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    seyakatehirai

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    seyakatehirai

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    🔥🐤チャンと触手ネタです(事後報告)

    ウツハン♀要素は薄いし触手が触手してないです(注意書き)
    スケベ要素?ないよそんなの(白目)

    結局アレは何だったのかは分からずじまい今日の仕事を終え、帰宅後の自由時間を満喫するカムラの里の猛き炎。しゅこしゅこと彼女が楽しそうに水やりをしている様子を、オトモアイルー達とルームサービスは遠巻きから眺めていた。

    「だ、旦那さん、それ絶対普通の植物じゃないニャ」
    「えー?そうかなぁ?特に毒物含んでるわけでも無さそうだし、噛んだりもしてこないよ?それに見た目は毒毒しいけどイソギンチャクみたいで綺麗だと思うんだけどなぁ」

    うねうねと手と言えばいいのか根といえばいいのかすらもよくわからない強いて言えば触手だろか、そんなものを伸ばしている安直に植物と言い難い生命体。それは霧吹きで水を浴びながらもよくわからないものを器用に伸ばして彼女の言葉に深く頷く様に蠢いた。
    「ほら、この子もそうだって言ってる」
    「旦那さん、人語を理解してる時点でかなりヤバいと察してくれニャ」
    実に呑気な主人に対し、危機感で顔が強張るアイルー達。これは早くウツシ教官を呼んでこないと、と思ったその瞬間、家の扉が開き「なんか愛弟子が危ない事してる気配察したんだけど!?!?!?」と男は勢いよくやってくるのだった。

    「成程…水没林でツボカズラを採っていた時に偶然拾った種を植木鉢に植えてみたら、一日でこうなった、と」
    「は、はい…」
    「一日でこんな成長する植物なんてまずあり得ないよね??」
    座敷に上がり師弟は植物(?)を間に座り込む。すっかり怯えたアイルー達は皆ウツシの背の後ろへと隠れてしまっていた。彼女から状況を聞き、至極当たり前な師の言葉にビクリと体を跳ねさせ、「す、すいません…迂闊な行動ですよね…」としょぼんとしている愛弟子。そしてその頭をよしよしと撫でるのは師の手ではなく奇天烈な植物だった。うねうねと紫色の何かを伸ばしてさすさすと彼女の黒髪を優しく撫でる。そんな姿を師はじろりと見つめて、「よし、燃やすか」と植木鉢を掴んだのだった。

    「うわーん!まってくださーい!まだ何にも悪い事してないじゃないですかー!」
    「いいや!こいつは悪い事をするね!スケベな奴だ!俺には分かる!教官だからね!!」

    なんだか説得力のある様なない様な話をするにゃあとアイルー達がひそひそ話をする中、たたら場へと植物(?)を持って行こうとするウツシと彼を引き止めようと服に縋り付く愛弟子。そして植物(?)もタダではやられまいと必死にうねうねする何かを伸ばして抵抗してみせた。ぐい、とウツシの鼻を引っ張ったり、毛を引っ張ったり、とそれはまぁ器用に。挙句師が怯んで植物()から手を離した瞬間、愛弟子の胸元に飛び込み「アイツが酷いことするんだ」と触手の様な何かで主張してみせるあたり実にいい性格をしていそうである。
    「教官、お願いします…何かあったら私が責任持って処分しますからぁ…」
    普段滅多に見ない彼女からのおねだり。涙目からの上目遣いで強請られた師は、ぐ、と言葉を噛み殺し、「…何かあったらすぐに言いに来るんだよ」とだけ言葉を残して去って行ったのだった。


    そしてその日の夜
    (まぁ、あんな可愛い顔されたら来ちゃうよね)
    皆が寝静まった頃合いにひとりの男が忍び歩く。愛弟子の家の扉をそっと開き、簾が降りた寝室へと器用に音をを立てずに寄っていく。所謂夜這いを仕掛ける男。布団の中では寝息を立てる愛しい弟子が。あと数センチで手が届く。

    「ぎゃん!!!!」
    「ふぁ!?!?!?」

    里の諜報を一任される程の男からの気の抜けた悲鳴が上がった。師の右足に絡みついたのは掛け軸の前に金アイルーとコロコロガルクに挟まれて飾られていた植物()から伸びる紫色に光る触手。それにぐいと足を引っ張られ派手に転倒し、その際の悲鳴で愛弟子は布団から飛び起きたのだった。
    「はーーー!!コンニャロ!!まーーーじで燃やす!!!!」
    暗闇の中繰り広げられる死闘。器用にそこらに飾ってある金アイルーやコロコロガルクをひょいひょい投げる植物()に対してそれを弾いて植木鉢の方へと走る師。彼は相手は植物()所詮は根を張って動かない物だと考えた。そこへ向かって、めいいっぱいの蹴りを入れようとするも、植物は器用に触手を伸ばして植木鉢ごと移動してみせたのだった。突撃する男と空を切る蹴りは掛け軸に当たり、そのままグルンと回転し、ウツシは愛弟子と同じように驚きの表情のまま固まるフカシギと入れ替わってしまったのだった。
    「え!?!?………こ、これ、一体どういう状況だニャ????」
    「わたしも…よくわかんないです…」
    一人と一匹が戸惑う中、植物はパンパンと触手の埃を払った後、投げた物を元に戻していく。そして、愛弟子に布団を被せ直し、彼女の頭を軽く撫でて寝かしつけた。最後に自ら元の位置に戻っていったのだった。
    「…え?ワシは?」
    放置されたフカシギ。そして先程からずっと壁の後ろから声が聞こえるのだが、植物は器用に触手を伸ばして掛け軸の両端を固定してしまっていた。いつもならくるりと回せる仕掛けが回せなくなり、ただただ真っ暗な室内に放置されたフカシギ。よくわからない状況に板挟みにされ、「だからこれはどういう状況なんだニャ〜」と悲鳴をあげたのだった。


    次の日。
    「…なんか昨日より大きくなってないかニャ?」
    「気のせいじゃない?」
    「いやいや絶対気のせいじゃないニャそんなに植木鉢からはみ出るボディはしてなかったニャ」

    すくすくと育っていく植物()。触手はゲーミングカラーに輝き植木鉢に若干のヒビが入っていた。うねうねと蠢く触手の許容量は既に限界を超えているのだろう。それでも必死に植物だと取り繕う植物()は愛弟子から吹き付けられる水を自ら全身へと塗りたくる。そんな姿を恐ろしそうに愛弟子の背後に隠れて見守るアイルー達である。
    今朝は何故かフカシギが朝から室内の出てきていたり教官が掛け軸の裏から出てきたりと不思議な事が起きてばかりだなぁと呑気に言う愛弟子。昨晩の攻防戦を夢の出来事だと勘違いしたままの彼女に、師は師で『夜這いしようとして植物に妨害されてさっきまでそこに閉じ込められてた』と言う訳にも行かず。ハハハと誤魔化す様に笑う事しか出来なかった。植物がしっしっとジェスチャーしているのを黙って足蹴にする男。背後でまた争いが起こっているのに気付かないまま愛弟子はうんうんと頭を悩ませる。
    「ロンディーネさんかカゲロウさんにこの植物()について聞けたら良かったんだけど…二人とも今日はお出かけしてるからなぁ…」
    ロンディーネは定期便の行き来の為。カゲロウは仕入れの為。何かと困った事があった時に頼る人がよりによって二人とも不在。この植物()についての謎が深まるばかりのまま、とりあえず彼女は苦しそうな植物の寝床を替える事にした。
    これ以上のペースで大きくなるなら家の中に置けないなぁ、そう考えながら前よりふた周りほど大きな鉢植えに植物()を移し替える。(と言うよりかは植物が自ら寝床を変えるヤドカリの如く動いて行ったのだが)
    もさもさと長く伸縮性のある触手を限界まで大きく伸ばし、元の形へ戻る。まるで人間が寝起きの体を伸ばしている姿で、それが愛弟子にはなんとなしに面白く感じ、くすりと笑いが溢れた。
    「君が暮らしていくのに私のおうちは狭いかなぁ。やっぱり元の水没林に戻してきた方がいいかもしれないね、君は」
    植物()は彼女の頬を触手で触れ、するりとなぞる。随分と優しい手付きだった。またいやらしい手つきで愛弟子に触るなこいつと触手を振り払おうとする教官の手はいつの間にかやって来ていた里長に捕まり「仕事だ」とそのまま引きずられていった。


    その日の夜。
    夕方頃に急に入ってきた依頼のお陰で愛弟子が帰って来たのは日にちを跨ぐ頃。明日は少し遅めに起きようと思いながら自宅へと戻ると、虹色に瞬く植物はおらず、変えたばかりの大きな植木鉢だけがぽつんと残っていた。
    「…あれ?」
    何故だろう。何かの拍子で植木鉢が倒れてしまったのだろうか。それとも師が燃やしてしまったのか。いや、師は一日中里長に仕事頼まれて今も走りっぱなしだったのでそんな合間は無いはず、うんうんと考え込んでいると、ふと、家の外からチカチカと何か輝くように感じられた。
    外へ出て、光の元を探してみると、大きく星空が瞬く中、ゲーミングに輝く植物()が宙へと浮かぶ。呆然としたままの彼女に植物()は脳内へ直接語りかけて来る。
    【長らくお世話になりました。星に帰ります。この恩は、いずれお返ししますね】
    そのまま植物()は触手を器用に回してクルクルと自転し、高く高く飛び上がって、暗い闇夜に瞬く星に身を溶かしていったのだった。


    「あはははははははは!!ははははははは!!ゲホッ」
    日時はまた移り次の日へと変わる。荷をたくさん仕入れて来たカゲロウが普段の飄々とした性格から逸脱するほど笑い転げている。笑いすぎて時々咳き込み混じりになり、腹を押さえてその場に蹲り、バンバンと荷車を叩いている彼の姿を物珍しそうに眺める猛き炎。
    昨晩の出来事を事の顛末から話した結果、商人のツボに入ってしまい未だ呼吸困難に苦しんでいる。どうやら彼は例の植物について知らない様で、それならば、ロンディーネならどうだろう、と彼女は今度はオトモ広場へと歩いて行った。

    「なんと!!そんな不可思議な出来事があったのか!!いやぁ私も一度目に納めたかったなぁ、そんな植物があっただなんて…定期便の時期に被ってしまうとは、なんたる不運…」
    どうやらロンディーネもそんな植物については検討もつかなかった様で、目を爛々とさせ彼女の話題に食い付いていた。やれ見た目はどうだやら、どんな風に動いたやら、まるで寝物語の先が気になって仕方がない子供の様で。そんなロンディーネにせっつかれな体をぐわんぐわんと揺らされながらも辿々しく応えていく愛弟子。そんな時である。
    「おや、面白い話をしていますにゃ。そういえばわたくしが昨日仕入れた本の中に、似たような物語が出てきたと思うのですがにゃ」
    鎧を纏い絵筆を持ったアイルーがふと呟く。なんだと!?と振り向いたロンディーネは早速そのアイルーに本を探させる。出てきたのは、夜空の色に包まれた表紙の小さな本だった。
    「何何…?…星の…支配者だった…?規模が大きな話だな…おや、君の言ってた植物とやらはこの話かな?『種は稀にこの地にも降り注ぎ、大地に根付き、人智ではあり得ぬ光を纏う。植物とも、動物とも言い難い、宙(そら)の産み落とした物』…だそうだ」
    「…なんだか難しい話ですね」
    「宇宙から来ただなんて、ロマンあるお話ですニャ〜」
    「いずれは恩を返しにいくと言っていたそうだな!貴殿の元へ空から土産が降ってくるかもしれないな!その時は是非私にも見せてほしい!!楽しみにしているよ!!」
    冗談混じりでロンディーネは高らかに笑う。空からやってきたと言われる植物()、空へと帰ったあの子は今頃どの星空の近くで暮らしているのか、それとも見えないくらい遠い星に帰ってしまったのだろうか。愛弟子が青い空を眺めてもまるで答えは出てこなかった。


    また日時は変わり数日後。夜中に寝床ですやすやと眠る愛弟子に男の手が忍び混む。今度こそ、と触れる寸前。ドシンと鳴る爆音と揺れる大地。慌てて目を覚ます彼女は何故か自分の家にいた師を引き連れて家の外へと出てみると、大きな穴を作った地面の中心に、見覚えのある一本の触手がくるりと渦を巻いていた。その触手に触れると、巻いていた触手がピンと伸び、守られる様に包まれていたのは腕飾りに模した護石。
    七色に輝くその御守りは、マネキキズクやらに逢いやすくなったり、モンスターの攻撃が当たりにくくなったりと不思議な事がよく起こったそうだ。


    なお、ここからは余談なのだが、

    「……わしにこれで何か作れと?」

    護石を送りつける際の緩衝材代わりに使われていた触手を試しに加工屋に持って行ってみると、手練れの職人がまるでプリキュ◯にでも選ばれてしまったかの様な顔をしていたとかなんとか。シワシワの彼の手に触手は相変わらず名状し難き輝きを放っていた。
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