五悠 社長×窓掃除バイトパラレル 女の胸をただの脂肪の塊と思うようになったのはいつからだったか。
太ももの上に跨る女は、自らシャツをはだけて白いレースに包まれた乳房を揺らしている。脚を大きく開いているせいでたくし上がったスカートからは、ストッキングのランガードがのぞいていた。そのさらに奥は、薄い布の下で熱く蒸れているのだろう。興奮した様子の女と同じように。
そこで思考を止めて、五条は白けた視線を女から外した。
全面ガラス張りの窓から差し込む陽の光は白い。まだ昼食を済ませて一時間も経っていない明るい日中だ。ましてや五条が椅子に座るこの部屋はストリップ劇場でもラブホテルの中でもない。グループ会社をいくつか持つ、歴(れつき)とした企業のオフィスビルの最上階――社長室だ。そこに秘書として働きに来ているはずの女は、今はなぜか雇い主である社長に乗り上げ、発情したメスよろしく呼吸を荒げて体を擦り寄せている。もちろん彼女の業務内容に『社長の身体のケア』は含まれていない。
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