【FT】保護者面談 うら若き乙女の悲鳴と怒号が響き渡ったとある旅館の一角で、金色がきゅるりと渦巻いた。ぺたぺたと廊下を歩いていたグレイは、その中から現れた友人の姿に目を丸くして片手を上げる。
「よう、ロキじゃねえか。どうかしたか」
「やあグレイ。ルーシィを見なかったかい? この辺りに居たはずなんだけど」
「ルーシィ? さっきそっから温泉の方に走っていくのを見たぜ。大方またナツの野郎がなんかやらかしたんだろ、昨夜も相当な悪戯されたみてえだし」
いつものことだけどよ、と呆れ顔で言う彼にロキは礼を告げた。どうやら彼女とは入れ違いだったらしい。
ついでに目の前の肌色を直視しないよう、さりげなく廊下の奥に視線を逸らしながら口を開く。
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