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    DMDMGN210

    @DMDMGN210

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    DMDMGN210

    MOURNINGキャプションは一個前のやつ読んでください。本当はこのあとに本題が来る予定だった。本題も書ければ書きたいね。*****

     彼は、ログハウスの屋根裏で目を覚ます。数十年繰り返してきた平凡な朝。窓から差し込む陽光で自然に目を覚ますような非常に健康的な目覚め。それとは裏腹にベッドのうえは読み止しの本や寝ぼけまなこで記した乱雑なメモが散乱している。
     窓を開け放って、家の正面にある湖畔を見やる。霧が出ていたのか空気はひんやりと湿り、寝起きの肌に心地よかった。数分そうして窓の外を見た後で、彼は窓を閉める。寝間着をベッドの上に放って、クローゼットからシャツを引っ張り出した。寝起きゆえだろうか、表情は締まりがない。のろのろとシャツのボタンをしめ、かけちがい、それを直す。またクローゼットを開いて、ズボンを出し、一瞬転びそうになりながらそれを履く。長い髪の毛をうっかり巻き込む。そびき出す。
    そうして軽く身なりを整えて、ふたたびベッドのほうに戻った。枕元に置いていた眼鏡を手にとってかける。昨日ベッドの上に放り投げて床に落ちてしまっていた肩掛けを拾って軽くはたく。それを手に持ったまま階段を下りる。部屋の中はひどく散らかっていた。
    彼は書類や本の山を気にかけることなく石窯へと歩み寄る。さすがに火のそばは物が少なか 8702

    DMDMGN210

    MOURNINGこのリンクを踏む者は一切の希望を捨てよ。
    100年前if同棲時空のパーオス原稿の一部です。原稿を凍結させてしばらく離れる決意をしたので報告がてら、的な。
    推敲もおざなりかつWordからそのままコピペなので各種不具合あると思いますが流してくれ。
    *****

     パーンが買い出しの仕事にも慣れ、オスカーもパーンの存在を受け入れ始めたとある日の昼食時のこと。
    「ずっと気になっていたんだけれど、それはなに?」
     不意にそんな言葉が投げかけられた。パーンが指さしたものはオスカーの左手。
    「……この指輪のことか」
     小指になにやら幅広の指輪がつけられていた。問いかけの主はその確認に頷く。
    「食事時だが外すのを忘れていたな。シグネットリング、という名を聞いて理解できるか」
     握っていたフォークとナイフを一度置くとオスカーはそのシグネットリングを丁寧に外し食卓の端へと置いた。パーンは密かにその場所を記憶する。オスカーはのちのちそれを失くしたと言ってこの散らかった家を大捜索することになるだろう。
    「あ、えっと……聞き覚えは、あるような。スタンプみたいなもの、だっけ?」
     オスカーはその返答に小さく感心した。パーンはやはり情緒や実年齢に見合わぬ知識を有しているように見える。知に貪欲なことは良いことだ。
    「概ねその認識で間違いはない。封筒に落とした封蝋にこれで印をつけると、それがサインの代わりになる。紋章をあしらった一点ものが多いな」
     私のもの 4290