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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ
    自戒予告
    よその子さんお借りしました

    ##エガキナ
    ##自戒予告

    分からないことだらけだ───八重が無免のニジゲンの攻撃で負傷した。

     凪は黙ってマキナである刀を片手に走り出す。攻撃が来た時、咄嗟に八重の腕を引っ張ったが、それでも当たってしまった。
     らしくない、凪はそう思った。いつもの八重だったら、攻撃を受け流せたはずだ。それなのに、先程の反応はどう見ても遅れていた。八重の顔を見た時、呆然としていたのだ。らしくない、あんなの八重らしくない、と凪は刀の握る手を強める。
     自分も反応が遅れたことに怒りが込み上げていたが、八重のサポートを任されているリヒトにも怒りが込み上げていた、なにやってるんだ、と八つ当たりしそうになったが、それよりも目の前のニジゲンをどうにかしないといけない。

     もし、羽紅が居たら八重に怪我などさせなかったのだろう。そう思うとますます悔しかった。自分の無力さを、痛感したような気がするから。
     それよりも、と目の前のニジゲンをみる。自分らよりも体が大きく、所々包帯を巻いていた。先程の攻撃からして、パワー型かと凪は見た。
     スピード型じゃないだけマシだ、と凪は走りながら構える。あの図体ではこちらの方が素早い。凪はすぐに足元に走り出し、足を斬る。
    「ちょこまかとぉ!」
     ニジゲンが怒った様子で暴れ出す。凪はそんな様子にニヤリと笑う。
    「はっ、おせーの」

     だが動きは止めて欲しい、と思った時、後ろから声が聞こえた。
    『光の、その先へ!』
     リヒトの声だ、と凪は遠く思う。最初からしろ、なんて思ったが、声が迷ってなかった。先程の怯えた様子ではないように聞こえる。すると、頭上から誰かの攻撃がニジゲンに当たる。どう見てもリヒトのではない。ニジゲンも不意をつかれたのか動きをとめた。
     誰だ? と思ったが凪にとっては好都合だった。そのまま駆け出して刀を力いっぱい振り下ろした。丁度胸あたりを攻撃され、ニジゲンは片足を地面についた。そんなニジゲンのそばに近寄り、足を刺した。
    「なに休んでんの? まだ終わらないんだけど」
     こんなもんじゃないでしょ、と凪は笑って刀をまた振り下ろした。

    「凪くーん、それもう動いてないよ。」
     八重の声が聞こえて凪は振り返る。負傷した手をなんなく動かせてる様子から、リヒトが治療したのだろう。先程のニジゲンは凪が切り刻んだのか動かない。殺してはないが、凪のマキナの刀はインクでべっとりと汚れており、それを見たリヒトが思わず八重の後ろに隠れた。
    「八重さん! あ! 怪我は大丈夫ですか!?」
    「うん、大丈夫。リヒトくんのおかげでね」
     それを聞いたリヒトが照れくさそうに笑う。今回ばかりは治療も攻撃もできるリヒトに感謝しないと、と凪はリヒトを見る。
    「お前やればできるじゃん」
    「え、あ、はい……」

     そう言われつつリヒトは八重の後ろに隠れる。そのビビりさえなければ、とため息を吐いたあと、凪は八重を見た。
    「……八重さん、どうしたんですか。らしくない、さっきのだって八重さんなら受け流せたはずだと思いますけど」
    「んー、僕も歳かもねぇ」
     嘘だ、と凪は思った。もし相手のニジゲンがスピード型だったら、分からなくもないが、相手の最初の攻撃を自分と八重は受け止めたのだ。片目が見えていない自分ですら、出来たことだ。最初のは受け止めきれて、先程のは歳で出来なかった、なんてどう考えてもおかしい。

     そもそも、今日の八重の様子はおかしい。どこか遠くを見て考えてたり、さっきみたいに攻撃を受け流せなかったり。けれど、それを聞いても目の前の相手ははぐらかすのだろう。
     まさか無免のデモに動揺でもしてるのだろうか。考えれば考えるほど、凪は分からなかった。
    「……八重さん」
    「ん? なに?」
    「……とりあえずこのニジゲン、拘束しますか」
     八重が何を感じているのか分からない、と凪は八重の顔を見ることが出来なかった。
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    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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