「これから付き合う予定の二人」※現パロ土尊
尊は成人
「酷い顔だね。また高坂さんとケンカ?」
「まぁ、そんなところだ」
深夜、アパートにやって来た突然の訪問者を嫌な顔せず半助は快く迎えた。
一方の暗い顔で俯く尊奈門は、ぐっと下唇を噛む。
「中にお入りよ。温かい物でも飲む?」
「もっと強い物はないか?」
「う〜ん。あったかな」
髪を搔きながら台所へ踵を返す。尊奈門は、ゆっくりと靴を脱ぐ。いつも飲みに行く時は、会って早々仕事の愚痴や最近あった事を元気なくらいに言い出すのに今夜は様子が違った。
「まさか、雑渡さんとも揉めたの?」
半助がふと閃いて、訊ねる。尊奈門は、図星で視線を逸らした。
「雑渡さんも高坂さんも尊奈門くんがかわいい弟なんだよ」
「土井もそう言うか。邪魔したな」
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