ダメと言ってもきかなくて 【くくタカ】押し倒されて、しがみ付いてきた手が背中をのそのそと這いずるのを感じながら、タカ丸は悩む。
なんでこんなことになっているのだろうか?と。
自分にしがみついてキスを繰り返しているのは1つ年下のお隣さんだ。出会ったのはタカ丸が7歳で、6歳になったばかりの子供が隣にいると聞いた時には嬉しかった。引っ越してきました、と挨拶に行けば、顔を真っ赤にして「くくちへいすけです」と挨拶をしたのが思い出される。
それから10年、本当にいい友達だと思っていたのに。
そう思っていたのはタカ丸だけで、お隣さんはそうではなかったらしい。
気がつけば、手を握るのが当たり前になって、そばにぴったりとくっついているのが普通になった。お隣さんの家は両親が働いていて忙しい。だから寂しさをタカ丸にくっつくことで寂しくないようにしているものだとばかり思ったのに。
1729