タキモル♀を見てしまったウオッカ===========================================================
とある午前中。
【タキオン】
「トレーナーくーん、紅茶を淹れておくれよー。」
「はいはい、
てか紅茶くらい自分で淹れたらどうなの?」
【タキオン】
「何を言っている。私は研究で1秒たりとも手を離す訳にはいかないんだ。
それと引き換えに疎かになってしまう私の生活を補うのが、君の役目だろー?」
「はいはい、そうだねー」
こんなやりとりが2人のささやかな日常。
しかしそんな日常を破る様な音が、外から聞こえてきた。
その音は…
【タキオン】
「何だい、やかましい騒音だねぇ。
あれはバイクのマフラーを外しているのかい?
研究に集中できないじゃないか、全く…
トレーナー君もそう思わないかい?」
そう愚痴りながら振り向くと、
トレーナーはどこか緊張して表情を強張らせていた。
明らかに震えているが、それでも紅茶を零さない様に丁重に淹れ終えるのだった。
【タキオン】
「おやトレーナー君、あの音が怖いのかい?
随分瞳孔が揺れているね。酷く動揺しているのが一目でわかるぞ?」
「あー、うん…
昔からデカい音や怖そうな音はどうしても苦手で…」
【タキオン】
「ふむ、つまりトレーナー君は聴覚過敏という事かな?」
「そういう事。」
耳を塞ぎながらも気丈に振るまっているが、
そんなトレーナーに追い打ちをかけるように
怖い騒音が大きくなってきた。
バイクの集団が、トレセン学園付近の大道路を通っているのだろう。
「ひっ…!」
もうだめだ。
これ以上恐怖に耐えられなくなったトレーナーは、
タキオンの袖にしがみついてきた。
【タキオン】
「Σちょ、トレーナー君!?////」
「…ごめん、トレーナーが担当ウマ娘に甘えるのは
ダメだとわかっているんだけど…
無理、もう限界、耐えられない。
実験薬はいくらでも飲むから、しばらくこうしていたい…ホントごめん…」
【タキオン】
「ほぅ…?」
これは面白い。
こんなに怯えているトレーナー君を見るのは実に新鮮で、
何かがゾクゾクしてくる。
今こうして袖をしがみつかれても、
冷静でいられる自分がいる。
ふむ、せっかくだからハグ克服の一環として試してみるか。
【タキオン】
「トレーナー君、そんなに怖いなら
私に抱き着きたまえ。」
「え?でも研究は…」
【タキオン】
「あの騒音の中で無理に研究したって良い結果は得られない。
例え耳栓しても、あの音量を防ぐのは無理そうだからね。
つまり暇が出来たって事だよ。
さぁ、そういう訳だから遠慮なく抱き着きたまえ♪」
「わかった…」
(タキオンは私に抱き着かれたら
『独占力』が発動してしまうのでは?)
と聞きたい所だが、騒音の恐怖でそんな余裕は無い。
ここは素直に甘える事にした。
そうして、騒音の恐怖に追い込まれたトレーナー君は
私に抱き着いた。
よほど怖いのだろう。
きつく抱き締めているね。
さてさて、果たして検証の結果は?
(ふむ、トレーナー君を慰める形なら冷静で居られると…♪
しかしどの道、束縛したい気持ちは相変わらず溢れそうだね。)
アグネスタキオンの束縛度は70上がった
アグネスタキオンのうまぴょい度は30上がった
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数分後
ガラッ!
【ウオッカ】
「よぉ、そこのトレーナー!
ちょっと使いたい練習道具があんだけどー…って!?////」
【タキオン】
「シー…。静かにしたまえよ?
さっきから聞こえてくる騒音に怯えてしまった様でね。
今こうして私に抱き着いているのだよ。」
【ウオッカ】
「そ、そうなのかぁ~////
ていうか!その騒音ってバイクの音じゃねーか!
俺のトレーナーは一緒にバイク乗れる位 平気なのによー!
てか、タキオンはその…抱き着かれて平気なのかよ!?
俺と同じく、その…なんだ、ハグには慣れないって言ってたのに!?////」
【タキオン】
「普段はね。
けれども、私のトレーナー君は今こうして
己の弱さを全て曝け出して私に身を委ねてくれている。
それが何故か嬉しくてね。
こんな状態になっているトレーナー君の前で、
動揺する訳にはいかないだろう?」
【ウオッカ】
「お、おう////確かにそうだなっ!
ここはカッコつけなきゃって奴だな!////」
そう何とか納得するウオッカだが、
ここで立ち去るべきだった。
【タキオン】
「ククク…何だろうねぇ?
これが所謂、庇護欲や支配欲という感情なのかな…?
こんな可愛い一面を見せるトレーナー君を誰にも見せたくない。
私だけが見たいし、独り占めしたいねぇ…」
シャキーン!
アグネスタキオンの覚醒スキル『独占力』が発動した。
【ウオッカ】
「Σちょ、何スキル発動してんだよ?
ここはレースじゃねぇぞ?…て、Σええええぇ!?/////」
【タキオン】
「ほらモルモット君、
タキオン特製の鎮静剤をお飲み。」
「ん…////」ゴクン
【ウオッカ】
「う、うわああああああああああああっ!!!??///////」
ダダダダダダ バタン!!!(猛ダッシュで立ち去って行った)
【タキオン】
「おやおや、口移しを見ただけで
あんなになるなんて。
初なウマ娘だねぇ?クックック♪」
「タキオン…今のワザとでしょ?
ウオッカを追い出す為に…」
【タキオン】
「はて?何の事かな♪」
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昼休み
【スカーレット】
「あんた一体どーしたのよ?顔真っ赤だけど?」
【ウオッカ】
「な…何でもねぇよ…俺は見てない…見てないいいぃぃ……っ////」
【スカーレット】
「は?」
ウオッカのスピードが10上がった。
ウオッカの調子が下がった。
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おしまい★