宇宙旅行トランポリン行き 護衛の留守を狙われた。
杖を引っ掴む時間も与えられず、身一つで敵陣の真っ只中に拘束されてしまった。
「誰か手引きしたんだろうな…。ったく、面倒はごめんなのに。」
杖を構えた魔法使いたちに囲まれているが、全員格下らしくマホトーンの成功率は低い。しかも聖水をがぶ飲みしながら交代制で唱え続けているので、疲労が激しい。
「こんな奴ら雇うような奴ねぇ…。」
そこまでは緊張感を保てていたが、犯人がコロコロと登場した時点でオチが見えたハルピュイアは深いため息をついた。
「どーだ悪徳錬金じゅちゅちめ!」
「得意の魔法も封じられて手も足も出まい!」
店で働かせているプクリポ兄弟だ。
兄の名をちくわ、弟の名をまるてん……と勝手に命名した。本名はトップシークレットらしいので。
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