アルミンは見た「間違いないんだな」
「あぁ、保証する。これより極上の粉にはお目にかかった事がない」
「大きく出たな」
「最高のブレンドだ。使いやすいように小分けにしてある」
放課後、僕は見てしまった。校舎裏の倉庫の前で、数学のナイル先生が清掃員リヴァイさん(裏社会)に白い粉の入った袋を渡しているのを。
「世話をかけた。掃除は任せろ」
「あぁ、助かる。そっちは苦手なんだ」
清掃員さんはナイル先生の肩をポンと叩くと校舎に向かい、先生はパーキングに向かった。
——掃除? 殺しか!
僕はコッソリと清掃員さんの後をつけた。噂に聞く白い粉が学校内にどれほど蔓延しているのかを調べる必要性を感じたからだ。嫌な予感は当たった。彼がノックもせずに消えたのは歴史教師エルヴィン先生の準備室だった。ちょっとズレた笑みを浮かべるエルヴィン先生は一見穏やかだが得体の知れない雰囲気がある。何より、準備室から気怠げに出てくる清掃員さんが何度も目撃されていた。
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