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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    クロリン/創数年後/負けず嫌いに火がつく

    四方八方を魔獣に囲まれたリィンは、背後に保護した子どもを庇いながら襲いかかってくる魔獣を切り捨てていた。魔獣の数が多く、保護対象がいるなかで状況を打破する手立てもない。
    「お兄さんは遅れて登場って相場が決まってるんだよ!」
     突如上空から導力バイクが飛び込んでくる。そのバイクに跨ったまま双拳銃を構えるクロウに、子どもをコートで包み、その場で膝を折った。
    「クロウさん真面目にやってください」
     絶え間なく鳴り響いていた銃声が収まった頃、黒の戦術殻《クラウ=ソラス》に乗ってアルティナが降下してきた。
    「クロウ! アルティナも」
    「さて、リィン。お前はどうしたい」
    「教官、指示をお願いします」
     振り返ったふたりに破顔するも、すぐさま顔を引き締めた。
    「アルティナはこの子の避難を頼む。クロウは俺の援護を」
     黒の戦術殻で子どもを抱え、ふたたび上空へあがっていくアルティナを見送り、改めて周囲を囲む魔獣を見据えた。
    「クロウ、腕は鈍ってないだろうな」
     太刀を構えなおし、背中を預けるクロウへ視線を投げる。双拳銃から双刃剣に持ち替えた彼はゆったりとした動作で得物を構えていた。
    「おいおい。誰に聞いてるんだよ。だったら賭けようじゃねえか。どっちがより多く倒せるかってな」
     カウントしながら魔獣を屠っていくクロウに倣い、リィンもまた太刀を振るう。
    「いいな。勝ったらアルティナと俺に夕食を奢ってもらおうか」
     軸足を踏みしめ、構え直した太刀で魔獣のなかへ飛び込んでいった。
    「それで、賭けには教官が勝ったと」
     宿酒場で夕食を囲むアルティナがなるほど、と頷いた。杯を重ねたクロウはテーブルに突っ伏し管を巻いている。
    「あれはもう戦車だ、戦車。リィンの通ったところは一匹残らず魔獣が吹き飛んでいってたわ」
    「それを言うならクロウだって双拳銃も使っていたじゃないか」
    「お互い負けず嫌いに火がついた、といったところでしょうか」
     痛いところを突かれてしまったリィンは苦笑いを浮かべるのだった。
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    甘味。/konpeito

    TRAINING両片思いアシュクル/創エピ第Ⅱ分校修学祭後自らの行いは自らでケリをつけたかった。
     皇帝暗殺の犯人が自分であるにも関わらず、世間ではそれを誤報とされている。この手で引き金を引いた感触が今でも残っているというのに。
    「ったく。めんどくせえ連中に捕まっちまったな」
     無理やり参加させられた打ち上げからひとり抜けたアッシュ・カーバイドは、今日の出来事を振り返っていた。
     学院生活最後の行事だからと妙に熱を入れてしまったのは自覚していた。不在時に決められたとはいえ、実行委員に任命されたからにはやりきりたかった。その結果、まさか出し物への投票だと勘違いしていた選挙箱で生徒会長になってしまうとは思いもしなかったが。
     来月には学院を去り、遊撃士として仕事をしながらせめてもの罪滅ぼしをしようと考えていただけに、完全に予定を狂わされてしまった。
    「アッシュ、ここにいたのか」
    「クルトか。酒もないのに付き合いきれねえ。連れ戻したかったら酒持ってこい」
    「俺たち未成年だろ」
     クルト・ヴァンダールに呆れたような目を向けられ、肩を窄めた。何事にもお堅いこのクラスメイトが未成年の飲酒を容認するはずもない。
     生活態度は至って真面目、剣技は教科書通り、 870

    さらさ

    MOURNING遅刻大魔王によるすったもんだクロリンがバレンタインデーにくっついて分校全体に知られるまで。ポイピク練習も兼ねてる舌先の魅惑


    「え、え~!?クロウくんにチョコレートあげてないの!?」

     トワの素っ頓狂な声が、第Ⅱ分校の食堂に響き渡った。七耀歴1208年、2月。もうすぐバレンタインデーだ、食堂やら寮のキッチンを貸し切っての菓子作りに女子生徒たちが浮足立っている。去年の同時期と言えばクロスベル解放作戦当日だ、直接参加した訳ではないとは言えど親しみある教官と生徒が参加するともなればムードもそれどころではなかった。実質、今年が初めてのトールズ第Ⅱ分校バレンタインデーである。男子生徒も一部落ち着かない様子ではあるが、それも今更と言ってしまえばそれまでなのだが。ともあれ、青春では割とお約束のイベントが差し迫ったことを踏まえ、生徒たちの押しに負けて食堂にやってきたリィンなのだが。

    「えっと、俺はクロウとは何もないですしチョコレートもあげてませんよ?」

    という言葉で冒頭に戻る。指し手であるミュゼでさえ予想外だったその回答に、誰もが頭を抱えた。この朴念仁め、は共通の認識であるが故に誰も口には出さないが。

    「で、でもでも!リィン教官はクロウさんのこととても好きですよね!?」

    ここでもユウナから容赦ない一 4406