ラピスが早朝に家に訪ねてきた。朝に合う爽やかな笑顔で。
「お早うユーク、今から星を見に行こう。」
随分とまた浪漫的な事を言う。これが通常運転だから、いちいち気にしていたら負けというのもこの数年間でわかりきっている。
「最寄駅から2駅、徒歩10分の最近できたというプラネタリウムはどうだろう。」
「ゴーストを誘えばいいじゃない。星ならあの子の方が詳しいし好きだと思うわ。僕はあまり興味がないもの。」
「今日は双子でお出かけだそうだ。」
「それなら一人で行ってちょうだい。」
「君と行きたいんだよ」
ね、ダメかい?とやや眉を下げ、上目遣いでこちらを見ながら問われる。顔の良さを最大限に活かし行動されてしまうと絆されてしまうのも仕方がないと思うわけで。存外、僕は彼の顔が好きらしい。はぁと小さく息を吐き、両手をあげる。降参よ、まったく。
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