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    nishi_sdm

    @nishi_sdmのポイピクです

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    nishi_sdm

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    突然死んだプロットです

    春待草プロット3
    「その日のことを
    俺は一生忘れないだろう」

    縦割り
    地面に座り込む玄武

    トライアングルジムの上の朱雀 逆光

    4
    その日から
    その出会いから
    俺の全てが 変わったのだから

    手をさしのべる それぞれの顔アップ

    「朱雀だ」
    「玄武だ 黒野、玄武」

    5
    「合縁奇縁、だな」
    空バック
    タイトル

    6
    玄武
    黒野玄武
    2月のある日、偶然高校生にボコられてるのを助けたそいつは
    背が高くて、きれいな顔してて、それから難しい言葉を使う
    うまく言えねえけど、とにかくかっけえ奴だった

    俯瞰
    「年か?15だ 中3」
    「お、じゃあ1個上かぁ! 玄武さん、て呼んだ方がいいか?」
    「馬鹿、いらねぇよ 玄武でいい」

    7
    「お前は?」
    「お、おお、オレ中2!学校はー」
    話してる2コマサイレントで
    (なんだろ 今日初めて会ったのに すげえ話しやすい)
    (こんなやつ、初めてだ)
    ときめき、息を呑む
    口元表情見せずにアップで

    8
    とっぷり日が落ちる
    「…ってまずい」
    す「うぉ!もうこんな時間か…」時計を見る朱雀
    げ「…悪い、ダサいとこ見せたついでだ、もし急いでねぇなら、ひとつ頼まれちゃくれねえか」
    バツが悪そうな玄武
    す「たのみ?」

    げ「悪ぃな、暗いと余計に見えずらくてよ…」
    す「いいっていいって! せっかく助けたのに、帰りに事故ったりしたら大ごとだしよ!
    送ってくくらいなんてことねえぜ」

    9
    げ「…ここだ」
    とまる足元映す
    養護施設の門
    建物映す 二人の背中越し
    す「(…ここって…)」
    少し複雑そうな玄武
    げ「じゃあな、助けてくれたこと、感謝する」
    背中越しあまり表情が見えない

    10
    す「!」
    ガッと手首を握る
    す「!な、なあ、スマホもってるか?これもエン、てやつだしよぉ!
    す「LINK!交換しようぜ」少し頬染め
    げ「…」

    11
    げ「おう、そうだな」
    朱雀嬉しそうな表情
    引きで縦割りコマ、交換するシーン
    「今度今日の礼、させてくれ」
    「そんな礼とか良いって!」
    手元に登録した画面

    そうして、出会ったその日
    オレたちは「ダチ」になった

    12
    学校の外観 横長
    リンク画面
    ポン
    「学校おわった ひまならあおうぜ」

    ふっと嬉しそうな玄武
    返事を打つ手元を映す
    「おう、じゃあこの間の公園で待ってる」

    「2組ーお別れ会の打ち合わせするから集まってー」
    クラスの生徒が声をあげる ザワザワした教室

    13
    ガタッと立ち上がる玄武
    ビクッとするクラスメイト
    ガラッとドアをあけ出て行く
    ぱたりとしまるドア

    「黒野くん、声かけないでいいのかな」
    「いや〜いいだろ、俺らに興味なさそうだし」
    「ワケアリ、でこんな時期に転校して来られてもなぁ」
    「そうそう、こえーしさ」
    ワイワイ勝手なことを言うクラスメイト

    14
    公園
    梅の花が咲いている
    本を読んでいる玄武
    「おーい玄武ー!」
    手を振ってかけてくる朱雀
    差し入れに肉まんの袋を持ってるアップ
    ベンチに腰掛けるふたり

    15
    す「へー…じゃあ、最近越してきたのか」
    肉まんをむしゃる
    げ「ああ、地元でいろいろあってな」
    す「いろいろ…」
    げ「まあ、今の施設は3月に卒業したら出る話になってるからな 仮の住まいって感じだ」
    す「出る?出てどうすんだ」
    げ「一人暮らしするつもりだぜ」
    ぶちぬきで 少し誇らしげに

    16
    す「一人暮らし?!まじか」
    げ「ああ」
    げ「まあ、若すぎるって大人たちにはいい顔はされなかったけどな もう決めてんだ」
    す「あーじゃあ一人暮らしして、高校行くのか?」
    げ「…いや、高校は行かねえよ 働く」
    目を閉じる

    17
    す「…もう働くのか!?」
    バサバサと鳥が飛び立つ
    げ「親もいねえからな 早く一人前になりてえんだ  一人前になって、自分の力で生きてけるようになりてえ」
    す「でもよぉ、玄武は、勉強得意なんだろ?さっきも難しい本読んでたし」
    「学ぶのは好きだぜ。でも四字熟語、その気がありゃ勉強は自分で出来るさ」

    18
    「…すげえ」口元がふるえる
    「すげえよ玄武!めちゃくちゃかっけえ!さすがオレの見込んだ男だぜ!」
    「オレ、応援するぜ!」
    キラキラした表情
    「…」感動されて驚いた表情

    19
    「…おう、ありがとよ」
    目を細めて笑う

    朱雀に話したのは、半分は本当で、半分は嘘だ
    「…ただいま」
    早く独り立ちしてえってのは本音だ
    暗い部屋に入る

    20
    でも、京都じゃ進学するつもりでいた
    あの一件と引越しで白紙になっただけだ
    山下太郎の思い出し
    暗い表情 暗い部屋


    厄介者を押し付けられた、こっちの大人や教師からの進学はどうするんだという問いを、俺はつっぱねた
    今思えば、自棄になってたのかもしれねえ
    二次募集の紙を破く 散らばる破片

    21
    (オレ、玄武のこと応援するぜ!)
    「…応援、か。」口元
    「そうだ朱雀も肯定してくれた」
    「この選択は、間違ってねえはずだ」
    広げるた手を見る
    拳を握る 煽りと表情

    俺は立派に一人で生きていけると証明してみせる


    22
    3月---
    蕾の木々 空
    校舎 卒業式の看板

    別れを惜しむ生徒たち
    それを遠くから見ている玄武
    何も言わず背を向けて去る
    余白とって 背中を映す引き

    23
    空白

    24
    「黒野ぉ!いつまでかかってんだ!そのペースじゃ終わらねぇぞ!」
    「…はい!」
    引っ越しのバイト
    箱を運ぶ玄武
    ラーメン屋の外観
    「すいません、遅くなりました」
    走って駆け込む玄武
    「今中回ってないから早くヘルプ入ってー」
    昼は引っ越し 夕方から飲食店

    25
    ラーメン屋ではたらく姿
    この歳で雇ってもらえるだけでも御の字

    通帳
    自立の支援金なんて、住む場所と生活に必要なもの揃えたら
    すぐになくなっちまった
    働き始めた以上 両親の残してくれたお金には手をつけたくねえ
    世話になった施設に恩を返すためにも少しは貯金もしたい


    26
    夜道を歩く足元
    髪おりてる
    (夜はまかない出してもらえるのはありがてえな)
    (明日は昼がねぇから、選択と掃除して弁当の仕込みして—)
    スケジュールアプリ見てる
    (大丈夫だ、毎日うまくやれてる)
    (一人で、ちゃんと———)

    27
    LINK画面 天井
    悪いな、時間あわなくてよ
    シフト空く日できたら、俺からまた連絡するぜ
    「はぁ…」

    「最近ぜんっぜん玄武に会えてねえ…」
    ベッドで大の字 ぼふっと

    天井をあおぐアップ
    玄武が中学卒業してから2回会った
    やっぱり楽しかった
    一人暮らしはじめた家の場所も教えてもらった
    でも、なんか最近段々LINKの返事も来なくなって

    28
    起き上がり頭をかく
    「頑張って働いてんのに、暇なオレが邪魔すんのもなぁ…」
    「でも」
    焦った表情
    歳も 住んでるとこも違う
    オレはまだ中防で、玄武は働いてて
    つながってんのは結局LINKくらいで
    玄武からしたらオレに構ってられねえのかもしれねえ
    投げ出されたスマホとシーツを握る手

    もしかして、このまま会わなくなるのか…?


    29
    真っ暗 ベタ
    スペースとる

    コチ…コチ…と時計の音
    畳に倒れてる玄武

    30
    「ん…」
    目を開く
    「しまった……夕方帰ってきてそのまま寝ちまってたのか…」
    起き上がって頭をかく
    時計を見る
    「10時…」
    くそ…飯作ろうとおもったのに…

    31
    テーブルに置かれた図書館の本
    口元 シルエット 汗
    「最近忙しさにかまけて家事も手抜きになってきてるし
    図書館で借りてきた本も途中から読めてねえ」
    たたみの上で拳を握る
    「だめだ もっとしっかりしねえと…」

    膝に頭を乗せ頭をかかえる
    でも なんでだ
    体が思うように動かねえ

    32
    「息が 苦しい」
    沈み込む玄武
    黒ベタ
    ブーッブーーッ(バイブ音)
    目アップ
    「電話?こんな時間に?店長か…?」
    トートバッグに入れっぱなしのカバンを引き寄せる
    スマホを見て少し驚く
    「あ…」
    朱雀くんからの着信
    「朱雀…?」

    33
    横顔 着信に出る
    「…もしもし?」
    「…!玄武!」
    ここはそれぞれ映す
    「遅くにわりぃ、今大丈夫か?」
    「ああ、今日夜バイトなくなったんだ」
    「…って、予定空いたんだ、連絡すりゃ良かったな LINKの返事、してなくて悪い」
    「いいって!忙しかったんだろ!」
    「……」

    34
    「…玄武、疲れてるか?」
    大きめコマ はっとした表情
    「…そんなひでえ声してるか?寝落ちしてたからな」
    「…そういうわけじゃねえけど、なんとなく」
    「……」それぞれ表情映す

    35
    「そうだな 正直ちょっと、疲れてた」口元映す
    「デカいこと言ってたのに、数ヶ月で、ダセえな」
    「んなことねえよ!」
    「ただ、心配、だったから」
    スマホを握る手に力が入る
    「…無理、すんなよ。オレでよけりゃいつでもかけつけるから」
    大きめ決めコマ

    36
    とくん、とくんと鼓動
    アゴから胸元映す
    不思議なもんだ
    朱雀の声が胸んなかにひろがって
    じんわりあったかくなって
    (胸元をつかむ)
    さっきまでの息苦しさは
    どこかにいっちまった
    「…おう、ありがとよ」

    37
    その日 再び眠って見た夢は
    朱雀と一緒にどこかの学校に通ってる夢だった
    当たり前にみてえに隣にいて
    あたたかくて 眩しくて

    38
    朱雀くんの笑顔 拳を差し出してくる
    目が冷めたとき、また少し 息が苦しくなった
    目を隠す描写

    39
    朱雀くんの中学
    先生
    「進路希望調査、今週中に出すように」
    「進路、かぁ…」
    「勉強…苦手だしな〜〜どーすっかな」
    思い出し
    「一人立ちしたいんだ 誰にも頼らないで」
    気づいた表情
    「…そうだ」

    40
    朱雀くんの家
    父「あぁ?!高校行かねえだあ?!?!」
    す「ああ、行かねえ」
    向かい合う表情
    「はは、じゃあやっぱうちの団体に入門する気になったか」俯瞰 ソファー
    「それもねえよ!言っただろ、プロレスラーにはならねえって!」

    41
    胸ぐらをつかむ親父
    「じゃあなんだ、レスラーにはなりたくねえ、高校も行きたくねえ、卒業してお前は何がやりてえってんだ やりてえことあんのか」
    真剣な親父の怒り顔
    引きコマとアップいれる
    「やりたいことは!」振りはらう
    「ホントの悪いやつをこらしめて、悪事やめさせることだよ!」

    42
    「それに1コ上のダチが…卒業して、もうちゃんと働いてんだ。一人暮らしもしててよ」
    両親を並びでうつす
    「すげえかっこよくてよ…オレも、ああなりてえって思ったんだ、だから」
    (顔をあげて焦ったように話す)
    バキィッ! 殴られる
    倒れ込む朱雀
    「ってえな!何すんだよ」

    43
    「バカかてめぇは!」怒鳴る父
    「そんなガキみてえな夢物語と、ツレとおんなじがいいとか、そんな甘ったれた気持ちで働けるほど世の中甘くねえんだよ! 」
    「う、うるせえ!親父に何がわか…」
    母「あーもうやめやめ」俯瞰 鎮める母
    「朱雀。あたしも父ちゃんと同意見だね」

    44

    「そのダチって、最近話してる玄武、って子でしょ?アンタ、その子のこと、どれくらい知ってるの?」
    す「それは…」
    母「その子は本当に、何の不安もなく一人で生きていけてるの?」
    縦割り セリフ目立たせる ベタ

    45
    正直、疲れてた
    の声を思い出す朱雀
    「…とにかく、悪いことは言わないから 高校だけは出ときな」

    46
    河川敷
    「どうしたんだその怪我。喧嘩か」朱雀アップ 頬に湿布
    「…進路のことで親ともめてよぉ、親父に殴られた」
    「…そりゃ大変だったな」
    正面から引き
    「…結局高校だけは出とけって言われたんだけどよぉ」
    「そうだな、それは俺も親父さんたちに賛成だ」
    「玄武は行ってねえのに?」

    47
    「お前んちはそうやって心配してくれる両親揃ってるだろ」
    「…」

    「それに俺も、もともとは高校進学するつもりだったしな」
    「え?!それ初耳だぜ?!」俯瞰

    「こっちに来る前…京都での話だ」
    「短い間にいろいろあってな…状況や考えが変わっちまったのさ」

    48
    「俺みてえな育ちや事情でもないなら…客観的に見て、高校は行った方がいいと思う」
    「ま、俺に言われても説得力ねぇかもしれねえが」
    「……玄武」

    アラーム音
    「っと、時間だ バイト行ってくる」お尻の土を払う
    「おう!頑張ってな!」
    振り向き
    「お前も進路希望だすの、頑張れよ」

    49
    「あーあ…」
    座り込んで
    進路希望の紙を持つ朱雀
    「希望…」「やりたいこと…」
    「高校行ったとして———」


    50
    本屋
    高校受験コーナーの前
    「うーーーん…」
    「だっめだ、とりあえず本屋に来てみたけどぜんぜんピンと来ねえ…そもそも勉強はしたくねえし…」
    頭をかかえる朱雀
    苦手だけど… もし 玄武と一緒だったら…
    「あの〜」声をかけてくる人
    「あん?」反射的にメンチを切る

    51
    びくっ!と驚く後ろ姿
    声をかけてきた主はアイドルになる前の次郎ちゃん
    「あー…いや、本選ぶの随分困ってたみたいだから、声かけたんだけど」
    (他の学生が怖がってたし)
    「お、おお?」
    「俺、これでも高校教師やってるから、アドバイスできると思うよ〜」
    「アンタ、センコーなのか?!」
    「先公…」

    52
    「それで、どんな本探してるの?ここにいるってことは受験用だよね?」
    「あーいや、何が欲しいのかとかもさっぱりわかんなくてよぉ」
    「あ、その段階」
    「…なぁ、セ、センセーなら、高校のこと、詳しいよな?ちょっと聞きてえことあるんだけど、いいか?」
    驚いた顔の次郎ちゃん

    エレベーター横のベンチに座るふたり
    「中学卒業して、1年働いてたら?」
    「ああ、もう高校って行けねえのか?」

    53
    「そんなことないよ」
    「中学校を卒業してさえいればいつでも受験資格はあるし、年齢制限もないから、来年受けることは可能だ」
    「そうなのか!」
    「働きながらだと、どうしても夜間や通信えらぶ人が多いけどね。全日制…一般の高校も受けられるよ」
    「その、働いてるお友達?どんな事情があるのかは知らないけど、学びたいならいつでも俺たちは、学舎は君たちを歓迎しますよ」
    聴き入る朱雀

    54
    「なーんて、うちの先輩みたいな熱いこと言っちゃった」
    「そっか!ありがとな、せんせー!教えてくれて助かったぜ!」
    …今からでも
    手を振り去る朱雀「ありがとなー!」
    「見た目はイカついけど、話したらまあ素直な子だったな」
    手を振る

    55
    走る朱雀
    「もしかしたら」
    「オレが一人でそう思ってるだけかもしんねーけど」
    逆光
    「でも ——」
    放射線で勢いつける


    56

    アバートに自転車をとめる玄武
    今日は朱雀に久々に会えて良かったな
    回想
    「黒野、今日やけに元気だな」
    …とか言われちまったし
    階段に近づく玄武の脚 目をひらく「え」

    57
    「朱雀…?!」
    座り込んでいる朱雀に気づく
    「玄武!おかえり!」笑顔
    「おかえりってお前…戻ってきてこの時間まで待ってたのか?」
    「わりぃ、迷惑だと思ったんだけどよ」
    「どうしても、今日直接言いてえことがあって」

    58
    「…玄武」
    拳を握る
    縦割り
    「オレと一緒に 高校いかねえか」


    59
    高、校…?

    「教えてもらったんだ、センセーに!卒業して働いてても、受験できるって!」
    「オレ、夢は、あるんだけどよ どうすりゃいいかとかはっきり見えなくて
    ただ、お前と お前と一緒の学校いって 飯くって 勉強して 一緒に帰って」
    そういう毎日送れたら、最高だなって

    60
    「そういうのがいい、って思ったんだ」
    「玄武にも事情とか、夢とか、あるのはわかってんだけどよ」
    「オレはそう思ってるって どうしても今言いたくて 言わなきゃずっと後悔しそうでよ」
    「……」
    「って、わりぃな」
    「急に言われても困るよな」
    「…いや」どさっと荷物が落ちる

    61
    「行きてえ」
    「俺も…っ」声が震える

    「お前と 高校行きてえ」

    しぼりだした声、涙があふれる玄武

    「玄武…」

    62
    「夢に見たことあるんだ お前と一緒に学校いくの」
    「夢ん中で ずっと一緒でよ すげえ楽しくて」
    「でも現実は、そんなの無理だ、一旦違う道選んだんだから もう遅いって」
    やぶいた書類の回想
    めがねをはずして溢れる涙を拭う

    「玄武-----」

    63
    「遅くなんかねえよ」
    首元を抱き寄せる
    「親切なセンセーも言ってたぜ」
    「マナビヤは、いつでも歓迎するってよ」「だから」

    64
    「一緒にいこうぜ」

    65
    「……………」
    「えっと…顔が怖いぜ玄武」
    朱雀の成績表を見る玄武
    「勉強苦手だとは聞いていたがここまでとは…」
    「うう…」
    「…お前が言い出したんだ、みっちりしごいてやるぜ」
    「お、おう!がんばるぜ!」

    66
    「そういや、バイト、辞めちまって金は大丈夫なのか?」
    「ああ、まあ入学まで、社会勉強兼ねて昼のバイトは続けるしな 問題ねえ」
    「それに…肩肘張ってたけどよ 今は、今だけは 両親に甘えようと思う」
    引き出しの中の通帳映す

    67
    セリフなし
    冬になっても勉強している絵
    模試が全国1位の絵
    二人で寝落ちしてる絵

    68
    空広く
    桜のつぼみ
    「よかっっったぜ〜合格しててっ」あるきながら泣いてる
    「はは…まあお前の合否に関しちゃ俺も心配だったからな、ほっとしたぜ」

    69
    「ほっとして暗記したの全部忘れたぜ…」
    「おい…」
    並んであるく二人

    足を止める玄武
    「どうかしたか玄武?」

    「いや、いつもここの梅の花が綺麗でよ」
    「でも、もう梅の季節は終わりみてぇだな」

    70
    「へえ〜気づかなかったぜ、見ときゃよかった」
    「でもよ、もうすぐサクラが咲くよな!」
    朱雀が振り返り楽しそうに

    玄武の口元笑む 感慨深そうに
    「そうか、次は桜の季節か」

    71
    「朱雀」
    後ろから声をかける
    「ありがとな」
    驚いた表情

    「んだよ、改まって」
    笑う
    「俺だって玄武のおかげで合格できたんだし」
    「それに」
    近づく足元

    72
    「これからだろ」
    拳を差し出す
    「———ああ、そうだな」

    73
    「よろしくな、相棒」
    拳を交わす



    74
    タイトルの解説

    75
    あとがき

    76






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    DONE成立してる315時空の朱玄
    聖ヴァレンティヌスの祝福 朱雀は憂鬱な気持ちで眼を開ける。静まった二月の朝はキンと冷えていて本当なら気持ちの良い目覚めのはずだ。布団の中にしまいこんでいた手を出すと寒さに肌が総毛立つ。この澄んだ温度の中でする筋トレが朱雀は好きだった。だが今日は話は別だ。待ち構えるものを考えるほどベッドから降りるのが億劫で寝返りを打つと足が掛け布団から飛び出したので、慌てて膝を曲げて温もりの中にしまい込む。蹴り溜めた毛布が足首に絡んでその中にいたらしいにゃこが抗議の声を上げる。朱雀は情けない気持ちになって、枕元に置いた携帯に手を伸ばす。
     二月十四日。バレンタインデー。少し前までは自分と無縁だったイベントは今や恐怖の対象だ。事務所にはすでにダンボール数箱ものチョコレートが届いている。先月末のサイン会でもたくさんの可愛らしい紙袋を差し入れてもらった。プロデューサーからはチョコレートは校外では絶対に受け取るなと釘を刺されているが、英雄や誠司に道で急に女にチョコを突きつけられる恐ろしさを滔々と語られた後ではあまり意味がない。少し前には冬馬からデビューすると高校ですら大変な目にあうのだと脅された。ガチ恋と呼びなされる女たちの良識に期待するなと真顔で言う彼の顔は間違いなく歴戦の勇士のそれだった。だから朱雀は昨日の夜起きたら十五日になっているように祈ったのだが、残念ながらそんな幸運には恵まれなかった。
    4723