flower「ミンク、おかえ……、へっ?」
帰宅したミンクを見るなり、蒼葉は驚いた。出迎えのことばを言い終える前に間抜けな声が出るほどだった。
いつもとそう変わらない帰宅時間。ミンクの肩にはオールメイトのルラカンがいる。ミンク自身の表情も普段とさほど変わりはない。しかし決定的に違うのは、彼が抱えてきた荷物だった。
その日ミンクは、大きな花束を抱えて帰ってきたのだ。
「え……なに? どうしたんだよそれ?」
夕食の支度の手を止めて、蒼葉はミンクに駆け寄った。足元にいた蓮もついてくる。
「受け取ってくれるか」
「あ……はい」
言われるままに大きな花束を受け取る。ミンクが持っていても立派な大きさのその花束は、蒼葉が持てば尚更だった。色とりどりの花が咲いている。この土地の花なのか、日本では見たことのない花も多い。
1930