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    kabeuchimobuozi

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    kabeuchimobuozi

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    携帯のメモ欄に残っていた駄文。
    文章を書いてみよう!と思いたったはいいが、見切り発車のためこれ以上進まなかったので終了!供養させてください。
    文章をかける人すごすぎて尊敬しかないです。

    別れた蘭嶺と相談にのる音トキ(の音也)(キャプションにおさまりきらなかった)
    👍書きたかったところ
    ・別れる蘭嶺(先のことをぐるぐる考えた結果逃げに回る嶺二と、一時的な勢いでそれを了承してしまう蘭丸。多分年齢的には結構若い)
    ・音トキの恋人でありつつ負けたくないライバルであるという関係(蘭嶺と似てるようで似てないような)
    ・ROTは王道アイドルである、カルナイは上を見据えているは同じだけどアイドルとしての方向性はそれぞれ少し違うというところ(私の思想)
    ・可愛いとか愛おしいとかそういう感情というよりは隣に立って、嶺二のタイミングで寄りかかれるような場所でありたいという感情がある蘭丸。もしくはアイドルというベールを剥がした、人間寿嶺二をみたいという欲がある蘭丸。
    ・音也に諭され(?)、まずは今を改めて考え未来を見つめられる蘭丸

    👎書けなかったところ
    ・嶺二を追っかけていったトキヤと嶺二のターン
    ・トキヤに諭され(?)未来をみつめずともまずは今を考えたらいいんじゃないかと思い直す嶺二


    (以下、文章)
    嶺二と別れた。
    きっかけが思い出せねえほどの些細な喧嘩だった、と思う。口論の末、おれもあいつもヒートアップして引くにひけなくなった時、急にぺらぺら回る口をとめたあいつは顔を伏せてぽつりと言った。

    「なんか、ランランといる未来がわかんなくなっちゃった。別れようランラン」

    顔を上げた嶺二は眉を下げて笑っていた。あいつがこのきっかけも忘れるような喧嘩で何がわからなくなったのか、おれにはそれがわからねぇ。



    「蘭丸先輩!れいちゃん!お疲れ様です!」
    「お疲れ様です。本日はありがとうございました」
    「おう」
    「お疲れちゃん!2人とも成長が見られておにいさんカンゲキ〜!!」

    おれらが恋人だろうが、別れようが仕事は変わらねえ。
    『まいど!アイドルらすべがす』のゲストだった音也とトキヤに挨拶をされて今日の収録を思い出す。いつも通りの笑顔にいつも通りのボケ、滞りない進行。そこに居たのは“アイドル・寿嶺二”だ。

    「じゃ!ぼくは帰ります!さらばだサラダバー」

    そう言って賑やかに楽屋を去ろうとするあいつも“それ”。音也とトキヤが来る前、おれしかいなかった楽屋でもずっと“それ”だったから確実に一線を引かれていると思った。

    「……ああ」

    嶺二の方を見はせず、しかし返事をしないのも不自然だと思って出した声が図らずも不機嫌になってしまい、舌打ちをしたくなる。
    それを聞いたトキヤが眉をピクっと動かし、

    「それでは私も失礼します」

    と嶺二を追っていった。
    そういえば、こいつらは恋人同士なんじゃなかったか。この収録の次の日がオフでデートするんだって!微笑ましいねぇ〜と元恋人に聞いたのは果たしていつだっただろうか、プライバシーもくそもねえ。そんなことを思いつつ、おれも楽屋を出ようとすると人懐っこい笑みで呼び止められた。

    「蘭丸先輩!このあとお仕事?」
    「あ?いや、今日はこれで最後だ。」
    「俺もなんだ!蘭丸先輩がよければセッションしない?」

    正直なところ、一人でいるとどうしようもない元恋人のことを考えてしまうので気が滅入る。
    ベースを弾いてればうだうだ考えずとも音になって昇華される気がした。雑念も苛立ちも、未練も。
    元々、何処かでベースに触れようと思っていたのだ。この青年が奏でる素直なギターの音色は嫌いじゃないし、セッションしてくれると言うのなら断る理由もない。

    「いいぜ」

    そうして楽屋を出たおれは音也を連れて事務所の空きスタジオへ向かった。





    「蘭丸先輩、れいちゃんと別れたの?」

    スタジオにつくなり真っ直ぐな目でおれを見る音也。ベースを出そうとしていたおれはあまりにも唐突な発言に驚いたが、別に隠すことでもないので頷いた。

    「おう」

    そもそもおれと嶺二が恋人関係にあったことをどうして知っているのか、プライバシーもくそもねえ。そんなことを思っていると、蘭丸先輩みてたらわかるよ〜と音也が笑った。

    「大っぴらにするつもりはなかっただろうけど、蘭丸先輩は隠すつもりもなかったでしょ」
    「まあ……。おまえらには、だけどな」
    「俺はさ、蘭丸先輩もれいちゃんも大好きだから2人が付き合ってるんだ〜って気付いた時すっごく嬉しかった。……蘭丸先輩はれいちゃんのこと好きじゃなくなっちゃったの?」

    好きじゃなくなった、訳では無い。そうであればどれほど楽だろうかと思っているのはおれ自身だ。そもそも別れを切り出したのは嶺二なのだから、好きじゃなくなったのは嶺二の方だ。多分。

    「……そんなことはねえよ。おれはそんなことねえが、あいつが無理だっつったんだ。とにかくあいつはめんどくせえ奴なんだよ」
    「ふ〜ん。トキヤも面倒くさって思う時結構あるし、俺は思ったらすぐ言っちゃうからトキヤもすねちゃうんだ。でもそれも可愛いなって思う。蘭丸先輩はれいちゃんのこと可愛いって思ったりしないの?」
    「…………?」
    「あははっ!ないんだ!!」

    ケラケラ笑う音也をじとりと見ながら、可愛いとか可愛くないとかそんな甘い関係じゃないだろおれらは、と思う。めんどくせえもんはめんどくせえ。

    「めんどくせえ、それだけだ。」
    「それでも好きなんだ」
    「……おまえ調子に乗りすぎんなよ?」
    「わ〜怖いよ!ごめんなさい!……でもさ、どうして好きなのに別れたんだろって。俺は2人に幸せになって欲しいよ」

    どうして好きなのに別れたのかなんておれが知りたい。
    ただおれは、可愛いとか、守りたいとか、幸せにしてやりてえとか、そんな甘ったるい感情よりもあいつの素顔を見たい、へらへら笑ってるその裏を暴きたいという欲の方が強いのだ。そして、案外臆病で卑屈で寂しがりな男が、アイドルという外ヅラを取っ払って素直になれる場所がおれの横であって欲しかった。
    だからこそ、今日楽屋でおれとふたりでいる時に“アイドル・寿嶺二”を崩さなかった事がどうしようもなく嫌だったのだ。

    「……俺の場合は恋人として好き以外にもトキヤのこと特別なんだ。トキヤとずっとライバルでいたい。好きだし可愛いと思うし恋人だけど、やっぱりあいつの隣で歌うのは俺しかいないんだって思ってる。一生隣にいるのは俺しかいない、俺がいいんだって。蘭丸先輩は?」

    どこか遠くを見つめるようにして、ここにはいない誰かを思い浮かべながらキラキラした目で音也が言う。
    音也とトキヤはアイドルらしいアイドルだ。それこそ、細やかな方向性は違うが嶺二のような。
    同じステージに立ち、目指す方向もきっと同じ。
    おれと嶺二は違う。違う方向をめざして走ってたら偶然同じステージに立つことになった。これはきっと藍も、カミュもだ。
    あいつはアイドルとして生きていて、おれは表現をするためにアイドルをしている。だから生涯のライバルでいたいと目をキラキラさせて言う音也とトキヤの関係とは違うと思った。
    同じステージに立つ以上、自分以外はライバルだ。しかし違うステージに立った時、おれはあいつの何になりたいのだろう。
    どんな未来だろうと、あいつの横にはおれがいないと腹が立つ。

    「……相棒」

    いつかどこかで「に、なれるといいな〜」と予防線をはった上で言われた言葉がぽろりと口からこぼれた。

    「いいね、蘭丸先輩とれいちゃんは相棒なんだ!れいちゃんっておにいさんだし先輩なんだけど、弟っぽいところもあるよね。俺、れいちゃんが甘えられる場所が出来て嬉しかったんだよ!」
    「ああ、そうだな。あいつはめんどくせえし結構甘ったれだ」
    「俺とトキヤはライバルだけどお互い好きだから恋人!蘭丸先輩とれいちゃんも恋人で相棒じゃだめなの?」
    「……」
    「やっぱり好きなのに別れるの、俺わかんないよ」

    「ランランといる未来が、わかんなくなっちゃった。」臆病で、卑屈で、寂しがりな元恋人の声がリフレインする。
    嶺二はその性質ゆえか未来のことや世間体についてぐるぐる考えていることが多い。
    あのきっかけも思い出せない喧嘩の中で、おれはあいつに嫌いだとか、好きじゃなくなったとか言われただろうか?
    おれが今あいつを好きで、あいつも今おれが好き。それ以外に必要だろうか。
    それでも未来に怯えるのなら、いつか終わる関係に怯えるのなら、おれはあいつに言うのだ

    「難しい未来なんて考えんな。おれはおまえがおまえでいられる場所になりたい。相棒、なんだろ?」
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