花が嫌いだ。我が持たぬうつくしさを持つ故。
女人が嫌いだ。我が持たぬ華をもつ故。
だというのにあの娘ときたら、懲りずに我に詣で花を供えおって。いくど岩を落とそうと思ったことか。
いっとう忌々しいのは、あの娘が花を供えるひと時が、時を経て悪くないものになっていったことだよ。あぁ、忌々しい。
花も華も我をほだし早晩に散る。儚い「はな」は、あぁ本当に迷惑なものだ。

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