格子戸の女yyyy年mm月dd日
被害者xxx(以下甲と記載)は□□□市(旧○○村)の有力者であるxx家の長男である。
当日、室内の調度品を誤って壊し、邸宅の離れにある蔵へ折檻のため閉じ込められていた。
昼過ぎ頃(時刻のわかるものが蔵の中に無かったため、正確な時刻は不明)に若い女(以下乙と記載)の声が聞こえた。
乙は芸妓のような風貌をしており、「ケイスケはん」と人の名前を呼び蔵の中に現れた。(xx家とxx家の親類にケイスケという人物はいない)
甲は自分はケイスケではないと話し、ケイスケなる人物はこの家におらず、知り合いにもいないと乙に話すが、女は話を理解する様子ではなかった。
乙は「早く逃げてほしい」という旨の内容を話し、「死んでしまう」などといった内容を甲に話す。
甲は折檻による恐怖と乙の話す内容に恐れ、乙に「逃げたい」「ここから出してほしい」と話す。
乙は古びて脆くなっていた格子戸(実際にはxx家の蔵は格子戸ではない)の木材を外し、甲を引き連れて蔵の外へ出た。
外に出て間もなく、人の気配がして甲と乙は共に庭木の影に隠れる。
甲と乙は武士のような姿の男が数人で蔵に入っていくのを目撃。
程なくして武士たちが蔵の中から外へ出てくる。「先生がいない」「逃げてくれたか」というような会話をして足早に立ち去る。
乙は再会を望む旨を甲に伝え立ち去る。甲は状況整理がつかず混乱し、両親と家人のいる母屋に向かう。
鍵をかけていた蔵から甲が泣きながら母屋に戻ってきたため、不審者の出没や誘拐未遂を疑ったxx家の通報を受けて警官が到着。
当日xx家にいた使用人や庭師からの聞き込みから、xx家に部外者が侵入したとは考えられず、
折檻を嫌った子供の虚言であるとし、閉所に閉じ込めるなどの過度な躾はやめるように甲の両親へ口頭で注意を行った。
しかしながら甲の供述が非常に具体的かつ一貫している、甲は普段から嘘をつく子供ではないなどの聴き取りもあり疑問が残る。