Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 115

    甘味。/konpeito

    ☆quiet follow

    本日の800文字チャレンジ
    クロリン/創数年後/負けず嫌いに火がつく

    四方八方を魔獣に囲まれたリィンは、背後に保護した子どもを庇いながら襲いかかってくる魔獣を切り捨てていた。魔獣の数が多く、保護対象がいるなかで状況を打破する手立てもない。
    「お兄さんは遅れて登場って相場が決まってるんだよ!」
     突如上空から導力バイクが飛び込んでくる。そのバイクに跨ったまま双拳銃を構えるクロウに、子どもをコートで包み、その場で膝を折った。
    「クロウさん真面目にやってください」
     絶え間なく鳴り響いていた銃声が収まった頃、黒の戦術殻《クラウ=ソラス》に乗ってアルティナが降下してきた。
    「クロウ! アルティナも」
    「さて、リィン。お前はどうしたい」
    「教官、指示をお願いします」
     振り返ったふたりに破顔するも、すぐさま顔を引き締めた。
    「アルティナはこの子の避難を頼む。クロウは俺の援護を」
     黒の戦術殻で子どもを抱え、ふたたび上空へあがっていくアルティナを見送り、改めて周囲を囲む魔獣を見据えた。
    「クロウ、腕は鈍ってないだろうな」
     太刀を構えなおし、背中を預けるクロウへ視線を投げる。双拳銃から双刃剣に持ち替えた彼はゆったりとした動作で得物を構えていた。
    「おいおい。誰に聞いてるんだよ。だったら賭けようじゃねえか。どっちがより多く倒せるかってな」
     カウントしながら魔獣を屠っていくクロウに倣い、リィンもまた太刀を振るう。
    「いいな。勝ったらアルティナと俺に夕食を奢ってもらおうか」
     軸足を踏みしめ、構え直した太刀で魔獣のなかへ飛び込んでいった。
    「それで、賭けには教官が勝ったと」
     宿酒場で夕食を囲むアルティナがなるほど、と頷いた。杯を重ねたクロウはテーブルに突っ伏し管を巻いている。
    「あれはもう戦車だ、戦車。リィンの通ったところは一匹残らず魔獣が吹き飛んでいってたわ」
    「それを言うならクロウだって双拳銃も使っていたじゃないか」
    「お互い負けず嫌いに火がついた、といったところでしょうか」
     痛いところを突かれてしまったリィンは苦笑いを浮かべるのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕🍻👏💕💕💕👍💖👏🍻💕👍💕🍴🍖🍻🍻☺❤👏❤👏👏☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    甘味。/konpeito

    TRAINING両片思いアシュクル/創エピ第Ⅱ分校修学祭後自らの行いは自らでケリをつけたかった。
     皇帝暗殺の犯人が自分であるにも関わらず、世間ではそれを誤報とされている。この手で引き金を引いた感触が今でも残っているというのに。
    「ったく。めんどくせえ連中に捕まっちまったな」
     無理やり参加させられた打ち上げからひとり抜けたアッシュ・カーバイドは、今日の出来事を振り返っていた。
     学院生活最後の行事だからと妙に熱を入れてしまったのは自覚していた。不在時に決められたとはいえ、実行委員に任命されたからにはやりきりたかった。その結果、まさか出し物への投票だと勘違いしていた選挙箱で生徒会長になってしまうとは思いもしなかったが。
     来月には学院を去り、遊撃士として仕事をしながらせめてもの罪滅ぼしをしようと考えていただけに、完全に予定を狂わされてしまった。
    「アッシュ、ここにいたのか」
    「クルトか。酒もないのに付き合いきれねえ。連れ戻したかったら酒持ってこい」
    「俺たち未成年だろ」
     クルト・ヴァンダールに呆れたような目を向けられ、肩を窄めた。何事にもお堅いこのクラスメイトが未成年の飲酒を容認するはずもない。
     生活態度は至って真面目、剣技は教科書通り、 870

    さらさ

    MOURNINGフォロワーさんのネタをサルベージした一品。二パターンのうちの一個。曰くフォロワーさん的にはこっちがお望みだったようなのでこちらを先にアップ。
    でも本当に様になるねこの男は。

    尚そんなに活躍していない偽名は、私の趣味です(特にローデリヒ)
    踊ってください、愛し君「あれが例のターゲットか」
    「そうみたいだな。さぁて、どうしてやろうか」

     帝国のとある貴族邸にて。一時期帝国とクロスベルを行き来していた偽ブランド商がこの屋敷にて開かれる夜会に紛れてどうやら密談を行うらしい。そこでクロウとリィンには穏便な形での取り押さえるという依頼が舞い込んできたのである。相談した結果、ターゲットが女性である事とクロウ曰く二人そろって見目もいい事から凝った変装は必要ないだろうという事になった。ただリィンの場合は顔と名前を知られすぎているので、一工夫必要だとクロウの手によって好き勝手され。ラウラやユーシス、時間が出来たからと顔を出したミュゼの審査を受けてようやく目的地に辿り着いたのだが。如何せん、そこまでの振り回されたこともあって少々疲弊していた。潜入捜査に男二人は流石に目立たないだろうかとは思ったものの、その手のプロから珍しい事ではないとのアドバイスをもらったので女装させられるよりはましかと腹を括った。
    1996

    さらさ

    SPUR ME12月12日に出す予定の展示品を尻叩きとサンプルを兼ねて一章丸々アップ。こんな感じのクロリンの話が五感分連続していく感じです。シリアスが続きますがハピエン(にしてみせる!)

    ちなみにタイトルは全て「五感に関する部位のことわざ」を当てはめています。変わるかも。
    医者と味噌は古いほどよい リィンは《黒の工房》から救出されて以来、違和感に気付いた。《巨イナル黄昏》より前に感じ取れていた味が、分からなくなっていたのだ。一か月近く食事をしていなかったこともあり気付かなかったが、しばらく食べているうちにようやくその違和感に辿り着いた。原因は分からないが、相克に向かうこの状況で他の心配事を出来ればリィンは作りたくなかった。だから、黙っている事にした。――目に見えて減っている食事量を前に、既に全員が気が付いているだなんて思わないまま。

    「そういうワケでクロウ、よろしく」
    「いや待て、どうしてそうなる」

    セリーヌとデュバリィに足止めさせて始まる新旧Ⅶ組大会議。答えは出ているも同然だったが、それでも認識の擦り合わせが必要だと集まったのだが。驚く程分かりやすいリィンの事だ、擦り合わせる間でもなかったが。それが分かれば押し付ける先は一つしかない。フィーの直球な言葉にクロウは予想もしていなかった為狼狽えた。リィンは無自覚ではあるが彼に甘える。そしてクロウは彼が甘えてくる自覚はあれど甘えさせているという自覚はなかった。何も自分に持ってくることはないだろうに、それがクロウの言い分だがそれに呆れている様子もまた感じ取っている事もあって困っている。
    3129