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    おぐら

    こんにちはどうぞよろしくお願いします。
    NL固定厨。攻めのリバ的表現苦手な硬い頭。
    基本何も考えずに流れていく感じのゆるゆる作品ばかりですが、ジャンルの賑やかしになれば幸いです。

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    おぐら

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    某所に掲載した話
    ペパアオとハルネモです
    ハ●太郎かな?と思うくらい「〜のだ」て使いすぎてるの気になったので少し修正してます。
    アオハルの地元捏造してます
    あの時読んでくださった方ありがとうございました
    意味は「安心して、気にしないで」

    デスクイダ早く大きくなりたい。
    人のベッドに横になるなりハルトはそう言った。
    昨日は確かネモをデートに誘うとか意気込んでいたのに。
    でもこれは初めてではないから俺もいつも通りに接する。
    「また間違えられたのか?」
    「…う゛」
    お前ちょっと鼻声ちゃんじゃねーか。
    人の枕濡らすのはやめてくれ。
    言いたいことはあるが俺はぐっと我慢した。

    ハルトはカントー出身で俺の恋人であるアオイの双子の兄だ。普段はしっかりもので生徒から先生たちまで信頼は厚い。涼しい顔であの生徒会長のバトルを引き受けてくれるとあって一部生徒は崇拝すらしているらしい。
    本人は至って普通に恋人がバトルするならいつでも相手になりたいだけなバトルジャンキーちゃんなのだが。
    そしてカントーといえば真面目で礼儀正しい人柄と、目と目が合えばバトルというなんとも荒々しい伝統が共存していることで有名な地域。ついでに俺たちパルデアやカロス、ガラル人などに比べると年齢の割に見た目が若いことが多い。
    俺も二人から年齢を聞いた時はすげーびっくりしたし、いまだにアオイと出掛けようものなら兄妹に見間違われたり俺自身が倫理観を天秤にかけることだって少なくない。
    ゆえにハルトは悩んでいた。
    本人の気持ちが1番だとはわかっていても、いざという時守れるような逞しさが欲しい。
    姉弟じゃなくて、誰から見ても恋人であると思われたい。
    男なら誰だって思う悩みだろう。
    「少なくとも会ったばっかのときに比べたら大きくなってきてるし、俺たちは成長期だろ?いつかドカンとデカくなるって」
    そう言ってチーズを散らした栄養満点サラダとエビのパエージャを出した。
    ベタな話だが成長に必要な栄養素を取り入れて、運動や睡眠を意識しながら規則正しい生活を送る。それが1番効率よく成長期を過ごせるのだ。



    アルバムに挟んだ集合写真を見てあの頃はみんな若かったなと呟けば、後ろからまだ若いじゃんと笑い声。
    「ほら、早くしないと今日が終わっちゃうよ!まだまだ荷物あるんだから」
    学園にいた頃はあれよこれよと世話焼いていた恋人は、ひと足先に卒業して修行している間に立派な大人になっていた。
    兄に似てしっかりもので、母に似て美しく成長したアオイはテキパキと荷解きしていく。長くなっても右側だけ三つ編みの不思議な髪型ちゃんは健在だが、左側の髪を耳にかける仕草が好きで特に指摘はしない。

    今日から俺たちは同棲する。
    もともと物が少ないアオイはいつかこうなることを見越して一人暮らしでも物は少なくしていたらしい。
    俺はというと修行の間に溢れかえったキッチングッズの整理に追われていた。師匠から譲り受けた包丁は丁寧にしまう。ある土地の郷土料理くらいでしか使わないものはこの際だから手放そう…。ん…?なんでこんなところにオラチフの頃のおもちゃが?
    首を傾げながら眺めているとインターホンが鳴った。
    「はーい」
    アオイがすぐさまそれに応える。
    これから日常になるであろうその風景がくすぐったい。
    ぱっと明るくなったアオイがこちらを振り向いた。
    「ハルトとネモが手伝いに来てくれたよ!」

    出迎えればあの頃の幼さは残りつつも精悍な顔立ちのハルトと、あの時より落ち着いて淑女らしいネモがいた。
    昔大きくなりたいと嘆いていた少年は彼女の身長を追い越し、いつの間にか大きく頼もしくなっていた。
    「ボタンにも声掛けたけど『ウチが手伝えるような人間に見える?』とか言われちゃって」
    「あー…あん時の部屋すごかったもんな」
    「あはは…せっかくだし休憩しよっか」
    簡易テーブルを広げてお茶を出す。
    俺たちはかつてそれぞれに悩みを持っていた。
    大きくなりたい、女性らしくありたい、魅力的になりたい、自分らしさが欲しい…
    思春期なら誰でも持つ願望だが、学園での生活を経た今は思う。
    なんだかんだ隣を譲る選択肢は持ち合わせていないのだから何も気にする必要はなかった。
    時間と環境が俺たちを成長させ、いつの間にか自然と隣に立つことへの不安を消し去っていた。
    「なんか…大きくなったなぁ」
    「へ?」
    「さっきアルバム見たからおじいちゃんみたいなこと言ってる…」
    「あの時の?わー!見たい見たい!」
    それでも、集まればいつでもあの時宝物のような体験をした俺たちに戻るのだ。
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