昔から所謂『視える』体質だった。自覚したのは幼い頃、公園で遊んでいた時だ。3人で遊んでいて、砂場で城を作ろうということになった。作り終わったら見せ合う約束をしたので、背を向け合うようにして作り始めた。自分が思うままに砂や水を使って形を整え、出来上がった頃。他の2人の様子が気になり振り返って話しかけた。
だがそこに、誰もいなかったのだ。
砂場には自分のバケツと先ほど作った城のみがあり、周囲は砂や小石などではない赤黒いものがぼとぼとと落ちていただけだった。それを見た時、何かが違うと幼いながらに気付いたのだ。
まともに動けず、ただ茫とスコップを持ちながら立っていたら、いつ間にか日が傾き始めていた。
迎えに来てくれた兄が驚いた顔をして、
「光、見えるんやね」
と言ったので、こくりと頷く。砂に埋もれるバケツをそのままに、スコップも手放して兄の元へ歩き手を握った。俺の頭を撫でて言い聞かせるように、わかりやすい言葉を選んで話してくれた。
「あのな、普通の人には見えへんもんやねん」
「なんで?」
「あれはユーレイや。人やあれへん」
「せやけどあいつらとおはなししたよ?」
「声まで聞こえるっちゅうことか。」
俺よりも力が強いな……と小難しい顔でボソボソ呟いている。
「もう少し光が大きくなったら、もっと詳しい話してやるからな。それまでは俺が守る!」
学校には『そういうもの』が多い。いじめが原因で自殺して彷徨い続けているヤツとか、今はもう廃止されているが過去の解剖実験で使われた蛙とか、七不思議で有名な花子さん、とか。
ご覧の通り中途半端で力尽きてます。
なんか確か財海にする予定だったんだよなあ、それか205号室でホラー的な感じ。