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    huya38628

    昭和生まれ/物書き/刀剣乱舞,twst ※転載・まとめサイト・メディアへの利用は有償にて承っております。Don't use my works without my permission.

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    huya38628

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    #春の男監督生受け60分合宿
    ・もうデキてる
    ・かっこいいアズはいない
    ・それはそれ、これはこれ

    お題【さくらんぼ】/アズ監♂厨房の片隅、ちょっとした作業用に置かれている木製のスツールに座り、両膝についた手に顔を埋めて、どんより落ち込むアズールさんはなかなか哀れだった。
    帽子と上着はロッカーにでも置いてあるのか、シャツ姿で、いつもピシッと伸びているサスペンダーが片方ずり落ちている。なにせ隅っこなので照明も中途半端にしか届いておらず、それが程よく惨めさを演出していて、事業が破綻したと言われても信じてしまいそうな雰囲気があった。
    フロイド先輩から『アズール残業になったw』なんてメッセージ来たから、何事かと思ってモストロ・ラウンジまで駆け付けたら、これだ。

    「賭けに負けました……」

    ちょっと見まわすと、シンクの近くにでっかいボウルが置かれていた。直径30センチはありそうなそれの中身は、山と積まれたさくらんぼ。近寄ってみると、実はどれも傷がついていたり、妙にボコボコした形だったり、新鮮だけど見た目が悪いものばかりより分けられているらしかった。
    ふと、捨てる前のダンボールがたたんでまとめられているカートを見ると、『自然をそのままお届け、有機栽培・無選別! 不揃いお買い得チェリー!』なんてラベルのついた箱がある。大体察した。

    「選別が終わったところで定時になったんです…」
    「あぁ~…」

    無選別だから傷物が入っているのは当たり前で、いくらかは商品にならないことは承知していたはずだ。それでこの落ち込みようということは……思った以上に使い物にならなかったんだろうな。かわいそうに。

    「で、僕はさくらんぼの種抜き要員ですか」
    「それもありますが…」
    「他にもあるんですか?!」

    ずるずると顔を上げたアズールさんは、さすがに泣いてはいないけど、目元がちょっとだけ赤くて、眉尻も落ちて、唇は曲がっていて、拗ねた小さな子供みたいだった。

    「……撫でてください」

    是非もなかった。速足で駆け寄って、座ったままのアズールさんの頭を、胸元で抱きしめた。僕の腰にも手が回されて、こめかみをこすりつけられているのが分かる。柔らかい銀髪を撫でて、頭のてっぺんに軽くキスをした。
    いつも強がりの恋人が弱っている姿は可愛い。僕に弱みを見せてくれることも嬉しい。きっと、少し休めば元の元気でがめついアズールさんに戻るんだろう。だから、今は少し休憩をして。
    お疲れ様ですと声をかけて、ゆったりと頭を撫でながら、次にかける言葉を考えていた。さくらんぼの種抜きからは逃れられそうか。無理なら、対価は何を要求しようか。
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    huya38628

    MOURNING「沈め、マリス・ステラ」の後日談なんだけど、続編に入れられるかどうか微妙になってきた部分です。ふりかけたパセリみたいなフロリド・トレジェイ要素有り「お味はいかがでしたか」

    空のカップを下げていくジェイドが、ぐりんと上半身を傾けて、書類に向かう僕の顔を覗き込んだ。
    珍しい無作法に思わず眉根を寄せてしまったが、普段と何も変わったところはない。
    VIPルーム、土曜日のイレブンジズに、温めたミルクとアッサムと、オーガニックのアガペシロップ。
    ミルクは実家の契約農家のものを分けてもらっているし、アッサムは今年のオークションで僕が仕入れを決めた茶葉だ。
    茶葉の形が良くないため等級が落ちるが、抽出した水色も香りも一級品とほぼ見分けがつかないものを大量に買い占めた。
    いつもの素材、いつもの香り、慣れ親しんだ自分好みの味。

    「…いつも通り、美味しかったです」
    「お茶ではなく、先週末のエキゾチックなパンケーキですよ。召し上がらなかったんですか?」
    「ああ…」

    そっちか…。というか、何も言ってこないだけで、やっぱりバレていたか。
    ジェイドはまっすぐの姿勢に直って、ニヤと口角を吊り上げた。慇懃なくせに、どうにもいやらしい。

    「ええ、おかわりまでお腹いっぱい食べましたよ。美味しかったです、本当に」
    「おや、貴方が珍しい。そんなに良かったんですねぇ 953

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