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    abc_k6

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    ショタラグが不思議ぢからで大人になってアイドルっぽいことをする話そのまま

    小さいディランザがひらがなで喋るのが地雷な人は閲覧不可です

    ショタラグが不思議ぢからで大人になってアイドルっぽいことをする話.


    「この世界はすべて闇に飲まれる!そうすれば!私の愛しいエリィは何処へだって行ける!!」


    ***

    6年生1学期最後の登校をすませた帰り道。
    グエルと異母弟のラウダは二人揃って公園に寄り道をしていた。なんでも、公園の木に珍しいカブトムシがいると小学校で話題になっていたのだ。みたことのない赤いカブトムシと緑のカブトムシ。「もし見つけたら、有名人になれるかも!」なんてクラスのお調子者が言って、学校で先生よりも物知りなエラン・ケレスが「そんなのがこの辺に自然にいるわけ無いよ。大方飼っていた虫が逃げたか、悪戯でペイントされたか、そもそも見間違い」とバッサリ切り捨ててこの話題は終わっていた。
    しかし、一度芽生えた好奇心はそう簡単に無かったことには出来ず、兄弟揃ってのこのこと公園にやってきたのだ。

    「ん~、やっぱり日が暮れないと出てこないかぁ」
    「いないねえ兄さん」

    ラウダはのんびりと返事をする。別にカブトムシがいようがいまいが関係なかった。大好きな兄と一緒に遊べるのなら、口実は何でも良い。ただ、兄がよく笑ってくれるならそちらを選ぶだけ。

    「なあラウダ!あの奥の木、揺らせばカブトムシ落ちてくるかも!」

    茂みをかき分け、二人で協力して大きな木を揺らす。大人ならば足で蹴って揺らすところだが二人はまだ幼く、木を揺らす程のちからは無い。
    数秒揺らしていると、ぽてぽてと何かカラフルなものが上から落ちてきた。噂のカブトムシと色は似ているものの、どうも形状がカブトムシというより二足歩行のロボットのような姿をしていた。

    『うわ~ねてたのに!』
    『ゆるされざるしょぎょう!』

    子供の低音のような大人の高音のような独特な音声で、ソレらは兄弟に猛抗議してきた。

    「な、なんだお前たち!」

    グエルはラウダを背に庇いながら問いかける。

    『わたしたちは、つよくてかっこいいようせい。でぃらんざだ。おぼえておけ!』

    頭に白い羽根をつけたマゼンタ色のでぃらんざは言う。隣でエメラルド色のでぃらんざはうんうんと頷いている。

    「ようせい?」
    『いぐざくとりー。わたしたちは、せかいをまもるしめいがある。ひとたびのきゅうそくをじゃましたおまえたち、せきにんをとってもらうぞ!』
    「責任って言ったって……」
    「……兄さん、逃げよう?」

    ぎゅっとグエルの服の裾を掴んだラウダが小声で囁く。視線をやると不安げに揺れる琥珀色と目が合う。

    「悪かった、もうここへは来ないから許してくれ」
    『いや。そうはいかない。わたしたちのことばがわかるにんげんはきちょうだ。そしつがある。ともにせかいをまもるのだ』
    『そうだ、せかいをまもるのだ。ちょうど、てきがちかくにいる。あれをたおしてもらうぞ』
    「待っ…!」

    ──ピカッ!とでぃらんざ2人?2機?が光る。
    グエルとラウダは光から互いを守るように正面からギュッと抱きしめ合った。
    ~♪
    どこからか聞こえてくる軽快な音楽とともに、謎の白い空間に二人は放り出される。強く抱きしめ合っていたのに腕は解け、着ていた服は何処かへ消え失せ、全裸(何故か首から下がまばゆく発光してよくみえない)で宙に浮いている。

    マゼンタのでぃらんざがグエルのまわりを一周すると、グエルの身体は燃えるような熱を帯びて手や足がぐんぐんと成長していく。エメラルドのディランザも同様にラウダのまわりを一周すれば、ラウダの身体にビリビリと電流が走りすらりと手足が伸びて行く。

    「え?わ?なんだ?!」
    「兄さん!!」

    あまりの展開に二人はついていけず、互いに向けて手を伸ばす。
    自身の様子はわからないが、兄は弟、弟は兄の変貌に目を見開く。
    身体が成長しきった後、足元から強風が吹き荒れて謎のきらきらとした発光が全身を包み込む。その発光が落ち着くと、謎全裸からおとぎ話の王子様のような衣服を身に纏っていた。グエルは赤色の衣装、ラウダは青の衣装で対になっているようだった。
    いつの間にか軽快な音楽は鳴り止み、景色はいつもの公園へ戻っていた。ただ、兄弟の姿かたちが違っているだけ。

    「何が起きた!?」
    『ちょっとふくをあれこれして、10ねんごのにくたいにしただけだ』
    「勝手に成長させるな!!服を返せ!!」
    『てきをたおせばもとにもどる。ごあんしんめされよ』

    グエルは問いただそうとマゼンタのでぃらんざを大きくなった両手で掴み、ぶんぶん上下に振る。

    『~やめて~~』
    「敵ってなんだよ!俺が悪いんだからラウダは元に戻せよ!ラウダに危険なことさせるつもりなら許さないからな!!」

    ラウダは大きく成長した自身よりも更にたくましく成長したグエルの姿にバチボコ見惚れていた。兄さん、10年後あんなにセクシーな大人になっちゃうんだ……。僕が守らないと悪いやつに食べられちゃう、と心の中でつぶやいた。
    わちゃわちゃと小競り合いをしていると遠くに悲鳴が上がったのが聞こえた。

    『てきしゅー!いそげ!』

    マゼンタのでぃらんざが声をかけると、グエルとラウダの意思に反して勝手に身体が声のした方へ走り出していた。

    「な?なんで?身体が勝手に!」
    『とうぜんだ、わたしたちのちからでへんしんしたのだから』
    「そんなのってアリかよ!!」
    「兄さんここは一旦言うことを聞こう。お前たち、敵を倒すってどうやるんだ?!』
    『かんたんだ。うたって、おどれ』
    「「は?」」
    『たのしいとかうれしいとか、そういうきもちがあいつらをたおす』
    「斧とか魔法とか必殺技とか」
    『ない!うたって!おどれ!!』
    「折角成長したんだから殴ったほうが強くないか、なあ兄さん」
    「う、うーん……でも敵がどんなやつかわからないし」
    『うたって!!!!おどれ!!!!』

    公園から出た人通りの多い道路に、全身灰色のスーツを着たいい年した男たち数名が歌って踊っていた。まさかアレが敵なのか?かなりシュールな光景に絶句する。それだけなら警察に通報して終わりだろうが、なぜだかその周囲に倒れ込み、泣き崩れる多くの人々。大人も子供も、この世の終わりと言わんばかりに泣いている。
    彼らが踊っている曲のテンポは遅く、全体的に暗い印象で、何より聞き取れる歌詞が「失意の底」だの「誰もオマエを愛さない」だの酷い内容となっている。遅れてきた反抗期のようなフレーズに、幼い兄弟(見た目は成人男性)は共感性羞恥を覚えた。

    『たいへんだ!こわいうたをきいて、ぜつぼうしている』
    「どうなってるんだ?歌であんなになるか?う~~…俺頭が痛くなってきたぞ」
    「兄さん、深く考えちゃだめだ。怪音波が出てるんだよきっと」
    「なるほど…」
    『あいてはがんゔぉるゔぁ……りょうさんのがんだむ……かてる。がんばれ』

    でぃらんざ2人?2機?がいつのまにかチアポンポンを両手に持ち、ふさふさと振って応援していた。

    「無責任なやつらだ。しかし、歌とダンスなんて授業でしかやらないしな…どうする?ラウダ」
    「珍妙な力がまだあるんじゃないのかお前たち」
    『さっしがいいな』

    エメラルドのでぃらんざが『みゅーじっくすたーと!』と声をかけると空の彼方がキラリと光り、デカめのマイクが2本回転しながら飛んでくる。一本はグエルへ、もう一本はラウダの元へ。二人がそのマイクを握ると空気が弾ける音が辺りに響き、スピーカーも無いのに大音量で子供向けアニメのOPみたいな明るいメロディーが流れはじめた。
    その曲に合わせて二人の頭の中に、知らん曲の知らん歌詞知らん踊りに関する知識がさも当然のように降って湧いてくる。

    ~~♪

    「ラウダ!!良くわからんが、踊れる!!」

    グエルは肩から縫い付けらたマントを翻しながら、リズムにのってしっかり踊っている。時々腹チラする鍛えられた腹筋が目に入り、まばゆい。

    「ふぁ…、兄しゃんカッコい…Ah~♪」

    兄の素晴らしさに脳をやられたラウダは歌とダンスを放棄しかけていたが、でぃらんざの不思議ぢからにより強制的に歌わされた。

    『つよめのじがは、しゅうせい』
    『まけるな~』

    絶望し泣いていた人々はいつの間にか顔をあげて、二人のプリンスのパフォーマンス(※グエルとラウダ)に夢中になっていた。涙は乾き、目の奥には熱いハートが宿っている。
    がんゔぉるゔぁと呼ばれた敵集団も負けじと歌声を大きくするも、人々は目もくれず兄弟に黄色い歓声をあげていた。

    『ふぁんさたーーーーーいむ!』

    ~~~♪

    間奏に入るとでぃらんざが叫ぶ。人々の頭の上に、にいろんな文字が浮かんできた。どういうシステムなんだそれは。【手を振って】【こっち見て】【撃って】【ハグして】等様々な要求がそこかしこへ広がって行く。

    「うおお!やればいいんだろ!」
    「兄さん後で僕にファンサしてね!」

    手を振り、指で作った銃で打ち抜き、ハートを飛ばし、次々と要求に応えていく。途中ラウダの頭上に【兄さんキスして】と出ていたのをグエルは見なかったことにした。
    間奏が終わる頃には、人々は笑顔で立ち上がり泣いている人はひとりもいなかった。
    こちらが盛り上がれば盛り上がるほど、敵集団の音楽や歌声は小さくそしてダンスも鈍くなり、曲の終焉とともに最後は光の粒子に飲まれて消えてしまった。

    「ありがとう!ファンになったよ!」
    「大好き!お名前を教えてくださいませプリンス!」
    「あんなに苦しかったのに、いまはとってもハッピーな気分だ!」

    どっと人の波が押し寄せてきたので、グエルはラウダの腕を掴むと全速力で走って逃げた。

    「ま、また今度なーー!!」

    ***

    公園に戻ったときには変身はとけて元の小学生の姿に戻っていた。ちなみに服も戻った。公園のベンチに腰掛けて休憩を挟む。どうやらでぃらんざたち妖精は一部の人間にしか見えないらしく、通り過ぎる人は誰もこのロボットのような存在を気にしてはいなかった。

    「何だったんだ一体」

    グエルは先程の変身~変身解除までの流れを思い出して頭を抱えた。意味が分からなさすぎる。

    『あれは、がんだむ。わたしたちのせかいをほろびるすんぜんにみちびいた、わるいようせい』
    『まじょが、がんだむのふういんをといた。こわいうた、かなしいうたでこころをよわらせて、せかいからひかりをうばう』
    『せかいをやみにほうむることがまじょのもくてき。ひとのこころがやみにのまれたら、せかいはひかりをうしなう』
    『たおして、わたしたちのせかいをすくう』

    代わる代わるでぃらんざ達が説明してくれるが、グエルは全く理解出来なかった。難しい顔をしてその場の雰囲気で頷いただけ。そんなグエルのことを知ってか知らずか、ラウダが口を開く。

    「お前たち妖精の世界をあいつらがんだむが壊滅まで追い込んで、今は僕らの世界まで危ないということなんだね。そして僕らがさっきみたいなアイドル活動してファンを増やせば自動的に敵が倒せて、世界を守れる。そういうことだろ」
    「ラウダ?!今ので分かるのか?!」
    『いくざくとりー。のみこみはやいな、さすがじががつよいおとこ』

    兄弟の夏休みは地球と妖精の世界を守るためアイドル活動に費やされるのだった……。終わり。





    ★設定
    ・おひさまの光を浴びると死んでしまう魔女の娘、エリクト。
    そんな孤独な娘の為に世界を暗闇にしてしまおうとしているラスボス魔女。

    ・ラウダは兄のことが好き、ヤバい、感情が暴走しているのがじわじわバレている。小学6年生の兄も好きだし、10年後の姿の兄も好き。あと数年は我慢できるが、あと数年しか我慢ができない。

    ・グエルは愛とか恋とかまだわからない。生き物は全部に愛を注ぐ。

    ・でぃらんざたち。手のひらにのるほどちいさい。本気モードになると本編ディランザと同じサイズになる。


    なんだかんだでハッピーエンドだよ。
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