狂い咲く花は風を乱吹く13何故ダ
何故「□」を捨てない
ナゼ
ナゼ、ヴァーユの子を憎まない
この手筈ではなかった。
ビーマにボロボロに傷つけられた後、ドゥリーヨダナはビーマへの愛を全て捨てるはずだった。
なのにドウシテ
なにか間違えてしまったのか?
なにか計算を入れるのを間違えてしまったのか?
神々は可能性の限りを考えた。
それともドゥリーヨダナは、欠陥だったか
…
きっとそれだ
それに違いない
これは失敗だ、間違いだ
ドゥリーヨダナは欠陥品だったのだ
ならば、捨てよう
もうコレはいらない
>>>>>>
「待ってくれ、スヨーダナ!!」
「……」
すると、ビーマの叫び声にやっと相手は止まってくれた。
その行動に安堵して、やっと追い付けた。
カルデアにいるドゥリーヨダナよりも若く、ビーマの胸辺りの身長のその子は背を向けたまま沈黙だった。
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