10年付き合って結婚するまでのリョ三その②前編 あの後、髪を乾かしきる前にソファで寝落ちてしまった三井は、翌日には頭痛を訴えた。正確には何となく気まずい宮城に自分からは言い出せず、珍しく頻繁に溜息をつく様子と、時折こめかみをグリグリと押す様子を見た宮城が問い詰めた結果わかったことだった。
寝れば治る、と言って割と一日のんびりと過していたが、大して改善された様子もなく、その日は2人でお互い背を向けたままだったが同じベッドに入った。
明け方、背後で頻りに寝返りを打つ気配を感じた宮城がごろん、と振り返ると、近付いた背中から異様な熱気を感じた。疑問によって覚醒した宮城は、上体を起こし背を向けている三井を覗き込んだ。まだ室内が暗くて表情はよくわからないが、浅く湿った呼吸。もぞもぞと、また寝返りを打つ。
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