Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    k_p_tereshi

    ヒメちゃんと鶴丸の絵とお話、ほぼ鶴ヒメ(R18)

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 210

    k_p_tereshi

    ☆quiet follow

    つるひめ(ヒメちゃんだけが歳をとる)
    神に好かれることで短命になるっていう感じのやつ(⚠️ヒメちゃん死ネタ⚠️つるひめの間に娘と息子居る⚠️)

    サキちゃん(娘)ケンくん(息子)は、もう年齢的にも精神的にも大人だが、外見(身体的)成長は遅いのか実年齢よりかなり若く見える

    ヒメちゃんはもう長くないことがわかって、鶴丸とサキちゃんとケンくんに囲まれて最期のときを迎えようとしている
    サキちゃんケンくんと話したヒメちゃんは最後にパパと2人で話したいと言って、部屋に鶴丸とふたりになる(サキちゃんケンくんは部屋の外で様子を窺っている)

    ヒ「ね…つる…」
    鶴「ん…?どうした…?」
    ヒ「…(ぷるぷると震える手をあげて鶴丸の頬に近づける)」
    鶴「ヒメ(ヒメちゃんの手をしっかりと握って自分の頬にあてる)」
    ヒ「サキちゃんと…ケンくん…お願いね」
    鶴「、何言ってるんだ、サキもケンももう立派な大人だ。俺が見てやる必要もないさ」
    ヒ「へへ…、そうだっけ…」
    鶴「…とはいっても俺たちにとってはいつまでもかわいい子どもたちだ、会いに行くよ」
    ヒ「…うん、…そうしてね」
    鶴「あぁ…」
    ヒ「…、…」
    鶴「ヒメ」
    ヒ「、…、なんかね、すごく眠いの」
    鶴「…!、ヒメ、だめだ」
    ヒ「暗いし…、…でも…温かい」
    鶴「ヒメ…っ…!(手を強く握る)」
    ヒ「…、…」
    鶴「ヒメ!だめだ…っ!、まだ…!」
    ヒ「ぅん…、つる…」
    鶴「、ヒメ、愛してる…!、ずっと君を…!」
    ヒ「…あたしも……、あいして…」
    鶴「必ずまた…っ…会いに行く…!!」
    ヒ「ぅん…、また…ね…(伏せた目の端から涙が零れる)」
    鶴「…っ…!、ヒメ、ヒメ!…、」
    ヒ「…」
    鶴「…、ヒメ?、ヒメ」
    ヒ「…」
    鶴「…(大粒の涙が溢れだす)、ヒメ…、目を…、目を開けてくれ」
    ヒ「…」
    鶴「ヒメ…!目を…っ、開けて…!、もう一度俺を…っ…呼んでくれ…(ヒメちゃんの頬を包んで顔を近づける)(瞬きをする度にぱたぱたとヒメちゃんの顔に涙が落ちる)、ヒメ…っ…!、うぅ…」

    覚悟はできていると思っていた。ヒメを妻とした時…いや、愛してしまったときから、いずれこうなることはわかっていた。俺の元からヒメが去ってしまう方が先、俺と子どもたちを残して逝ってしまうであろうことを。だから俺はその限られた時間でできる限りヒメに愛を伝え、そしてヒメも俺に愛をくれた。…だがこの気持ちはなんだ?この渇きのような、猛烈な喪失感と後悔に似た感情は。無論、ヒメを愛したことを後悔しているのではない。ただ、俺はヒメに愛を伝えきれたのか?ヒメがくれた愛を全て受け止められたのか?もっと伝えられたのではないか?もっと受け止められたのではないか?これからもずっと、君が俺を呼ぶ声を聞きたかった。何もかも全然足りなかった…、そう思わずにはいられない。
    今はただ叫びたい、泣きたい。覚悟なぞいとも簡単に砕け散った。ヒメの死を受け入れることを、俺の全てが拒否している。

    (父の泣いているような声と話声が聞こえる)
    サ「ママ…っ!」
    ケ「…っ、(そっと中へ入る)父上…、母さんは」
    鶴「そうだ、また皆であの遊園地に行こう、っ、あれから随分行ってなかっただろう?、それから…」
    ケ「父上」
    サ「ママ…っ…!(ヒメママのそばに来る)」
    鶴「三日月がまた新しい茶菓子を用意してくれた、皆で食べに来ないか?サキもケンもきっと…」
    ケ「父上っ…!(母さんに話しかけている父にぎゅっと抱きつく)」
    サ「ママ…!ママ…!」
    鶴「…!、サキ、ケン…」
    ケ「母さんは…っ、母さんはもう…っ…」
    サ「(わんわん)」
    鶴「…、…っ、ヒメ…」
    ケ「父上…っ」


    父上はずっと母さんの名前を呼びながら、母さんにずっとくっついて子どものように泣きじゃくった。父上があんなふうに泣いている姿を見るのは初めてで、つられてぼくも姉上も泣いた。
    そのあと母さんの葬儀を行って、母さんを綺麗な棺に入れて埋葬した。その間は母さんの親戚や知り合いもいたせいか、父上は涙を見せることは無くて、毅然と振舞っていた。
    葬儀が終わって親戚も皆帰っていったあと、父上は母さんが埋葬された所へ行ってしばらく母さんのお墓に何か話しかけていた。ぼくと姉上は少し遠くから父上を見守っていたから何を話していたのかはわからなくて、戻ってきた父上に聞いても秘密だって。口にしたらまた泣いてしまうって。ぼくたちの前でもう泣かないように父上は気張っていたのかな。きっと必死に我慢していたんだろうな。
    家に帰ると父上は疲れが溜まっていたのか緊張がとけたのか、ソファに倒れ込んでしまった。…よく母さんと一緒に寝ていたソファに。本当に気絶したようだったから少しびっくりしたけど、眠っているだけだとわかったので毛布をかけてあげた。ぼくと姉上は母さんに言われた通り、母さんが知り合いや親戚に向けて書いた手紙をそれぞれに送る準備をした。ぼくと姉上と父上に宛てられた手紙もたくさんあって、いつの間にこんなに用意していたんだろうって。父上には秘密にしてしばらくは渡さないでと母さんに言われた。いつ渡せばいいか聞いたら、ぼくが良いと思ったら、だって。その方が驚かしがいがあるだろって。母さんもこんな時まで父上にべったりだ。ぼくや姉上が間に入る隙がない。子どもの頃からそうだったな。、、、というのは置いといて、父上に母さんの手紙を渡してあげないとやっぱ可哀想だし…、良いよね、母さん。


    (数日後の夜?)
    鶴「(ケンくんの日記を読んで)おい…、これは…っ、手紙って…?」
    ケ「これです(ドサッ)」
    鶴「…!、これ、全部か?」
    ケ「そうですよ、母さんから父上への手紙です」
    鶴「…」
    ケ「ぼくと姉上にはここまで無かったのに…、父上には倍くらいありますよこれ…」
    鶴「……」
    ケ「?、父上?」
    鶴「ヒメ…」
    ケ「えっ…?」
    鶴「ヒメ…っ…!」
    ケ「(ガタッ)、母さんがいるのですか?!」
    鶴「(はっ)、いや…、これはこの手紙に宿るヒメの…母さんの記憶の残滓…、残留思念だろう…」
    ケ「母さんの、記憶…?」
    鶴「あぁ…、ケンにはわからないか?」
    ケ「…、ごめんなさい、よくわかりません…」
    鶴「そうか…、まぁ、付喪神の力なんて、そういくつも受け継ぐべきじゃないからな」
    ケ「父上…」
    鶴「(はっ)待てよ…これまでヒメがよく使っていたものであれば、それも…!」
    ケ「え…?」
    鶴「付喪神だというのに今更気づくとはな…(ははは)」
    ケ「母さんがよく使っていたものから、母さんの思いや記憶に干渉できるのですか?!」
    鶴「あぁ…そうだ。…手を」
    ケ「、はい(父上の手を握る)」
    鶴「目を閉じて…(ヒメちゃんのたくさんの手紙に触れる)」
    ケ「…!!、これは…!、母さん…」
    鶴「な?そこに母さんがいるだろう?」
    ケ「母さん…!、もう、会えないと思っていました…!ぼくは…!」
    鶴「あぁ…ヒメ…、こんなに近くにいたのに気づかなかったとは、すまない…!手紙はこれから読むからな、また話を聞いてくれ」
    ケ「…(はっ)、母さん…(涙がぽろぽろと流れる)」
    鶴「ケンにも見えたようだな」
    ケ「見えました…、母さんが…いました」
    鶴「あぁ」
    ケ「ぼくたちを…見守って…、くれて…っ…(ゴシゴシ)」
    鶴「あぁ…!そうだな」
    ケ「姉上にも!見せてあげたいです…!」
    鶴「…ならサキにはお前から見せてやれ、今ので感覚は掴んだだろう?」
    ケ「え…、ぼくは付喪神の力は受け継いでいないのでは…?」
    鶴「そんなわけないだろう、俺の息子なんだ、これくらい出来て当然だ」
    ケ「…(むっ)、、、(鶴丸に当てられた手紙に触れて目を瞑ってみる)」
    鶴「…」
    ケ「…、ダメです…何も見えません、、」
    鶴「全く…修行が足りないぞ(ははは)」
    ケ「父上!、意地悪しないでください!」
    鶴「ははは、すまんすまん。また明日皆で母さんに会おう。もう遅いからな、寝るといい」
    ケ「…もう子どもじゃないんで子ども扱いしないでください(ツン)」
    鶴「俺にとってはずっとかわいい子どもだ」
    ケ「大人ですってばー!」
    鶴「ははは」


    そのあとぼくは寝るふりをして父上の様子を見ていた。ぼくが自室へ戻ると(戻ってないけど)、父上は早速母さんからの手紙を読み始めた。初めの封筒には3枚の便箋が入っていたようだったけど、父上はその3枚を何度も何度も読み返していた。しばらくして父上が泣いていることに気づいた。最初から泣いていたのかな。2つ目の封筒は便箋が2枚だった。1枚目を読み始めてすぐ父上は机に伏して肩を震わせていた。ぼくもつられて泣いてしまったので、盗み見はやめて部屋に戻ってまた泣いた。母さんが死んでしまった悲しみと寂しさと、高貴な父上があれだけ打ちひしがれて涙している姿が、ぼくの心をどうしようもなく揺さぶって掻き乱した。


    (朝)
    鶴「…もう最後の手紙か、、、ん、これは…」
    サ「パパ…?早いね」
    鶴「サキ、おはよう」
    サ「、寝てないの?」
    鶴「…母さんの手紙を読んでいたら朝になってしまったようだ」
    サ「これ全部パパ宛て?」
    鶴「あぁ」
    サ「こんなにたくさん…(む)」
    鶴「内容はサキやケンのことばかりだったぞ」
    サ「そうなの?」
    鶴「サキやケンが産まれた時のことや、赤ん坊のサキがかわいいだとか、歩けるようになって感動したとかなぁ(ははは)」
    サ「ふふ、そんな前のこと〜?」
    鶴「俺にはついこの間のことのように思い出される。母さんも同じだったんだろう」
    サ「そうなんだ」
    鶴「あぁ、君たちが産まれた時のことも、…母さんと出会ったときのことも、な…」
    サ「、ママとの出会いはどんなんだったんだっけ?ちゃんと教えてくれたことなかったよね」
    鶴「…そうだったかな」
    サ「そうだよー。いつも適当にはぐらかされてママとベタベタし始めるんだもん…」
    鶴「ははは、そうだったな。なら話そうか」


    サ「へぇ〜、でパパは我慢できずママを寝取ったわけね」
    鶴「、もっとましな言い方があるだろう…」
    サ「(キャハハ)、冗談だって〜、ママを愛していたってことでしょ」
    鶴「む…、まぁ…」
    サ「ふふ」
    ケ「父上、あ、姉上も」
    サ「あ、ケンくんおはよー」
    鶴「おはようケン、…あの後眠れたか?」
    ケ「ぁ…、はい…」
    サ「?」
    鶴「なに、気にするな。俺もわかっていて何も言わなかったんだ」
    ケ「…ごめんなさい」
    サ「なーにー?」
    鶴「俺が母さんの手紙を読んでいるのを、ケンが盗み見てたんだ」
    ケ「む…」
    サ「ははは、パパをこっそり観察なんて無理に決まってんじゃん〜」
    ケ「むむ…」
    鶴「全くだ、修行が足りないな」
    ケ「父上!いじわるしないでください!!」
    サ「あはは」
    鶴「今度稽古をつけてやる」
    ケ「(むすーーー)、、、お願いします…」
    鶴「あぁ」


    それでぼくは父上の付喪神としての力を覚醒させるための修行というか稽古をするのだけど…それはまた別の機会に。
    母さんが亡くなった悲しみは消えないけど、糧にもなっていて。父上は変わらず刀剣男士としての役目も全うして逐一母さんに報告しているようだった。姉上はかつての母さんのようなアーティストを目指して音楽やモデルの仕事をこなしている。ぼくは父上から受け継いでいる(はずの)力の覚醒のために日々修行をしている。父上を見守りつつ姉上とぼくがこうして好きに生きていくことが母さんの最期の望みでもあったから…。
    ぼくの力が覚醒したら、父上と出陣もしてみたいな。そしてまた母さんと話せるといいな。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭😭😭💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works