欲望のままに欲が全くないわけではない
俺だって欲しいものはあるし、なにより悪魔なら己の力で欲しいものは手に入れる
俺は吸血鬼の身でありながら血を絶っている
血を飲めとよく言われるが約束を果たすまでは決して飲むことはないだろう
約束を果たすまでは..な..
俺としたことがつい先日おかしな罠にかかってしまいあることのコントロールがうまくできなくなってしまった
どうやらそれは数日放っておくだけで治るらしい
特に気にもせず普段通り過ごそうと思っていたがその考えは甘かった
ある人物が視界に入ると身体がゾワゾワッとした
頭の中が真っ白になり何も考えられなくなった
気づいた時には俺はベットの上にいた
どうやらあの後倒れたらしい
近くにいたプリニー達が運んでくれたようだ
一体何が起こったのかすぐにはわからなかったが
今俺の身体に起こっていることとある人物が視界に入ったことを考えると答えはすぐに見えた
さすがにまずいな...
数日放っておけば治るのならしばらくの間はおとなしくしておくべきか
フェンリッヒ達には体調不良と伝え数日の間休むことにした
その間、俺は眠るから誰にも部屋に入れさせるなと言い俺は部屋に籠ることにした
先程倒れた時から少し息が荒く熱があるのか身体は少し火照っていた
眠りにつこうと棺桶に入る手前でまた倒れてしまい俺はそのまま意識を失った
....さん..
..きゅうけつきさん...
吸血鬼さん...
んっ...
呼ばれた声で目が覚めた
目の前にはアルティナがいた
何故アルティナがここに
部屋には誰にも入れるなと言っ..
(っあ..だめだ...)
(お前を見ると..俺は...)
ぅ..ぁ...
吸血鬼さん大丈夫ですか
体調不良と聞いて様子を見に来たら倒れていたものだから..
んぁ.....ぁっ..
(よせ..やめろ...)
これ以上お前のそばにいると俺は..
ーお前を食べたくなってしまうー
あることのコントロールができなくなっている
それは【欲】のコントロールだった
俺が血を飲まずにいられるのはイワシはもちろん
それと欲をコントロールできていたからだった
だが今の俺にはそれができない
そんな状態でアルティナを見たらどうなる?
欲しくて欲しくてたまらない
血だけじゃない
アルティナ..
全てが欲しい
飢えている
また頭の中が真っ白になっていく
っは..アルティナ...
頬に手を添え唇を重ねるとそのまま覆い被さり舌を絡めた
んぅっ んっ っ
欲望のままに
何度も何度も
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気がつくと俺は棺桶の中にいた
いつもの寝巻きを着て側にはイワシの抱き枕があった
身体はすっかり治っていた
休むと言って自室に戻ったとこまでは覚えているのだが寝巻きに着替えた覚えがない
そもそも棺桶に入ったことも覚えてない
相当重症だったんだな俺は..
変な罠にかかってしまったもんだ
もう少し気をつけなければな
フェンリッヒにいつもよく言われていることを思い出して少し反省した
その後
しばらくの間、何故かアルティナが目を合わせてくれなかった
なっ何故だ..
ーおしまいー