洞窟のようなつめたい暗さのなか、裸電球だけが無機質に灯っている。手術台と言えるほど丁寧なものではないが、似たような役割の、水平に置かれた台が照らされていた。そこに、長身の人間の男のようなものが横たえられている。黒い髪で、アジア人の骨格と人相に近いそれは、青年といってよい見た目だ。彼を両側から囲うように、同じような年頃の男が、二人、立っていた。
「……あ、あっ、ん……は」
彼らの手の動きに合わせて、横たえられた男は、細切れに声を上げ、身体を震わせる。目をはっと見開いたかと思えば、かたく閉じて、耐え忍ぶような表情も見せた。空気が汗ばむ。我慢がきかないように頭を掻きむしったのは、赤い頭髪の長身の男だった。
9369