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    ネシオミ

    @Nessie_Myaivory

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    ネシオミ

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    ああ~^~思いついたネタ^~

    輪廻の蛇妖怪私には生まれつき、家族がいなかった。
    お父さん、お母さん、お姉ちゃんお兄ちゃん。
    誰もいなかった。
    自分の名前もわからない。

    だけど一人ではなかった。
    私にはマメヤカがいた。

    マメヤカは男の人で、ほっそりとして背が高く、動作には品の良さが香ってくるようだった。
    髪の毛は黒く、目は薄い茶色ともオレンジ色ともとれる。
    顔もすごく綺麗で、私はマメヤカのことが好きだった。

    マメヤカは私のことを「あなた」と呼んだ。
    まるで昔の奥さんみたいな口調だった。

    「マメヤカ、あのね」

    私はそれっきりうまく言葉にできず口ごもった。
    その様子を見て、少し不安そうにマメヤカは尋ねる。

    「あなた、どうしましたか。
    お腹がすきましたか、それともどこか・・・」
    「ううん。違う。違うよ。大丈夫。」

    「私、マメヤカのことが好き。だから大きくなったら結婚してね。」

    意を決していざ言ってみると、心臓が大きく動いてうるさい。
    マメヤカのことをそっと見る。
    何とも美しいほほえみを浮かべていた。

    それから私が結婚できる歳になると、マメヤカと結婚した。
    子どもができた。
    頑張って育てた。
    やがて皆自立して、後に残るのは夫婦だけ。

    マメヤカは老いがないかのようだった。
    いつまでも若くて美しい。
    美魔女のようなものだろうか?

    一方私はどんどん老いていった。
    マメヤカを置いて死んでしまうのではと心配になった。
    だから私はこう言った。

    「マメヤカ、あなたは私が死んでしまったらどうするの?」

    マメヤカは少しキョトンとした。
    しかしその後、またいつものほほえみを見せて言った。

    「死にませんよ、僕の伴侶ですので。」
    「マメヤカ・・・?」

    そこに彼の姿はなかった。
    いや、本当の彼の姿がそこにあったのかもしれない。

    ただ、ヒトより大きいヘビがいた。
    鱗は黒く、目は薄い茶色ともオレンジ色ともとれる。

    「思い出せないあなたも愛らしい。」

    「数えきれないほど聞きましたよ。」

    「あなたは毎回、僕に告白をしました。」

    「あなたは毎回、僕を置いて死ぬ心配をしました。」

    「ですが大丈夫。」

    「僕の腹に収まり、ドロドロに溶けるのです。」

    「しばらくしたら卵が出てきます・・・ええ、あなたですよ。」

    「赤子になって、もう一度僕に育てられてください。」

    「そしてまた続けましょう。」

    「僕とあなたの営みを。」

    「輪廻の蛇が伴侶となるというのは、そういうことです。」


    マメナシは言い終わると、頭から私を呑みこんだ。
    痛みはない。
    ただ、少しずつ体が溶けていく感覚がする。
    なんだか懐かしい。
    暖かい。
    戻ろう。

    ・・・・。
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