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    茶豆(裏)

    ■FF14二次創作(主に小説、ときどき絵)をポイポイしてます。
    ■ラハ光♂♀、公光♂♀、ジャック光♂などなど。
    ■Twitter:@ura_cmm0014

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    茶豆(裏)

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    公光♂。うちのこ罪喰い化を考えていたら、一番しっくり来るのがこのパターン……でした……。

    死にネタです、お気をつけください。

    続きのような短文→https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1364115&TD=4627160

    うちのこ罪喰い化未満 目の前に、赤い花弁が散った。風もないのに勢いよく吹き上がったそれは、やがて重力に従い地に落ちる。

     計画通りに進んでいたはずだ。すべての大罪喰いを倒し、その光を身の内に溜め込んだ闇の戦士の前に、小悪党として立つ。そしてその膨大な光を受け取り、次元の狭間で砕け散る。……そうなるはずだったのに。
     散った花弁の中に、横たわる彼の姿があった。首と顔の半分を赤く染め、手元には野営用と思しきナイフが落ちていた。
     大罪喰いと成り果てる前に、自らの首筋を切り裂いたのだ──そう脳が認識した瞬間、胸の奥底が一気に冷たくなる。心も身体も、何もかもが水晶と化してしまったように、その場から動くことができない。
     駆け寄った仲間たちが必死に治癒魔法を施していたが、あの様子では、もう助からないだろう。
     光に侵された黒髪は所々白く染まり、濃灰色の瞳も白く濁っていた。そんな中に、飛び散った赤が映えて美しい。
     まるで自分とは違う誰かに思考を支配されたかのように、そんなことばかり考えていた。今すぐ駆け寄って、その手を握りたいのに。言葉を掛けたいのに。身体が言うことを聞かない。

    「……ラハ」

     ほとんど音にはなっていなかった。だが確かに、彼はそう呼んだ。
     とうの昔に蓋をして、ずっと閉じ込めていたもうひとりの自分が目を覚ます。動けずにいたはずの身体が、杖さえも投げ出して彼のもとに駆け寄った。
    「……オレはここにいるよ」
     フードが捲れたのも無視して、その手を握り締める。濁った目は、世界を映してはいないようだった。薄れゆく意識の中で、夢でも見ているのだろうか。
    「俺、ラハの目覚める、世界……守った、よ」
     掠れた、吐息のような言葉とともに、その表情が笑みの形に撓む。
    「ああ……あんたは本当にすごいよ」
     違う、こんなのは嘘だ。あんたがいなかったら、何も意味がないのに。ただ、救われてほしかっただけなのに。そんな、幸せそうな、誇らしそうな顔をしないでくれ。
     力の抜けた腕が、オレの手をすり抜けて、赤い花弁に沈む。



     さようなら オレのいちばん憧れの英雄
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