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    chienomaru

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    ※リヴァハン
    ※俺以外の奴と…のネタ
    ※モブハン (notモブリット)設定あり
    ※リヴァイ→→→→(←)ハンジくらい
    ※リヴァイのキャラが定まらない
    ※ハンジさんの描写が薄い(推しへの想いと筆力の乖離が激しかった結果)
    ※ひたすらリヴァイが不憫ですが、ハピエンのつもり
    ※低クオリティです。

    「今週末引越しなんだ。同棲する事になって…」


    今何と言った?
    お前は俺と二人で暮らすんじゃないのか?
    そのためにまた生まれて出会ったんじゃないのか…?

    ーーー


    俺は子供の頃から別の人生の記憶があった。小さな時はおぼろげだったが小学校高学年になるとそれがいわゆる前世というものだと理解し、そこからは鮮やかに記憶が蘇った。
    貧しい生活、大きな化け物を倒す日々、その後世界と対峙する中でも、ほんのささやかな安らぐ時間ももっていたこと。
    かなりショッキングな人生ではあるが、それでもその時代に生きたからそうしたんだろうと、どこか冷めた気持ちで捉えていた。今の平和な世界での人生の方を自分のものだと思えるくらいには現在の人生に根を下ろしていたのだ。

    そんな自分が記憶を持って生まれた理由として考えられるのは一つ。

    「いっそ二人でここで暮らそうか」

    静かな森で耳にした言葉。応えたくても応えられなかった。これを実現させる為だろうと確信していた。

    俺は当たり前のようにまたハンジに出会い、そして暮らすものだと思ってきた。なかなか見つけられずに不安になる事も時にはあったが、いつか必ず出会えるという根拠のない絶対的な自信があったのだ。なかなか楽観的な性格に生まれついたものだと思う。

    ハンジとは社会人になって取引先として出会った。ハンジは前世を全く覚えていなかった。ショックは受けたが、それでもいい、改めてまた関係を築ければと思った。前世と同じく性格は真逆でも波長の合う俺たちは、こいつの言う一番の仲良しとやらになったのだ。

    いつものように二人で飲んでいた時、今週末は予定があるというハンジに何気なく中身を聞いた時。発せられたのが冒頭の台詞だった。

    頭が殴られたような衝撃。
    息が苦しい。
    ハンジに心配そうに気遣われ、体調が悪いと言ってすぐに解散した。

    どうやって家に帰ったかも記憶がない。気づけばベッドにいた。

    なぜだ?
    なぜ俺以外のやつと暮らすんだ?
    二人で暮らそうかと言ったのはお前だろうが。
    俺は何の為にまた生まれたのか…
    頭の中はずっと同じ事しか考えられず、一睡もできなかった。

    それからの日々は世界が灰色になったようだった。何をしても無感動。ハンジと会うのも憚られ、ただ仕事して帰るだけの毎日。

    そんなことを繰り返していたある時、はたと思った。
    自分はなぜハンジと暮したかったのか?
    ただ前世に引っ張られ、決定事項としてインストールされるがままに動いていたのか?と。

    違う。
    目を輝かせて興奮気味に仕事の話をする時。アルコールのせいで緩んだ目元で見つめられた時。リヴァイの話を真剣に、楽しそうに聞いてくれる時。
    そんなハンジを見るときは、いつも目を合わせられないような、それでいてずっと見ていたい、見ていて欲しいと思うような気持ちが胸に押し寄せた。
    そして他の奴にそんな顔を見せないで欲しい、自分にだけ向けて欲しい。切実にそう思った。

    ハンジと会うまでは、ただ暮らす事しか考えていなかった。友人としてなのか、はたまた男女としてなのか。そんなことは考えもせず、とにかく暮らす、それしか頭になかったのだ。
    何故なら、前世では自分がハンジをどう見ていたのか、言葉で意味づけしていなかったから。暮らすという結果ばかりが心を占めていた。

    前世では隣にいるのが当たり前、離れる日がくるなんて頭にはあっても心で分かっていなかった、その感情が何なのかなんて名前をつけてなかった。そんな余裕なんてどこを向いてもなかった。
    だが今なら分かる。何故こんなに未練を残したのか。
    ハンジとの未来を想像したからだ。友人としてだけではなく、そこに男女の新しい関係も加えたかったのだ。

    前世では、ハンジは自分にとっては仲間で、光だった。そして気付かないまま女として見ていた。気付かないばかりに未練を残した。

    今世では、俺はハンジに恋をした。それに今気付けたのだ。前世と同じことは繰り返さない。



    それからはハンジとも以前の様に会うことにした。まだ結婚しているわけではない、諦めるのはまだ早い。

    そうして半年ほど経ったある日、飲んでいた時に何気なくハンジが呟いた。

    「リヴァイの住む街って住み心地どう?」
    「まぁ、悪くないが、なぜだ?」
    「えぇと…実は彼と別れてまた引っ越す事になったんだ。」

    今何と言った?

    「なぜだ…?」
    動揺を隠して聞く。

    「生活リズムが全然合わなくて、私は気にならなかったんだけど、彼の方はそうじゃなかったみたいでさ。仕事を変えるって言いだして。でも彼の仕事への愛着も知ってるし、そんなことで変えるのはダメだって言ったんだけど…そんなんじゃ結婚できないって。私結婚するつもりとかなかったから驚いちゃって…それでまぁ結局生活観が違うと難しいって事でね…
    彼はもう先に引っ越したからあとは私のタイミングで動こうかと。まぁ私が誰かと共同生活するなんて初めから無理があったんだよね。」

    ハンジは苦笑しながらそう話した。

    「分かった。週末俺の家に越してこい。」
    「………は?」
    「だから、俺の家に越してこい。部屋はある。」
    「え、何で?」
    「これは決定事項だ。前世から決まっている。」
    「は?あなた大丈夫?」
    「大丈夫だ、至って冷静だ。大体共同生活は向き不向きより相性だろ。俺は好きに過ごすしお前もそれで構わない。むしろそれがいい。」
    「はぁ…」
    「掃除は俺がする。料理はできる方がやればいいし各自用意でもいい。家は駅近でお前の職場にも1本だ。断る理由なんてないだろ」
    「いやいや、確かに魅力的だけど、それあなたのメリットないし」
    「だから決定事項であってメリットとかの話ではない。」
    「うーん、物凄く謎の展開だ…念のために聞くけど、ルームシェア的な事で合ってる?それとも男女として?」
    「どっちでもいい。お前次第だ。」
    「うわーなんだそれ。」
    「何か不満があるのか?」
    「いやないけどさ…」
    「じゃあ決まりだな。」
    「強引だな。しかも前世とかあなたらしくないし。いやまぁでも…いっか、楽しそうだしね!リヴァイとなら何とかなりそうな気がしてきたよ。うん、暮らそう!」

    眩しいほどの笑顔を向けられて心臓が跳ねる。告白もしてないから当たり前だが、回答をもらったわけではない。でも幸先は良い、そういう事にしよう。暮してしまえばあとは自分が頑張るだけだ。

    「早速今週末荷造りして引っ越しだ。最低限の整理だけはしとけよ。」
    「せっかちだなー」

    けらけらと楽しそうに「こんなに笑ったの久しぶりだ」と言うハンジ。
    分かってない。俺は全然せっかちじゃない。どれだけ待ったと思う。忍耐力の鬼と呼べ。

    軽く段取りを話してお開きとなった。今日は早く寝て明日から整理を頑張れと発破をかけて駅で別れる。

    最寄駅から一人で歩く帰り道、見上げると都会でもいくつかの星が瞬いていた。星を眺めるのなんていつぶりだろう。
    目に映る世界がまた鮮やかに輝きだした。
    これをもっと輝かせられるように。ハンジとずっとともにあれるように。今世こそは未練を残さないと堅く前世の自分に誓った。
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    chienomaru

    MOURNING※リヴァハン
    ※俺以外の奴と…のネタ
    ※モブハン (notモブリット)設定あり
    ※リヴァイ→→→→(←)ハンジくらい
    ※リヴァイのキャラが定まらない
    ※ハンジさんの描写が薄い(推しへの想いと筆力の乖離が激しかった結果)
    ※ひたすらリヴァイが不憫ですが、ハピエンのつもり
    ※低クオリティです。
    「今週末引越しなんだ。同棲する事になって…」


    今何と言った?
    お前は俺と二人で暮らすんじゃないのか?
    そのためにまた生まれて出会ったんじゃないのか…?

    ーーー


    俺は子供の頃から別の人生の記憶があった。小さな時はおぼろげだったが小学校高学年になるとそれがいわゆる前世というものだと理解し、そこからは鮮やかに記憶が蘇った。
    貧しい生活、大きな化け物を倒す日々、その後世界と対峙する中でも、ほんのささやかな安らぐ時間ももっていたこと。
    かなりショッキングな人生ではあるが、それでもその時代に生きたからそうしたんだろうと、どこか冷めた気持ちで捉えていた。今の平和な世界での人生の方を自分のものだと思えるくらいには現在の人生に根を下ろしていたのだ。

    そんな自分が記憶を持って生まれた理由として考えられるのは一つ。

    「いっそ二人でここで暮らそうか」

    静かな森で耳にした言葉。応えたくても応えられなかった。これを実現させる為だろうと確信していた。

    俺は当たり前のようにまたハンジに出会い、そして暮らすものだと思ってきた。なかなか見つけられずに不安になる事も時にはあったが、いつか必ず出会えるという 2944

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