天人五衰(一) 天人五衰とは、仏教用語で、六道最高位の天界にいる天人が、長寿の末に迎える死の直前に現れる五つの兆しのこと。
大般涅槃経においては、以下のものが「天人五衰」とされる、大の五衰と呼ばれるもの。
一.衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服(羽衣)が埃と垢で汚れて油染みる
二.頭上華萎(ずじょうかい):頭上の華鬘が萎える
三.身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れて臭い出す
四.腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れ出る
五.不楽本座(ふらくほんざ):自分の席に戻るのを嫌がり楽しみが味わえなくなる
出典元Wikipedia
幼い頃藍曦臣は母のことを、羽衣を奪われた天女のようだと思っていた。
天帝から受けた命を果たしに地上へ降り立ったところ羽衣を父に奪われてしまって、二度と生まれ育った天へ還れない。好きでもない男に閉じ込められその子どもを生まされた気の毒な美しい女性。そう信じていた。
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