うちよそで撃ち合わせてみた【※死ネタ】
【相棒以上恋人未満くらい?】
「困ったねェ」
物騒な代物を握りしめ、玖朗はいつもの笑みを張り付けたままに首を傾げた。
「それなりに人の死は見てきたし、まァ俺が殺しちゃったような人もいるから、あんまりそういうのに罪悪感はないんだけど。猫を積極的に殺したいとは……思わないかな」
けれど、銃口は目の前の少年に向けたままにした。なにせ、玖朗にも相手の銃口が向いたままなのだから。
「へぇ、そりゃ光栄」
風猫は肩をすくめる。それから玖朗へ向けている銃口といっしょに、緑色の瞳で玖朗をまっすぐに見据えた。
「アンタ、”生きてたい”奴だろ」
自分が生き残るためなら、俺を殺せるだろ。そう言われた気がした。
「ま、死にたくはないよね」
1927