真夜中に飲み物 好きな飲み物は何か?
そう聞かれたならば、ノートンキャンベルは「ビール」と答える。暑苦しい炭鉱所から出た後、酒場で冷えたビールを勢いよく飲み干す快感は何度味わっても良いものだ。深夜にナッツ等のつまみをお供に、ゆっくり楽しむのも良い。
試合前の待機室で、そんな話を荘園の皆としていたら、無性に飲みたくなってきた。部屋の時計は夜の0時を指している。今から飲むと次の日に障りそうだが、明日の試合は昼からなので、まあ大丈夫だろう。ノートンは寝間着のままベッドから体を起こすと、深夜の食堂に向かってふらりと歩き出した。
さすがにこの時間になると、皆自室に戻るので、荘園の廊下はひっそりとしていて暗かった。この荘園には不思議は力が働いており、0時を超えると廊下のろうそくは、早く明日に備えろと言わんばかりに全て消えてしまうのだ。ノートンの部屋は荘園の3階。食堂は1階のため歩くと少し時間がかかる。さすがに月明りのみでは転んで怪我をしかねないので、ランプ片手に食堂まで歩いていった。
1335