Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 403

    ちょこ

    ☆quiet follow

    くくばく

    よその子さんお借りしてます

    ##くくばく
    ##じじみと

    二人でこれから見る明星 今住んでいる家の出窓から、綺麗な月が綺麗に見えていた。今日は珍しく雲ひとつなく、月がみとらや、みとらの隣にいる幼なじみ、そしてバディを組んでいる慈々を照らす。窓を眺めている慈々の横顔を横目で盗み見た。
     慈々とは、お互い子供だった頃に出会ったことがあった。出会ったと言っていいのか、分からないが。あの時はお互い窓越しの交流をしていたから、みとらが紙飛行機を飛ばし、慈々が返事を書いてまた飛ばす。その繰り返しだった、あの頃は慈々の事を女の子としてみていた。かわいい女の子、子供ながらに、いつの間にか惹かれていた。いつか自分が大きくなったら、告白したいとすら思うほどに。慈々が自分にとっての初恋になった。
     だからこそ、慈々と再会した時には驚いてしまった。そらそうだ、ずっと女の子だと思っていた相手は男だったのだ。しかも、複雑な事情により、自分よりも小さく、まるで子供のあの頃の大きさから成長が止まっているとのことに。

     はっきり言うと、自分の恋は叶わなくなった、と思った。慈々の事はもちろん大事だ。大事で、そばにいてもいいと思うほどに。驚いたのは事実で、はっきり言うとショックを受けたが、それでも慈々の事が好きなのだ。
     けれど、慈々もだが、みとらも異能レベルの高さゆえ、短命だ。もしかしたら、慈々よりも先に自分が死ぬ可能性だって充分にある。その時、慈々の隣には誰もいなくなる、と、みとらはそこが気がかりだった。
     だから前から口にしていたことだが、自分の夢は、慈々に好きな人が出来て、その人と幸せになって欲しい、と願ったのだ。
     慈々の好きな人がもし自分だったら、と思ったことがあるのだが、自分が慈々を幸せに出来るなど思っていなかった。心のどこかでは、今この時間のように、慈々の隣にいるだけで満足しており、慈々好きな人ができるまでそばにいよう、と。
     けれど、月明かりに照らされてる慈々の顔を見て、口が勝手に動いた。

    「月が綺麗ですね」
     シン、と空気が静まった感覚に包まれた。月が綺麗ですね、は有名な文豪が、ILoveYouの意味を月が綺麗ですねと訳しなさい、と言ったことが由来だ。その事は知っていたのだが、自分はなんて言った? と頭の中で焦ってしまった。けれど、みとらは慈々から目を離すことなく見る。慈々がどういった反応をするのか分からず、怖い。すると、慈々はみとらの顔を見て言う。
    「こっちに来てごらん。星も綺麗だよ」
     慈々の言葉にほんの少しだけ目を見開いた。そう、月が綺麗ですねと同じように、返事もあるのだ。みとらは星も綺麗だ、という返事の意味を知っている。まさか慈々がその返事を知っているとは思わず、信じられないかのように、口がなかなか動かなかった。
     そして、みとらは慈々のそばに近寄り、そっと手を握る。
    「……慈々と夜明けの明星が見れたら嬉しい」
     星も綺麗だ、は私も愛している。それに対して、夜明けの明星が見たい、はずっと隣にいさせて欲しい、との返事だ。返事を知っているくらいだ、今自分が言った言葉の意味も知っているはず。握っている手が震えてしまう。
     すると、慈々がしゃがんでほしいのか、片手を伸ばしてきた。それに気づいたみとらは、慈々の目線に合わせるようにしゃがんだ。そして、慈々はみとらの頬に手を添えたかと思うと、じっと見てきた。
    「明星だけで満足かい」
     どことなく、慈々が笑ってるように見えた気がした。みとらは、今初めて知った。もしかしたら、慈々も自分と同じように、初めての恋の相手だったのではと、そう思ってしまった。
     胸が熱くなる、それが溢れ出すかのように、みとらは慈々を抱きしめた。
    「……慈々の隣にずっと居たい。あの時からずっと好きだったんだ」

     ──あの時、初めて会った時、紙飛行機で文通しあった時。ずっとずっと、慈々の事がすきだった。

     いいのだろうか、これからも自分が慈々の隣にいていいのか。それを見越したのか、慈々が話す。
    「なら俺が『いいよ』と言うまで生きていて。俺のことが好きだと言うなら、俺より先に死なないで。ひとりは嫌いなんだ」
    「……」
     慈々からしたら、自分のことは何でもお見通しらしい。自分があの夢を語った時、心のどこかでは臆病な気持ちがあったことを、慈々は見抜いたのだろう。怖かった、慈々といたいけれど、その未来に自分が先に居なくなるのでは、との臆病な気持ちに。
     みとらは少し離れ、小指を差し出した。
    「……うん、約束する。……慈々と共に生きるよ」
    「……やっと本音出したね、とらくん」
     月明かりが優しく照らし、窓から入り込む。誰も知らないその時に、二人にとってかけがえのない、大事な約束がそこで生まれた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
    2369

    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
    1309

    recommended works