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ
    よその子さんお借りしてます!

    二度目の言葉  ガッ、と没が何かを投げつける音がする。琥珀はその攻撃を交わしつつ建物の陰へと隠れる、没が出現したということで討伐をしにきたのだが、いかんせん先程から没の攻撃が止まなかった。
     本当なら琥珀がいつもの様に囮として動き没を引き付け、途中から駆けつけていた創が仕留める、との流れのはずだった。けれど、先程のように没の猛攻のせいでそれが出来ない。
    「琥珀ー!  大丈夫か!」
     遠くの方で創の声が聞こえた、琥珀はそれに答えつつどうしようか悩んだ。フレイのエガキナで没の至近距離までワープしてもらうか、など考えていた。琥珀はフレイを呼ぶと耳打ちをする。
    「フレイ、あの没の近くまで俺を移動させるのは出来るか」
    「できるけど……大丈夫か旦那……?」
    「……大丈夫だ、流石に突然俺が現れたら没も対処出来ないと思う」
    「……わかった」
     フレイはそう言うと手に現れた地図を広げ高らかにエガキナを発動した。すると目の前にいた琥珀が没の近くまで移動した、それを見ていた創は至近距離で仕留める気なのか、と思わず物陰から出る。琥珀は剣を奮った、はずだった。

    「なっ……!」
     奮った剣は没の触手のようなもので受け止められていた。読まれていた?  と琥珀は思わず一瞬動揺してしまった、その隙をつかれ、触手は剣に絡むと、琥珀を振り投げた。
    「あっ……!」
    「琥珀!」
    「やばい!」
      間に合うか?  とフレイは急いで地図を広げる。創は間に合え、と急いで走り出す。琥珀はというと、勢いよく投げられ、このままでは体を強打してしまうと琥珀は思わず来るであろう衝撃に目を閉じた。
     その時、誰かに受け止められたような感覚がした。来ると思っていた衝撃が来ず、琥珀は恐る恐る目を開けた。
    「何やってんだお前は……」
    「サクリ!」
     琥珀を既で受け止めたのはサクリだった、琥珀はゆっくりと地面に足をつけ、その後フレイと創が慌てて駆け寄ってきて怪我がないか見てきた。
    「旦那! 大丈夫か!?」
    「大丈夫……」
    「はぁー……。無茶すんなよ……、けどどうするよ」
     創は暴れている没を見た、近寄ろうとすると先程の琥珀のように投げ飛ばされる、かといって琥珀と創のマキナは剣とレイピアだ、遠距離攻撃できない。その時、サクリは口元を歪ませる。

    「力、貸してやろうか?」
    「は?  お前一緒に戦うから旦那助けたんじゃないのかよ」
    「誰も一言もそんなこと言ってねぇよ」
    「なっ……!」
     フレイは眉を思わず顰めてサクリに掴みかかろうとした手を創が慌ててとめた。ここで争っても意味が無い、と創は分かっていたのだ。フレイは納得言ってないような表情をしたが、琥珀は黙ったままサクリを見る。
    「……力、貸してくれるか」
    「……あの時みたいに貸し一つ、って言わねぇんだな。いいぜ、壊してやるよ」
     サクリは笑う、その表情を見たフレイと創は思わず背筋をゾクリ、と震わせた。なんであんな表情してるというのに、琥珀は普通にしているのか。それよりもあの時って一体なんの事だろうか、二人が疑問を抱きつつサクリと琥珀を見ていた。

    「俺が槍で攻撃を払う、その隙にお前らが突っ込めばいい。そいつのエガキナでいっぺんにな、突っ込むタイミングぐらい見れるだろ」
    「……まぁ、できるけど」
      サクリの指示にフレイはどこか不満そうな表情をしつつも、短剣を片手に地図を持つ。琥珀と創はお互いに顔を見て何も言わなかったが、親友故にどこでタイミングを合わせるかどことなく分かっているのだろう。
    「んじゃ、やりますか!」
    「……創は後ろな、俺が前行く」
    「おっけー!  俺も後ろに行くつもりだった」
     そう創は笑うと拳を琥珀の前に差し出した、少し呆気に取られていた琥珀だったが、琥珀は笑って自分の拳をコツン、と当てる。二人の信頼関係が垣間見えた瞬間でもあった。なお、それを見たフレイはどこか目をキラキラとさせる。
    「え、何あれかっこいい、リヒトといつかしよ」
     フレイの言葉にどこか呆れたようなため息を吐いたサクリだった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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