バレンタインのばへし※時空移動の捏造あり。モブ店員が出てきます。
長谷部と山姥切国広は、平成時代のとある年、2月の初旬のとある街にいた。そこは駅に直結した商業施設で、地下1階のバレンタインフェアは女性が通路を埋め尽くしていた。そこでは臨時にチョコレートの販売ブースが並び、店員が自店舗のチョコレートを購入してもらうべく小さく切ったチョコレートを手当たり次第に配布していた。
そこにダークグレーのピンストライプのスーツに紺のトレンチコートを羽織ったへし切長谷部と、戦装束の防具を取り払った姿の山姥切国広がいた。常に纏う布の代わりにパーカのフードを被ったその顔は人だかりを前に青ざめていた。
「おい、ここ、なんだよな……?」
「ああ、そうだ」
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