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    鵺卷恢

    @10kai_13

    Twitterにあげない落書きもある。🔞など濃厚な絡みはTwitterじゃなくてこっちにあげてます。

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    鵺卷恢

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    イベントのイラスト見て思い付いた中世パロ。
    普通にCP無しで書いてたはずなのに彰絵名風味になってたんでこれは彰絵名です。
    何が書きたかったのか。本当はグループごとに戦争させる気だったけど傷付けあって欲しいわけじゃないんだよなぁって思ってたらこうなった。

    ##プロセカ
    ##東雲姉弟

    思い付いたシーンだけ五つの王国が隣接するとある大陸では、日々国の平和を守る為に設立された各国専属の部隊がある。

    『全ての人に救済を』という信念を掲げる夜繋(ヤケイ)騎士団。
    団長の宵崎奏。副団長、朝日奈まふゆ。騎士隊長の東雲絵名と暁山瑞希を主軸とし、国の平和を守っている。
    一見、可憐な少女のような者達が率いる団だが、誰もが見惚れる優美な姿、そして平民にも優しく接する為に国民からの人気は高い。



    『伝説の夜を超える』と誓った王国第二師団。
    国の夜明けを担ったとされる隊を元にして作られた。次世代と言われ馬鹿にされることが多い為、先代を超えてやると日々奮闘している。
    元々は女性団と男性団で分かれており、それを纏めて出来たのが第二師団である。その為、幹部が増えている。
    女性団長は白石杏。副団長を小豆沢こはね。
    男性団長を東雲彰人。副団長を青柳冬弥。




    _____________________________
    ・とある日の瑞希と彰人


    「あれ、弟くん?」

    城下の巡回帰り。特に問題もなかった為、のんびりと城まで戻っている時だった。
    目の前にいたのは隣国の師団長の1人、東雲彰人。

    「暁山か…お前1人か?」

    ボクの後ろには数人の部下がいるんだけど…
    この口振りだと、他の幹部はいないのかの意だろう。

    「もしかして絵名に用だった?今は別の区域担当で巡回してるんだけど」
    「いや、上からの言伝を預かって来たんだが…団長さんも巡回中か?」
    「奏ならいるよ!1人で入りにくいなら一緒に行こう」

    普段、別国の団へ用を伝えに来るのは杏なのだが、今回は別件があったのだろう。その為珍しく弟くんがやって来たが、あまり来ない為居心地が悪そうだった。

    「……絵名は元気か?」

    隊士に寮へ戻るよう伝え、自分は弟くんと2人で並んで城へ入る。
    すると静かに絵名の事を聞いて来た。

    「元気だよ。相変わらずボク達以外には猫被ってるけど、それでも絵名の面倒見の良さは誤魔化せないからね。慕われてるよ」

    「…そうか。なら、良い」

    口では素っ気ない感じだが、彼の表情は微笑んでいて、どこか安心しているようでもあった。

    心配、してたんだろうなぁ…


    ボクと同じ騎士隊長の絵名は、元々この国出身ではない。
    本当は弟くんと同じ国の者なのだが、どうも国の性質というか、家族と合わなかったというか…何も持たないまま、全てを捨てて国を出たそうだ。
    そして奏が遠征中に、今にも死にそうな絵名を見つけて助けた。
    行き場がないならこの国においで。そう言った奏に絵名は惚れ込み、今の状態になるらしい。

    何も知らないまま夜繋騎士団に新しい師団長になった弟くんが挨拶に来た時は、それはもう大騒ぎだったけど。

    「少しすれば絵名も帰って来ると思うよ。用事が終わったら待ってみれば?」
    「いや、いい。アイツは会いたくないだろうし」
    「…そんな事ないと思うよ。ほら、少し前に魔獣の大討伐作戦があったんでしょ?」
    「あぁ、作物を荒らすだけじゃなく、農民にも怪我とか被害が出てたからな。数が多くて面倒だった」
    「お疲れ様。それ聞いてね、絵名心配してた。『アイツ、怪我とかしてないと良いけど』って」
    「……そう、か」

    あ、また笑った。
    弟くんは優しい顔で笑う。嬉しいんだろうなぁ。

    「…一応、手土産持って来てたし、アイツに渡すわ」

    そう言って懐から出したのは美味しそうなお菓子。確かこれは、絵名が昔から好きだと言っていた絵名と弟くんの国にしかないお店のだった気がする。
    人気店で中々手に入らないと聞いていたのだけど。

    弟くんも素直じゃないなぁ。

    「絵名、喜ぶと思うよ」
    「どうだろうな」


    _____________________________
    ・数年ぶりの再会



    どこか慌ただしく動き回る隊士達におはようと声をかけて歩く。目的の奏達の元へ着く頃には、走る隊士を10人は見た気がする。

    ドアを開けて室内に入れば、珍しくキッチリと隊服を着ている絵名達がいた。

    「おはよ〜!なんだか今日騒がしいね」
    「おはよう、瑞希。ほら、今日は私達幹部が仕事出来ないからね。隊士の皆が慣れないなりに頑張ってくれてるんだよ」

    まふゆと話してた奏が薄く微笑みながら答えてくれる。

    「あれ、なんかあったっけ?ボク達」
    「…今日は新しく配属された王国第二師団の人達が挨拶に来るって言った。だから幹部である私達が出迎えないと」
    「何アンタ、忘れてたわけ?」

    まふゆと絵名が2人揃ってジト目で見て来た。うーん。2人ともボクへの扱いが雑な所があるんだよなぁ。

    「ごめんごめん!今日だったの忘れてたよ〜」
    「まったく…」

    それならばと、ボクは少し緩く締めていたベルトやボタンを直していく。隣国の師団長に会うのならば、相応の格好をしなければ。
    きっと3人もそういう経緯で服をかっちりと着ていたのだろう。

    奏は服装を直し出したのを見て、一つ頷いてくれた。偉いね、と言っているようだ。
    そして心配そうに絵名へ声をかける。

    「…絵名、大丈夫?無理しなくてもいいよ」
    「…王国第二師団ってことは、絵名の知り合いが居るかもなんだっけ」
    「あー…そっか、絵名の国の人達だもんね」

    まふゆの言葉を聞いて、ボクは少し眉を顰める。そうだ、王国第二師団とは絵名の国の部隊だ。新しい幹部になっているということは、もはや誰が来るかわからない状態ということ。

    ボク達の国と隣国は平和協定を結んでおり、戦争なんてしないし、必要があれば相手国を手助けする関係である。

    その為、お互いの部隊幹部が変われば挨拶するという仲になっていた。

    ボクと絵名が騎士隊長に任命された時も、隣国の王国師団へ挨拶に行ったが、その時とは顔ぶれが違うのだ。一体誰が来るのだろうか。

    「……ありがとう奏。でも大丈夫。もし知り合いだったら、私はここで上手くやってるって見せつけてやるから」

    そう言っていつもの強気な笑顔で楽しそうにするので、ボク達も嬉しくなって笑った。

    「そろそろ約束の時間だね……一同、整列」

    時計を見た我らが団長はキリッと表情を変え、団長としての声をかける。
    笑顔だった絵名やボクは奏に習いキリッと真面目腐った顔になり、逆にまふゆは完璧な笑顔を浮かべた。

    コンコンとドアを叩く音がし、奏が口を開く。

    「はい」
    「宵崎団長、失礼致します。王国第二師団の方々がご到着です」
    「どうぞ」

    隊士がガチャリとドアが開けば、女子2人、男子2人の計4人が入ってくる。

    ザッ…と音を立てて敬礼するお相手様に、ボクらも礼をする。団長である奏の命がない限り、この頭は下げたままだ。
    ボク達は躾の出来た奏の駒なので。

    「夜繋騎士団団長を務めております、宵崎奏です。後ろの者達は私の信頼する幹部達になります」

    奏の合図に、ボク達は顔を上げる。

    「お初にお目に掛かります。王国第二師団団長、白石杏と申します」

    黒と青の綺麗なグラデになっている髪色の女の子が、そう名乗って顔を上げた。
    歳はボクと変わらないように見える。

    「隣の者が同じく団長の……彰人?」

    次にオレンジ色の髪色をした男子を紹介しようとしたのだろう。杏という団長が話をし出したのにも関わらず、隣の彼は固まったままだった。
    そして、彼の後ろに控えている真ん中で髪色が違う男子も固まって一点を見つめている。

    「…?」
    「……おま、え」
    「え、」
    「お前ッ!!!!」

    ボク達もどうしたのだろうと困惑していた時、やっと口を開いたと思った彼は次の瞬間、恐ろしい形相で絵名に飛びかかった。

    「!」

    瞬時に絵名を守ろうと奏が前に出て、ボクは絵名の手を引き後ろへと下がらせる。まふゆはいつでも彼を斬れるように剣に手をかけた状態で状況を伺っていた。

    「ちょ!彰人何やってんの!」

    慌てて彼の仲間が絵名から離そうとするが、それでも彼は絵名しか見ない。

    「…何か」

    聞いたことがないほど冷え切った奏の声がする。
    仲間が傷付けられると思った時の奏は、ここまで冷たくなれるんだと内心吃驚しながらも、努めて冷静に振る舞う。

    「いきなりご挨拶だなぁ。ボク達…というか絵名は何もしてないと思うけど」
    「早く離れてくれるかな、私も貴方に怪我してほしくないしね」

    ふふっと笑いながらまふゆは彼に警告する。まふゆがやろうと思えば、彼なんかすぐにやられてしまうだろう。

    「…彰人、気持ちはわかるが落ち着くんだ」

    もう1人の男子が静かに言う。
    気持ちはわかる…とはどう言うことだろうか。
    考える間も無く、彼は続けて口を開いた。

    「あの…絵名さん、ですよね」
    「…」
    「…お久しぶりです。髪、伸びましたね。素敵です」
    「…冬弥くんは、髪型変えたのね。似合ってる」
    「ありがとう、ございます」

    2人の様子を見て、ボクは理解する。
    どうやらここの3人は知り合いだったようだ。

    奏達も理解したようで、パッと警戒態勢を解く。
    少し肩の力を抜いたボク達は仕切り直すように声を上げた。

    「とりあえず、自己紹介お願いしてもいいかな?」


    _____________________________


    「…ずっと探してたんだぞ」
    「……」
    「国中探し回った」
    「…そう」
    「…髪伸びたな」
    「…アンタは髪型変わったわね」
    「少しは大人に見えるかと思ってな」
    「団長とか、随分偉い立場になったのね」
    「まぁな。絵名も、騎士隊長か」
    「これでもスピード出世だったから」
    「そうか。……よかったな」

    _____________________________
    ・訓練ハプニング


    「よし、それじゃ始めんぞ」
    「お手並み拝見かしらね」

    訓練場で向かい合う彰人と絵名。
    今日は夜繋騎士団と王国第二師団が一緒に鍛錬をする日であった。

    瑞希は杏と。奏はこはね、まふゆは冬弥という組み合わせで稽古をしていた。
    どの組ものどかな雰囲気が漂うのに対し、東雲姉弟の間にはピリついた空気が漂っている。

    「…本気でいくからな」
    「は?何。バカにしてるわけ?私より弱いくせに」
    「お前がいなくなってからだいぶ鍛えたんだよ。昔とは違う」
    「あっそ。じゃあ見せてみなさいよ」

    「…なんかあそこピリついてなーい?」
    「あはは…彰人ってば、久しぶりのお姉さんにどう接すればいいか迷ってんじゃない?」
    「姉弟仲は…悪くないんだよね?」
    「あぁ、そのはずだ。と言っても、俺が知っている限りの話だが…」
    「ふふ、大丈夫なんじゃないかな。ある意味対話になると思うし」
    「まふゆがそう言うなら…このまま見てようか」

    そして彰人から動き出し絵名へと斬り込む。その動きは素早く、これは躱せないのではないかと思った第二師団のメンバーとは裏腹に、夜繋騎士団のメンバーは一切心配をしていなかった。

    「…ふっ」

    彰人の剣が触れる…そう思った時、絵名は地面を蹴りくるりと躱す。追うように絵名を目掛けて振るわれる剣も全て躱し、まるで踊るようにその場で避け続ける。
    隊服の裾がひらひらと動き回るその姿は花のようだった。

    「お姉さん凄い!」
    「東雲くんの剣をあんなに躱すなんて…」
    「流石だ」

    「…チッ」
    「動きは良くなったけど、まだまだね」
    「はっ…お前も避けてばっかじゃなくて攻撃しろよ」
    「言われなくても」

    そう言って、そのまま絵名は反撃に出た。素早い切り込みのフォームは、先程の彰人とそっくりで、観覧していたメンバーは笑ってしまう。

    「やっぱり姉弟なんだねぇ」
    「どちらかと言うと、絵名の技を弟さんが真似たって感じかな?」
    「よくわかりましたね。彰人は昔から絵名さんを見て剣の練習をしてたんです」

    姉の戦い方は昔から良く知ってる。そう思いながら剣を避けて斬り返せば、絵名も同じように避ける。これでは埒が開かないなと考え、次で決めるために隙を窺う。

    「!」

    同じように思ったのだろう絵名が腕を大きく振り上げる。それは姉のよくやる癖。力を込めようと振りかぶると胴体に隙ができる。避けるべき場所はわかりやすいので、避けてから隙だらけの身体に剣を振る。これは勝ったなと思えば。

    「なっ!」

    隙ができると思っていたのに、絵名は昔のようには動かず反対に回転し、今度は彰人の剣を弾く。

    絵名の剣が眼前に迫る。何とかしなければ。そう思った身体は勝手に動き、剣の無くなった左腕で絵名の剣を掴み、彼女の動きを止める。
    そのまま右腕を彼女の顔目掛けてーー


    顔?



    ゴッ…!

    「…ぁぐっ…!」
    「あ」

    彰人の拳が絵名の顔面に入っていた。
    剣を掴んでいた彰人の左手からは血が滴り、右手には絵名の鼻から流れ出た血が。

    「…っ、!わ、悪い!」
    「……ッ」
    「わー!!!!絵名!!顔!」
    「絵名さん!彰人!」
    「ま、まふゆ!救急箱!」
    「取ってくる」
    「東雲くんも!左手!」
    「バカ彰人!」

    どんちゃん騒ぎ。

    急いで救急箱を取って来たまふゆは乱雑に彰人へ投げつけ「自分でやって」と言い放ち、奏達と共に絵名を救護室へと連れて行く。

    彰人は呆然としたまま、救急箱を受け取ることも出来ずにいた。

    「東雲くん!ほら、左手止血しよう!」
    「……」
    「彰人、しっかりしろ。絵名さんにアレはどうかと思うが今は止血だ」
    「………」
    「だ、ダメだ!停止してる!」




    _____________________________


    「……絵名、悪かった」
    「……」
    「いや、ほんと…剣が弾き飛ばされた時点で決着付いてたのに、つい身体が、その…ごめん」
    「…帰れ」
    「…悪い…」




    「…これは完全に仲悪くなってませんか冬弥くんや」
    「……彰人も反省してるんだが…流石にアレはな…」
    「ボクも顔面殴るのはどうかと思うよほんと…」
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