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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    本日の800文字チャレンジ
    両片思いクロリン/Ⅳ第一相克後
    休息、その一幕

    クロウとの第一相克を終えた一行は、エリンの里でつかの間の休息をとっていた。
     里の中心部で生徒らと戯れながら釣りを楽しむリィンをなんとなしに眺める。和気藹々と過ごしている彼らは、釣れた魚の大きさで勝負をしてるようだった。
     ルールを逸脱しない範囲でおこなわれた不意打ちともいえる第一相克は、オルディーネがヴァリマールの眷属となることで決着がついた。そして、それぞれの起動者であるリィンとクロウもまた、騎神らの影響を受けて目には見えないなにかで結ばれていた。
     お互いの感情の機微や、目を閉じて集中すれば居場所まで掴むことができる。不思議な感覚だ。
    「なんでこんなことになったかね」
    「そんなの、アンタが望んだからに決まってんじゃない」
    「黒猫……、セリーヌだったか」
     ぬっと出てきた姿に、つい懐から猫じゃらしを取り出してしまう。試しに彼女の目の前で振ってみてもいい感触は得られず、ふたたび懐へしまった。
    「本当は分かってんでしょ。あの子が望んだだけじゃ、この結果は得られなかったこと」
     不意に釣りをしていたリィンと視線が絡む。手を振ってやると遠慮がちに振り返してきた。
     じわりと胸に広がったあたたかいものは彼のものか、クロウのものか、判断が難しい。
    「そりゃあ、まあ。あそこまで言われちまうとな」
    「なに言ってんのよ。あの子が言う前から未練たらたらの顔してたくせに」
     事実を突きつけられ、頬を掻いた。
    「そう、なのかもな。せいぜいこの追加のボーナスステージ、アイツの力になれたらとは思ってるさ」
     ふ、と笑う気配に足元を見下ろした。今現在、猫である彼女の表情は見分けにくい。
    「眷属ゆえの苦悩、アンタも少しくらい味わうといいわ」
     ゆったり身を起こした黒猫が尻尾のリボンを優雅に振って、ロゼのアトリエへ戻っていく。
     後日、霊力補給のためにリィンとベッドをともにしなくてはならなくなったクロウは、ようやくセリーヌの言葉を理解させられたのだった。
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